第1回「チラシの元祖、ここに!」
「現金掛け値なし」の新商法を伝えた引札(ひきふだ)1683(天和3)年4月、一枚の刷物(すりもの)が江戸全市中の家々に配られました。その内容は三井越後屋(三越の前身)が店舗を駿河町に移転した際に、革新的な販売方法を、改めて多くの人に知らせるものでした。これが引札と呼ばれ、今日のチラシ広告の始まりです。のれんや看板とちがい、向こうから飛び込んでくる宣伝物に、世間はびっくりしたことでしょう。
「江戸中の家数を知る呉服店」と川柳に詠まれるほどでした。
引札には「今度、私工夫をもって