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父さんと母さん あとがき

両親が年々老いていく姿を見ると、どんな形であれ喜んでほしい、と思う。しかしながら現実は厳しさを増してくる。このしゃぶしゃぶ事件?から10年以上経った今も変わらず安心させられていない。それどころか社会情勢の変化と加齢による衰えと甘さから希望が年々薄れていく。もう両親は諦めているだろう。
少し前にTVでオレオレ詐欺撲滅のCMが流れていたのだが、その内容がとても心に響いた。いや響くというよりは心が痛かった。その内容はこうだ。
田舎の母親がオレオレ詐欺にかかり損をしたことを遠距離に住んでいる息子が電話で怒っている。「なしてそんなのを信用するんや!」と息子。「すまんな、ついお前かと思って、お前が困ってると思って」と弱々しい声を出す高齢の母親。そこで息子が気付く。オレのせいだ、こまめに連絡せず寂しい思いをさせたから詐欺とも気付かないくらい嬉しかったのだ、オレのせいだ。そこからマメに連絡して「詐欺から守るのはオレだ」という締めで終わるCMだ。

とても心に響いた。まさに今ぼくが置かれている立場、連絡している回数、寂しい思いをさせている両親、同じ現象でないか。唯一の救いはひとりでなく2人とも元気であること。もしどちらかひとりになれば、、そう思うとそろそろ親元に戻らないといけないか、とも考える。
年々写真でみる両親の身体が小さくなっている気もする。肩幅こんなに狭かったか?白髪増えたなあ、何だか年寄り感出てきたなあ、など。それでも日常は変わらず過ぎ去っていく。もうすぐ45歳を迎える。僕の人生も折り返し始めたばかり、父さんと母さんが健在のうちにひとつでも安心させてあげたい。さあ、ここからだ。

おわり

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