【第33回特典】2020年度試験対策厳選問題~調査・診断編

問題

木造住宅における、バルコニーの目視調査の結果とその報告に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 FRP防水が施工されているバルコニーで手すり壁のサイディングがバルコニーの床までしっかり張られていることから、施工上の問題はないことを依頼者に報告した。

2 バルコニー手すりの内面のサイディングに割れが見られたが、外壁面ではないため室内への漏水の心配はないと依頼者に報告した。

3 片持式のバルコニー手すりがスチールの角パイプ製であった。その脚部には錆びによる著しい腐食が見られたが、手すりのみ交換すれば問題はないと依頼者に報告した。

4 バルコニーの目視調査にて、外壁とバルコニー手すりの接合部にシーリングの剥離が見られた。シーリングの剥離だけでなく内部の防水紙破断の可能性があることやそこからの漏水による構造体の劣化も考えられることを依頼者に説明し、軒裏や外壁内部の2次診断を勧めた。

【画像データ】解答Note差込画像

解答

正解4

1 不適切である。FRP防水が防水の壁面への立ち上げは250mm以上が推奨されているが、サイディングが床面まで張られていた場合は立ち上げの高さを確認することが出来ないため、調査が十分に実施出来ないこととその理由を依頼者に説明するべきである。また、サイディング下部がバルコニー床面に流れる水と触れるようであれば、サイディングに水が浸透しサイディングの劣化原因となることも説明する。

2 不適切である。ルーフバルコニー、片持式バルコニーのいずれの場合でも手すり壁からの漏水は可能性が高く、内部の構造体の劣化の原因ともなるものである。軒裏などでの漏水の痕跡の確認など実施し、さらに2次診断を進めることが望ましい事象である。

3 不適切である。ルーフバルコニー、片持式バルコニーのいずれの場合でも手すり壁からの漏水は可能性が高く、内部の構造体の劣化の原因ともなるものである。軒裏などでの漏水の痕跡の確認など実施し、さらに2次診断を進めることが望ましい事象である。

4 最も適切である。バルコニー手すりと外壁の取り合い部は漏水の可能性の高い部位であり詳細に調査する必要の部位である。問題のような事象が見られた場合は、依頼者への説明と2次診断の提案などが望ましい。

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