極限脱出シリーズ所感

※書きかけのまま放置され続けていた下書きをそのまま公開します。


この記事は「極限脱出 9時間9人9の扉」「極限脱出ADV 善人シボウデス」「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」のネタバレを含んでいます。









約1か月かけて極限脱出シリーズ全3作品をクリアした。
クリア直後はモヤモヤする部分もあったが、自分なりに考察した結果、この作品は「すべては運命だった」の一言で説明できることにきづいたので、備忘録も兼ねて記事を残しておくことにした。


① すべては運命だった

淳平や茜たちは、よりよい未来のために自分の頭で考えて行動して運命を切り開いていったように見える。
だが、説明としては不十分であり不正確といえる。
そういった行動や思考をすること自体がそもそも運命づけられていたもの、というのが正しいのではないかと思う。刻ジレの最終エンディングを迎えるまでの全ての出来事があらかじめ「運命」として決定づけられたことであると考えればすべてに納得がいく。

例えば、デルタが存在しなければラジカル6が全世界にバラまかれることはなかっただろう。だが、彼が存在しない世界はほぼあり得ないと考えてよいと思う。人類が猿から進化したことが当たり前なように、彼が存在すること自体があらゆる世界の普遍的事実になってしまっている可能性が高い。
とはいえ、ダイアナの妊娠と過去への転送が確定するまでは、彼の存在は「999」の茜のように不確定だった可能性は多少ある。ただし、茜と異なるのは、彼が存在しないことになると、「999」「善デス」「刻ジレ」で描かれてきた物語すべてが消えてしまうことにある。その場合、茜たちに素質があったとしてもSHIFTERとして覚醒していた可能性は低い。存在を認知できない世界は、無いものと同じだ。

では、デルタが存在する世界が確定していると前置きして話を続けよう。

まず、彼は生まれながらにしてマインドハックという能力をもっている。そして、全人類が滅亡する未来を知り、同時にそれを回避できる世界の存在を知ることになる。その世界に到達するまでには、様々な不幸や壮絶な死を経ていかなければ

ここまで考えると、ひとつの可能性にいきあたる。


② 本当の主人公は誰か

デルタである。
少なくとも「刻ジレ」に関しては彼が主人公というほかない。
彼の視点からみた物語だからだ。Qチームのみが「BAD END」と表示され、他2チームは「GAME OVER」と表示されることからもわかる。


③ シグマとダイアナについて

二人が惹かれ合うのも、また「運命」である。
確かに、極限状態のなか、つり橋効果でシグマに惹かれた可能性は否定できない。シェルター脱出後に「シグマを追ってきた」と言っているが、好意よりは心配する気持ちのほうが強かったのかもしれない。
しかし、そんなものはたいした問題ではない。いつ、どのような状況で好意を抱いたのかを明らかにする必要はないのである。
だって、二人は出会えば必ず惹かれ合うのだから。
壮絶で残酷な「運命」がほとんどを占める物語の中で、こんなにも切なくてロマンティックな「運命」があるだろうか。

④ エリックとミラとSHIFTについて

「刻ジレ」の後日談で、ミラがあっさり改心してしまっているのに拍子抜けした人は多いのではないか。
私は、あの改心はSHIFTによる副産物だった可能性を提示したい。