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まだまだ雨は上がらない

2021年6月9日いっくんが産まれた。妊娠20週のスクリーニング検査で心疾患が分かってから無事に産まれることだけを祈ってきた私にとってはとても嬉しい日だった。とても暑い日で窓からも青い空が見えていた。
生後1週間で三心房心の手術。無脾臓症だったからか心臓の施術はうまくいったけども皮膚を締められなかった。そこからNICUに入り亡くなるまで本当に頑張ってくれた。
私たち両親の頑固さ?を引き継いだのか意思が強い子だった。痛み止めや起きないように麻酔をずっと投与されてたのに、目をキョロキョロさせたり舌で音を鳴らしたり涎で遊んだりしてた。きっと起きて色んな世界を見たかったのかな。
最後の1週間はコロナもある中で私たち両親がいつ来てもいっくんの側にいさせてもらえた。いっくんにしてあげたかったことはいっぱいあった。まだ服も着たことがなかったし手術の日の朝からいっくんの泣き声は聞いていないし抱っこもできてない。そばにいてあげることしかできなかったけど色んな話ができた。私たち2人は頑張って生きていく、いっくんは兄弟のスカウトを天国でしてほしいと約束をした。

いっくんが旅立ってからどれだけ泣いたかわからない。
外に出ると赤ちゃんを連れてる人がいる。見せびらかすためにわざと連れて来てるんだと思い、ぶっ飛ばしたくなる。自分が何もできないことに落ち込んだりする。
最近落ち着いてきたかなと思ったけど、遺影の前に座ると泣けてくる。
いっくんの兄弟はレインボーベビーと言われるらしい。早くに子供を亡くした母親の涙の雨が上がった後に虹のような子供。1日でも早く会いたい。いっくんが安心してスカウトできたんだなと思えるし私も頑張ったと思えるだろうから。
でもまだまだ私の雨は降り続いているみたい。いつかいっくんが生まれた日や旅立った日のように白い雲と青い空が広がればいいなと思っている。

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