ラブアタックは突然に… 26
和と村山美羽との確執。
もう過ぎた事はいえ、和の心のどこかには彼女との確執が尾を引いていた。
〇〇)…和…
黎人の奴、余計な事を掘り起こしてくれたな。
ピンポーン…
〇〇)…きたきた
ガチャ
〇〇)和。
和)…
_________________________________
〇〇)…どう?少しは落ち着いた?
和)まぁね…
〇〇)…まぁ、もう終わった事だし気にしなくていいと思うな。
和)…うん
〇〇)何があったかは俺にもよくわからないけどさ…その村山って人、今何組なの?
和)5組。
〇〇)そっか…
俺と和は2組に属している。
2組と5組は教室がかけ離れているのであまり接点がない。
〇〇)…なぁ…何があったんだよ、その村山って人と
和)…私、あの人の事…裏切っちゃったから…
〇〇)…裏切った?
和)…美羽と私は中学の頃から一緒で、何回も一緒に遊んだことがある。でも美羽が変わり始めたのは中3の夏あたり
〇〇)…ふむふむ
和)…あれは…夏休み、美羽が近くの高校生とつるみ始めてさ…私も何回かそのつるみについて行ったんだけど…そこで気づいたんだ
〇〇)うん
和)…このままじゃダメだって、そんな事バレたらこのあとどうなるかわからないって。だから少しずつ距離を置こうとした…そして、同じ高校に入学してクラスも別になって、しばらく会わなかったけど…ある日たまたま話す機会があって…
…
『和…最近私の事避けてるよね?』
「別に…避けてなんかないよ」
『そんなはずない!どうして?!私達友達でしょ?』
「だから避けてないって!」
『…そうやって嘘つくんだ…和は』
「嘘?」
『もういい、和の気持ちはよくわかった』
…
〇〇)それで村山って人は…
和)家の窓から飛び降りた…でも骨折ぐらいで済んだみたい…
〇〇)それから…って感じか
和)それ以来、ノータッチっていうか…
〇〇)そっか…和。
和)?
〇〇)そんな事気にしてたってしょうがない。和は和なんだから
和)〇〇…
〇〇)さて…ご飯でも食べるか
和)…あっ、うん!
…
ご飯を食べた後…和と風呂に入り…
和)今日はありがと…
〇〇)こちらこそ。俺、かならず和を生徒会長にしてあげるように努力するから
和)…もぅ…〇〇っ…///
〇〇)じゃあね…
和)うん…また明日。
和を見送り、家の中へ入る
〇〇)…はぁ〜…
ため息をつきながらソファに寝転がる。
すると…
ピンポーン
〇〇)ん?誰だろ…
インターフォンが鳴り、家の玄関を開ける。
すると…
〇〇)…桜…
桜)…きちゃった
なんと桜だった。
〇〇)どうして…
桜)…引っ越す前に忘れ物して行ったみたいなの
〇〇)忘れ物?
桜)うん。一緒に探してもらえないかな?
桜が家に来た事は意外だった。
桜がかつて過ごした姉ちゃんの部屋に入るのは、久しぶりだ。
〇〇)何置いて行ったんだよ…
桜)…
〇〇)桜?
おそらく下着か何かだろう。
と、思いつつ部屋のあらゆるところを物色する。
桜)和とは良い感じ?
〇〇)…まぁ…うん…良い感じだよ
桜)…〇〇、幸せそうだもんね
〇〇)…そ…そう?てか…忘れ物って何?この部屋さ姉ちゃんの物しか残ってないぞ?
桜)…
〇〇)桜?
すると桜は部屋の電気を消して…
ドサッ!!
〇〇)おわっ…さく…っ…
桜にベッドに押し倒された俺。
夜の月明かりが桜の顔が微かに照らす
桜)…忘れ物は〇〇だよ?
〇〇)…桜…?
桜)ねぇ…どれだけ和に肩入れするの?
〇〇)どうしたの…?変だぞお前…
桜)変じゃないもん…最近は瞳月ちゃんも混ざってきたけど…1番最初に身体の関係を持ったのは私でしょ?
〇〇)桜…
すると桜は服のボタンを外し始める
〇〇)待って…桜…
桜)…和と瞳月ちゃんに…絶対に負けない…私言ったよね?まだ認めてないって。
〇〇)桜…っ
桜)…〇〇…大好きだよ…
桜の唇が俺の唇に近づこうとしたその時…
♪〜
〇〇)…っ!!
桜)…っ?!
俺の携帯が鳴った。
どうやら相手は瞳月。
〇〇)はいもしもし
『〇〇?今何してはんの?』
〇〇)別に?普通にしてたけど?
『ホンマに?和ちゃんおるんやない?』
〇〇)和は帰ったよ。
『ふぅん、ねぇねぇ。しー、宿題まだなんやけど…電話しながら手伝ってくれへん?』
俺は桜の目を見る。
〇〇)…ごめん今日俺疲れたからまた今度な
『え〜っ!なんやねん!もう!』
〇〇)切るぞ…
電話を切り、再び桜と向き合う。
桜)…
〇〇)ごめん桜。また今度でいい?
桜)…わかった…ごめんね?いきなり押し掛けて…
〇〇)ううん。いずれまたこの話をしよう。
桜)…わかった
桜を玄関まで見送り、その後はベッドに横になった。
和の事、生徒会選挙の事、色々考えている内に自然と眠気に覆われて気がつけば眠りについていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?