第9回「度肝を抜く売り込み口上「外郎(ういろう)売」」
雄弁な長台詞は、全部「ういろう」のコマーシャル。
団十郎の流暢な宣伝口上に、江戸っ子たちは拍手喝采!
2代目団十郎が感謝の意を込めて創作
「ういろう」というのは、小田原の虎屋藤右衛門が売り出した銀色の丸薬です。咳止め、喉の痛み止め、旅の常備薬などとしてよく知られており、約650年の時を経たいまも神奈川県小田原市で製造されています。(注1)
2代目団十郎が喉を痛めていたとき、この「ういろう」を勧められて飲んだところ、すっかりよくなったため、お礼を兼ねてこの薬を舞台で広めたいと