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フォトエッセイ

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何気ない日常の中で、ふと気になってしまうモノ・コト。季節の写真を添えて、短い言葉にまとめたエッセイ集です。
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#御朱印

世界遺産「高野参詣道 三谷坂」を歩いて③【和歌山】

三谷坂を登り切り、無事、天野の里に到着。花盛祭の渡御行列を見るために、私たちは世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社まで歩きました。 丹生都比売神社 花盛祭 丹生都比売神社の鳥居をくぐると、境内には参道の両側に色とりどりの花が飾られており、とても華やかな雰囲気でした。 ほどなく始まった渡御行列は、天狗の姿をした道開きの神・猿田彦さまが先頭です。 猿田彦さまに続いて、笛を吹く人、弓や刀を携える人、獅子頭を持つ人、お神輿を引く子どもたち……時代衣装をまとった行列が粛々と進ん

京都でゆったり紅葉旅 ~光明寺・善峯寺~

「この秋は京都で紅葉を楽しみたいな」 そうは思ったものの、今年の京都には多くの観光客が押し寄せそうで、ちょっとためらいが。 そこで、京都の中心部から少し離れた長岡京市の光明寺と、京都市西京区の善峯寺(よしみねでら)を11月下旬、訪ねてみることにしました。 光明寺へまず訪ねたのは光明寺です。京都市左京区在住の長男のところに前泊をして、そこから車で約40分程度で到着。 平日の午前10時ごろ、参拝者はまだ少なくて、見事な紅葉の表参道をゆっくり歩くことができました。お天気にも恵ま

朱の饗宴・丹生都比売神社

11月半ば、丹生都比売神社(和歌山県かつらぎ町)に参拝しました。 神様の鎮まる天野の里は標高約430m。空気はひやりと冷たく、すでに冬の気配を漂わせていました。 輪橋のまわりの紅葉がことに艶やか。 遠目に見ると、橋を渡ってゆく人影が紅葉の色に染まって、ゆるゆると動くオブジェのよう。 輪橋は豊臣秀吉の側室・淀の方の寄進で造られたと伝えられています。 紅葉の色と相まって、橋の紅色がとても冴えて見えました。 江戸時代に建てられた「光明真言曼陀羅碑」にも紅葉。 この石碑には円形

変化招来・熊野本宮大社②【和歌山】

熊野本宮大社から歩いて5分ほどのところに、旧社地である大斎原(おおゆのはら)があります。 ちょうど実りの季節を迎え、大鳥居は黄金の中に浮かぶよう。風が吹くと稲穂がざわめき、ほのかな光が渡ってゆきます。 もともと「熊野坐(くまのにます)神社」と呼ばれていた熊野本宮大社は、かつてこの熊野川の中州の地にあり、多くの壮麗な社殿が建てられていたそうです。 ところが明治時代に大洪水が発生。ほとんどの社殿は流され、その後、辛うじて高台に遷されたのが現在の熊野本宮大社だということです。

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紫陽花の釜滝薬師金剛寺【和歌山】