容疑者Xの献身

私が中学生のときに劇場で見た思い出の作品です、まだ初恋もしたことない時の。

サブスク配信中とのことで懐かしみながらもう1度。本当に切なくて美しい映画です

コナンと違って最初から犯人も犯行も分かっている状態から物語が始まりますのでネタバレにはなりにくいのですが、ラスト30分で2回ほどひっくり返されます

"愛"とは何なのか
輪るピングドラムでもテーマのひとつになっていますが、あちらでは罪を背負うことや自身の存在証明をすることで表現されていました
本当の幸せとはお金持ちになることでも自由になることでもない、
この映画にもどこか共通したものが見えるのか

それにしても日本の役者さんは本当に演技力が高くて驚かされます、視線や息を飲む間で心理描写をするような言葉の無い言葉

音楽を使わずとも声色でその場の空気感を演出する、本当に目が離せません
思い出したらもう一度観たくなる作品です

作中でも触れられますが、登場人物の石神というキャラクターは天才数学者です。
高校教師をしていてテストは引っ掛け問題をよく作ります、"幾何の問題に見えて実は関数の問題"のように「相手の思い込みを逆手に取る」のが得意です。
映画を見ているあなたも何か思い込みをしているかも知れませんね

そして主人公は石神にひとつ問題提起をします
「誰にも解けない問題を作るのと、その問題を解くのはどちらが難しいか。ただし必ず1つ答えがあるとする」
誰にも解けない問題とは何なのか。

もう1つ印象に残る会話があります
実際に存在する"四色問題"というものです

これは「どんな地図も四色あれば隣り合わせで同じ色になることは無い」というもので、これはコンピューターを使って導き出された答えなので美しくないと石神は機械を使わずに自力でその答えに挑戦していました。

「どんな地図も四色あれば隣り合わせで同じ色にならない」、言い換えれば「隣同士で同じ色になってはいけない」ということ

思い出してください、テーマは"愛"です

天才数学者は美しいと思える答えにたどり着けたのでしょうか
この作品はガリレオというドラマシリーズの劇場版ですが知らなくても全然楽しめるので、是非ご自身で映画を見て一緒に感じてほしいと思います

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