ジョゼと虎と魚たち

ありがとうございます
この作品に出会わせてくれて。

アニメってほんとに良いなぁと再認識させてくれるほど声も映像もかなり刺さりました

綺麗といえば「君の名は」とか新海誠監督の作品が最初に出てくると思いますが、この作品はリアルだけれどアニメの枠を越えない丁度いい綺麗さでとても見やすかったです

この作品はネタバレあっても楽しめると思うのでざっくりとストーリーを含みながら感想を書きますね。

足に障害があって不自由な暮らしをしていた少女が何かの縁で男の子と出会って〜という割とよくある導入だなと思ったのですが、ここで深いなと思ったのがお互いの距離感でした

両親が亡くなって祖母と二人暮らしの少女
祖母も完全には介護できないので外出はほとんどせずに外の世界を知らない人魚姫状態。
車椅子生活なので駅で切符を買うにも急いでるサラリーマンから舌打ちされたりぶつかられるのは日常的、彼女にとって外の世界は怖いもの

そんな外の世界からきた青年。
彼にはメキシコに行って魚群を見るという夢があった。一人暮らしでバイトもかけ持ちして何一つ不自由のない暮らしをしていた。

そんな2人が出会ってすぐに打ち解けられるはずも無く、彼女はノラネコのように警戒して近付かせない、彼は彼女の意思が分からず愚痴をこぼしながら言うことに振り回される。

しかし次第に彼女の心が開いてきて、彼と出かける回数も増え「外は怖いだけの世界じゃない」と前向きになっていく。家の中で生きるしか無かった彼女の読書や絵を描くという趣味も図書館や海や水族館に行くことでもっと広がっていった

それも全部彼と出逢ったから。
ある日動物園へと足を運んで虎を前にして怯える。「動物見たいんじゃなかったのか?」と彼の質問に対して「怖いものも管理人(彼)となら見れると思った」と、居てほしい存在になっていった

しかし彼は海外に行って魚を見るという夢がある。それに海外留学の話も進んでいて残り半年で離れなくてはいけない。けれど本人は彼女にそれを伝えなかった

ここまでは(あー、せっかく仲良くなれたのに引き離されるの辛いよなぁ)程度に見ていたのですが次のシーンで祖母が亡くなってしまって事態は急展開。
彼と離れて辛いどころか彼がいないと本当の意味で生きられないのでは…?と

「木に止まってるセミのぬけがらも取る事が出来ない、何かを掴もうとする度に届かない現実を突きつけられる。健常者にはわからん」と彼を突き放す彼女

どうなってしまうんだろうとソワソワしているうちに彼が交通事故に遭い車椅子生活に、。
当然足が動かなければ海外に行くという夢も絶たれてしまう訳で。。

感情が追いつかない、唯一の肉親を失って孤独になろうとしてる彼女に感情移入しようとしたら今度は彼が。。。

どんなに優しく付き添ってきた彼も精神的に余裕が無くなり色々と突き放してしまうように、そう、まるで初期の彼女のように

彼に救ってもらい同じ苦しみをわかっている彼女が今度は私の番だと言わんばかりに立ち上がる

細かいことは省いで要所だけストーリーを書きましたがこれが愛ですよね、、
カッコイイとか優しいって惹かれて付き合うのとは違って、自分のために彼のためにって人生に関わってくるような温かい気持ちのやりとり

たまたま出会ってたまたま一緒にいて、段々といてほしい存在になって、好きと伝えてしまえば壊れてしまう怖さもあって、大切にしたくて

映像も綺麗ですがキャラクターの気持ちが何より綺麗だなぁって思いました、1時間半の映画で4回くらい泣きました……

かなり省きましたが彼の男友達とかもすっっごくいいキャラしてるんですよね、The男友達って感じで何でも許せるような仲だけれど深入りはしない線引きの上手い奴でした
そういうサブキャラにも幸せになって欲しいと思えるくらい嫌な奴がいないスッキリした恋愛映画です。

自分のやりたいこととか色々ある中で貴方といたいって思える気持ち。貴方が僕の全てだっていうデカいLoveも好きですけど、こういう小さくても純度の高い恋愛かなり好き

ゼクシィの広告か何かで「結婚しなくても幸せになれる時代に、私はあなたと結婚したい」ってのがあるんですけどそれなんですよ。

1人でも、別の人でもきっと生きていける
だけど君と一緒にいて一緒に幸せになりたいって思えるのがどんなに尊いことか
リアルでもそう思われる人になりたいですね。

個人的には家の都合であんまり自由にできない彼女が足の不自由なジョゼと被って可愛く見えましたまる

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