仁義なきシャニマス 代理戦争編#1

登場人物:ここにまとめてあります。

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「黛のおじさん、引退されるいうんはほんとなんですか」
ブランデーを飲みながら驚いたように放課後クライマックスガールズのリーダー杜野は言った。283の組長である黛は周りのホストに席を外させる。
「杜野よ、わしもそろそろ潮時じゃ。事務所のアイドルはわしが塩梅ようしたけん、しばらくは大丈夫じゃろう。それによ、わしはそろそろ事業の方に力を入れたいんよ」
そういうと、黛はグラスに注がれた琥珀色のお酒を一気にあおる。黛は事業で競輪場の理事長をやっており、そちらに専念するため組長を引退したいと切り出してきたのだ。

空になったそのグラスに杜野がブランデーを注ぐと口をつけることなく、まるで目の前にいる女を説得するようにゆっくりと目を向ける。杜野は283の幹部であり、実際に黛の跡目の有力者と目されていたアイドルだ。すると杜野は苦笑いしながらこう答えるのだ。
「わしゃ事務所持つようなタマじゃないですよ。それに今おじさんにやめられちゃあ346や876が黙っとりゃせんでしょう。わしら283言うても広島のグループの寄り合い所帯ですけん、じきにササラモサラにされますよ」
そういうと杜野もブランデーを口に運ぶのだった。

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しかし、黛にとってそれは計算通りだった。この話には続きがあるのだ。それは先程とは違った真剣な顔つきに変わった黛は言った。
「わしがこんなこと言うてるのは他でもない、杜野。2代目が務まるんはこんなしかおらんじゃないの。福丸はノクチルもよう纏められんボンクラじゃしよ。桑山は346にゴマばっか擦りよって、すぐに身売りするのが目に見えとるわい」
アルストロメリアのリーダー桑山は日頃から広域アイドル事務所の346に接近しており、最近兄弟盃をもらったのだ。黛の目には広島の283を346に売り渡しているように映った。283は広島では最大の事務所だが神戸の346に比べれば高が知れている。桑山に跡目を取らせて346から直盃でも貰おうものなら283への内政干渉が起こるのは目に見えている。
「月岡さんもおるじゃないですか。あの人なら勲章も十分あるしええでしょう」
黛はため息をつく。
「あれはいうても外様じゃけえの、ええ顔せんもんも多いのよ」
「そうですかのう」
杜野は困って頭をかく。
「杜野、こんなにしか務まらんのじゃ。この通りじゃ」
頭を下げる黛に森野は慌てて言う。
「おじさんがそがに言うなら考えさせてもらいますけん、頭上げてつかあさい」
「ほうか、考えてくれるか」
黛は頭を上げ笑顔を浮かべる。
「ええ返事待っとるけん、頼むど」
杜野は苦笑いしながら立ち上がる。
「よろしゅう頼んます、ほんなら、今日はこれで」
「いや、わしももう帰るわい。大崎、世話になったの」
そういうと2人は大崎の経営するクラブを後にした。


参考
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
https://campaign-shinycolors.idolmaster.jp/ssr2020/rinze_morino.html






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