【第31回特典】2020年度試験対策厳選問題~調査・診断編

問題

木造住宅の住宅診断において、化粧スレート屋根に以下の症状が認められた。症状に対する 助言として、次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 屋根材が欠損し下葺き材が露出していたが、小屋裏には水染み跡などが見られなかったことから、雨漏りは生じていないと診断し、屋根の塗替えを推奨した。

2 屋根表面塗装が、著しく変色していたため、直ちに雨漏りが発生する状態ではないが、屋根材の劣化が進行しやすい状態であると診断し、屋根の塗替えを推奨した。

3 屋根表面に苔が付着していたが、直ちに雨漏りする可 能性は低いと診断し、早めに苔の除去と屋根の塗替えを推奨した。

4 屋根の表面にずれや変形などは見られなかったが、小屋裏の野地板下面に水染み跡が確認できたため、雨漏りの可能性があると診断し、当該部分の2次診断を推奨した。

【画像データ】解答Note差込画像

解答

正解 1

1 最も不適切である。屋根材の下地には下葺材が存在するため、 直ちに雨漏り等の不具合が生じる訳ではないが、下地材の劣化 を促進することになるほか、安全面に問題が生じるおそれがある。 屋根の塗り替えでなく、早急な補修が望まれる。

2 適切である。化粧スレートの最もよく見られる劣化は、塗膜表面 の剥がれに伴う材の露出であり、外見上は変色という事象となってあらわれる。

3 適切である。苔が生育する程度の水が屋根材に浸透する状態になっていることから、屋根材の劣化進行は早まる。

4 適切である。外観からは劣化症状が確認されず、小屋裏から水染み跡が確認された場合で、その場で原因の特定ができないときは、2次診断などで原因を特定した後に、補修を推奨するアドバイスができるとよい。

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