prayer room #7 ゴミ収集ネットの待機のしかたについて
ゴミを捨てる場所に必ずと言っていいほど置いてあるネット。カラスにゴミを荒らされるのを防ぐ目的があるため、防鳥ネットと呼ばれる商品だそうだ。
このネットの使われていない時の置かれ方が気になって、ちょっと考えてみた。
ゴミを捨てる日には全てのゴミ袋を覆えるように大きく広げられているが、そうでない時には邪魔にならないように簡単にまとめられている。
捨てられるゴミの種類を示した看板に被せてあったり、道のガードレールに被せてあったりと仕舞い方は千差万別だが、どこも少しおざなりな様子が見られる。おそらく、最後にネットを開けるのはごみ収集作業員の方だろうから、回収し終わった後、仕事の最中に丁寧に畳んだりする余裕が無いことを思えば納得できる。反対に、覚えてる限りではきちんと畳んであるネットを見かけたことはなかった。
けれど、この雑な仕舞い方が次の使いやすさに繋がっている気がしなくもない。
必要な時と不要な時との切り替えの動作が簡単に出来れば、頻度が高くてもそれほど苦にならないのではないだろうか。 そもそも目的がカラスに荒らされるのを防ぐ事で、これはネットの使用を習慣化し継続しなければ達成できない。そして簡単なことほど続けやすい。なんだか大らかな在り方が実に合理的に思えてくる。
片付けたと言い切るには中途半端だと感じていた状態も、そこの収集場所を利用する人達が生活しながら、もしかしたら無意識のうちに繰り返したささやかな試行錯誤の着地点だと思うと意味ありげに見えてしまう。
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