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バナナだと思ったら未知の果実だった話
家に帰ると、リビングのテーブルにバナナが置いてあった。正確には、これはバナナではなかったのだろうけど。たぶん。ちょうど糖分を補給したかったので、俺はそれをキッチンへと運び、包丁で斜に切り込んだ。
バターを切るように、滑らかに。
抵抗もなく刃が通っていくはずだった。しかし、何かがおかしい。
第一に、皮が妙に硬いのである。南瓜を切るときのように、包丁に体重を乗せると、やっと刃が通った。そしてさらに、妙なことがもう一つ起こった。
切断面から、血のように赤い汁が滲んでいるのである。これほど果汁に富んだバナナとは、バナナジュース屋さんもびっくりだろう。(まな板を使わずに、調理台で直接切ったのでやらかした、掃除が面倒だと思った)
その果実の切断面は赤色半透明で、それはルビーのようだった。ルビーはアルミニウムが含まれているんっだっけ。匂いを嗅いでみると、林檎を濃縮したような、工業用の有機溶媒のような、酢酸エステル系の香りがした。(トルエンは無臭なので、工業用の有機溶媒は空気中の濃度上昇に気づくために果実に似た芳香を持つ酢酸エステルを混ぜています)
この奇妙な果実は、いったい何だ?
気味悪く感じながらも、持続可能性の観点から食品を廃棄すべきではないことを鑑みて、皮ごといってみた。
それは香りと色に一致して、強い甘みと酸味があり、とても美味しい、もっと食べたいと思わせた。感謝感謝。
母が現れたので、この果実が何であるか質問した。
「ボボボボボボボ」
「え?」
「ボボボボボボボ」
結局、果実の名前はわかりませんでした!いかがでしたか?
本当に、このバナナに似た果実は何だったんだろう。歪む視界の中、考えを巡らせていた。 (終)
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