おやすみプンプン

約10年ぶりに読みました。

昔読んだのは確か高校生くらいで、自立もしていなければ異性も知らない子供で本の内容も「ひねくれた主人公が数年越しの恋で事故って相手とその母親を間接的に○してしまう」程度でした

ほぼ内容忘れてから数年越しの2週目ということでこんな意味わからんキャラいたなぁと懐かしみながら読むとこんなに濃い漫画だったかなと……

この漫画を読んで何を感じるかとても分かれる作品だと思いますが、私は「主観的に見れば大事でも俯瞰すればこんなにも無意味」です

プンプンの幼少期から大人になるまでの出来事やその時の感情が描かれながら、周りの登場人物にも度々焦点が当てられます。

誰かと交した約束も、当時どんな気持ちでそれを言ったかも、その人の顔すら時間と共に薄れていく。

急に連絡が取れなくなっても、人を○しても、周りの人は変わらずに生活して同じ時間が過ぎていく。

「他人は思ってるほどあなたの事を思ってない」

東京の人は冷たいとよく言いますが、それをスープに家庭崩壊した少年と毒親を持つ少女を煮詰めて作ったこってりラーメンのような感覚。
麺をすする度に孤独のスープが絡んでくる

人と人との出会いはそんな希薄なもんじゃないよって言いたいですが事実は小説よりも奇なりというように、そんな世界もあるんだろうなって

自分が○にたいと思った夜も、どこかで愛を叫ぶ人もいれば仲間と踊り明かす人もいれば酒を飲んで寝るだけの人もいる。

どんなことを思ってもどんな事をしても社会にとってそれはあまりにも無意味で無関心
自分というのはあまりにもちっぽけな存在

そんな世界だからこそ、それでもいいんだよって言われてるような気がします

昔の親友も、初恋の相手も、誰かとの約束も忘れてしまってる事の方が多いしこれからの事もいつか忘れてしまう時が来るかもしれない

みんな嘘つき

だからせめて今だけは大切にしたい
いつか今日のことを忘れてしまってもその未来を大切にできたらいい

そんな気持ちになりました

余談ですが、自分は元々それに近い考えがあったので思い出を留める意味でも「写真」が好きです

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