あしたのジョー

今、WOWOWで"あしたのジョー"を放映している。

私より少し上の年代の人がストライクゾーンで、私は細かくは見てはいない。でもストーリーは知っているし、懐かしのアニメのような番組で流されるのはほぼ『激闘の末、負けたジョーが力石に歩み寄り、握手をしようと手を伸ばし、力石も応えようと手を伸ばすが、すれ違い力石が前のめり込むように倒れる』シーン。
そして力石はそのまま帰らぬ人に。

やはりなんというか、強烈に残る名シーンだ。

ついこの間、正にここだった。

で、私はてっきりここが最終回だと思っていたらなんとアニメは続いていた。しかも後20話くらいあるようだ。
全然知らなかった。

ちなみに『なんにも残りゃしない、真っ白な灰になるだけ』というセリフを残し、リングのコーナーでモノトーンになるシーンはあしたのジョー・2


先程、少し上の世代のストライクゾーンで、あまり見ていない、と書いたが、もう一つ理由があった。
劇画状タッチ、とでもいうのだろう。全体的にトーンが暗く、そしてややグロいのである。
特に試合シーンの強烈なパンチを食らってマウスピースが口から飛び出し、リングに倒れるシーンなどは血しぶきありの陰影がこれでもかと描かれ、白目は向いているわ・・・・文字におこすより見たほうが早い。百聞は一見にしかず。

いや、やはりあのグロさは小学生の私には度々見るのは無理だった。

力石が亡くなった時、現実で本当に葬式を行った、というのは知る人ぞ知る有名な話。

ちなみに今では放送倫理に関わる?とか言う言葉満載で地上波再放送はおそらく無理。WOWOWでも断りを入れてから放映している。

蛇足ながら、ちょくちょく見ている某ヨウツベで、今のテレビはやれ教育に悪いだの悪い影響が出るだの、刺激が強すぎるだのであまりショッキングな映像が流れないなってアップ主が言っていた。
言われてみれば、私の子供の頃は衝撃映像だの世界の大事件だのって、例えばビル火災で逃げ場を失った人々が燃えながら転落してくる映像だのってあった。
画像は今ほど鮮明ではないが。

さらに私の両親は戦前生まれで東京大空襲に遭遇しているので、足の踏み場も泣いほど倒れている、黒焦げになった死体を跨いで歩いた経験などしている。

昔は祖父母などとも一つ屋根の下で暮らしていたけれど、今は核家族化、いやもっとミニマムに一人暮らしとかで身近に死に遭遇する機会が減っていて、段々悲惨さだとか、死体だとかいうものを身近に感じにくくなっている気がして、これ以上やると死ぬという、加減というものを知らない人が増えている気がして。

死ぬとは思わなかっただとか、殺すつもりはなかっただとか、言い訳ではなくて本当にそう思っていたら、それはそれで怖い世の中だ。

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