【イグBFC総評(のようなもの)】

※イグBFCとは、文芸イベント『ブンゲイファイトクラブ2』のスピンオフ(という名のタダ乗り)企画です。一言でいえば「もっともアホな作品を決めよう」というコンテストです。ブンゲイファイトクラブについては下記リンクをご覧ください。

《イグBFC運営による閉会の辞》

この度はイグBFCなどという馬鹿げたイベントにご参加いただきまして誠にありがとうございました。既にご存知の通り、優勝は佐川恭一氏の『エースをねらえ!』に決定いたしました。おめでとうございます!(さすがに強えよ)佐川氏におかれましては、今後「最狂作家」の呼び名に臆することなく、より一層のご活躍を期待するものです。恥ずかしくなければどんどん言いふらしていただいて一向に構いません!

さて、このイベントはそもそもBFC2の予選通過者決定後、「どうだ、こんなアホな話を書いたぞ」「いや、自分の方がアホだ」「なんだと!それなら勝負だ!」という、げんなり氏との他愛ないやり取りから始まったものでした。せっかくだから募集してしまおう、が、あれよあれよと作品が集まり、BFC運営の西崎憲氏までもが参戦を表明し、著名な書き手の方々が集結するに及んで予想を遥かに超える盛り上がりを見せることとなりました。「おいおい、どうするんだ。とんでもないことになったぞ」というのが正直なところでしたが、寄せられた作品の数々を並べてみて、これは思ったより意義のあることなのではないかと考えるに至りました。

「なぜ小説なんか書いているのか」と訊かれることがあります。それに対する私の答えは「そこに真の自由があるから」です。最初からそうです。それは決して揺らぐことがありません。小説に限らず、文芸など読まなくても生きていけます。書かなくても生きていけます。多くの人はそうです。一方で人生は恐ろしく不自由です。ここに集ったみなさんもまた、多かれ少なかれ創作に自由を求めている、自由に表現することにこそ自分らしさを感じている人たちなのだと私は信じたい。たとえそうでなくとも、「文芸とはこうあるべきだ」という信念を持っていたとしても、そのことに理解と同意を示していただける人たちであると信じたい。

イグBFCの参加フォーマットに枚数以外の規定を設けなかったのもそのためです。自分が思うような方法で参加して欲しいと。そして、集まった作品は私の予想を軽々と凌駕しました。そこには、思いもしなかった自由がありました。私が自由だと思っていた世界にはまだ外側があったのです。文芸にはまだ自由の翼を広げることのできる余裕が、空間があるのだと教えられました。

もっとも自由にしたあまり、いろいろな手違いが生じてしまい、みなさんには大変ご迷惑をおかけしてしまうこととなってしまいました。この場を借りまして改めてお詫びを申し上げます。

正直なところ、予選ラウンドを前に寄せられた作品群を並べている時点で、私にとっては勝敗など二の次になっていました。ここに集まった作品は、おそらく通常のコンテストなら問題外の烙印を押されてしまうことでしょう。しかし、普段なら目にすることのない水面下には、こんなにも豊饒な、自由な創造力の世界が広がっているのだ、そのことを実際に目にできただけで十分だったのです。ここに集まっているみなさん、そしてこのような作品群に投票し、感想を寄せてくれるみなさんがいるなら、この先なにを恐れることがあろうかと思ったのです。自由で良いのだと心から思ったのです。これは運営としてではなく、個人的にお礼を申し上げたい。本当にありがとうございました。ひょっとすると私の目の届かぬところで、あるいはこれからも、ひょっとするとこの総評を読んで、批判する方がおられるかもしれません。そうした意見には、事前に予告した通り、この画像「のみ」を送らせてもらいます。

画像1

最後になりましたが、企画と「イグ」のネーミング、広報活動に尽力していただいたげんなり氏、そして協力の申し出とまとめページ作成に力を貸していただいたTakeman氏、そしてもちろん参加者のみなさん、ご投票いただいたすべてのみなさんに重ねて感謝いたします。本家BFC2はこれから佳境に入ります。BFC2幻の2回戦作トーナメントという新しい企画も続いて行われます。是非とも当イベントに寄せていただいた以上のご支援ご声援をお寄せくだされば、運営としてこれ以上の喜びはございません。BFC2、および幻の2回戦作の成功を祈念するとともに、寒い季節を迎えみなさまのご健勝をお祈りしまして、簡単ではございますが閉会のご挨拶と変えさせていただきます。駄文をお読みいただきましてありがとうございました。

あ、大事なことを言い忘れました。

なんだかんだ言いながら、最高に楽しかったです!

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