一緒に遊んでいた女の子は、実は女神でした 8
第9の宮、人馬宮を突破した〇〇達
そして人馬宮で、教皇の正体を知る。
和の命を救うため先を急ぐ〇〇達に立ちはだかったのは、アイオロスを討った美波…
しかし〇〇達は美波を紫龍に任せ、先を急ぐ
梅澤)…ふふふ
紫龍)…アイオロスの仇…!
梅澤)仇?何を言ってるの?アイオロスこそ、アテナを連れ去り、己のものとしようとした逆賊!そうじゃないの?
紫龍)アテナは…和は、教皇に殺されそうになった所をアイオロスに救われたんだんだ!
梅澤)…何を馬鹿な事を…まぁいい喰らえ!
ガキィン!
美波の手刀を紫龍は盾で喰い止める
梅澤)…やるじゃないの、でも
紫龍)…っ!?
紫龍の盾は崩れ去る
紫龍)バカな!あのドラゴンの盾が?!
梅澤)エクスカリバー。ただの手刀ではない、どのようなものでも切り裂く聖剣。それが私の右腕に宿るエクスカリバーなの。
紫龍)…エクスカリバーだと…?!
梅澤)そうよ!私に斬れないものはない
紫龍)…っ!ならそのエクスカリバーとやらが使われる前に!”廬山昇龍覇”!
梅澤)なに?!うわぁぁぁ!!
しかし美波は華麗に交わし、つま先を紫龍の脇にかけた
紫龍)なに?!
梅澤)私の技がエクスカリバーだけだと思わない事ね!くらいなさい!!”ジャンピング・ストーン”!!
紫龍)ぐわぁぁぁぁぁ!!
吹き飛ばされた紫龍は壁に打ち付けられ、地面へ
梅澤)…ふふふ…
紫龍)うっ…ぐっ…
梅澤)ほらトドメを刺してあげる。井上和と裏切り者を粛清しないと…
紫龍)待て…!
梅澤)?
紫龍)お前は確か…アイオロスを殺した時、赤ん坊を殺さなかったらしいな…
梅澤)あぁ、あの赤ん坊ね…まぁ別に殺さなくても良かったし
紫龍)本当にそうか?
梅澤)何?
紫龍)赤ん坊から何かを感じたからではないのか?
梅澤)…(そういえば…あの赤ちゃんから何か強大な小宇宙が…)
紫龍)アイオロスが連れていた赤ん坊こそ、アテナ…つまり、和がアテナなんだ!
梅澤)…井上和がアテナ?!笑わせないで?
紫龍)老師から聞いたアテナへの忠誠心が熱いお前が、アテナを見抜けないとは…
梅澤)まぁ、いい。紫龍、貴方もアイオロスと同じあの世に送ってあげるわ!!
紫龍)…こい!
……
その頃、〇〇達は宝瓶宮に向かって進んでいた
美空)紫龍大丈夫かな?1人で残って
〇〇)わからない…でも、紫龍が足止めしてくれてるなら良い方だよ
美空)う〜ん…そうだ、紫龍ってさ中国で修行してたんでしょ?
〇〇)確か…そうだな…
__________
スパッ!シュ!
紫龍)…っ!
ドラゴンの聖衣は美波によって剥ぎ落とされた。
梅澤)どう?これでもやる気?貴方には聖衣がないのよ?
紫龍)…
梅澤)五老峰の老師にて諦めが悪いのかしら?
紫龍)…
紫龍はある日のことを思い出していた
紫龍)はぁぁぁっ!
聖闘士になりたての紫龍は五老峰で修行を積んでいた
紫龍)老師!どうですか?!岩を粉砕できましたよ!
老師)まだまだじゃの。
紫龍)老師…?
老師)ワシに認めてもらいたいのならば、滝を逆流させてから言え
紫龍)…滝?!
紫龍の師である老師は、年齢は273歳。
紫龍)滝なんか…逆流できるのか…ん?茉央。
そして五老峰には、紫龍と年齢の近い少女茉央がいた。
茉央)どうしたのそんな怖い顔をして、また老師になんか言われたの?
紫龍)…うん
茉央)だって紫龍は聖闘士だよ?日本にいる井上和さんを助けなきゃいけないんだから
紫龍)わかってるよ…
茉央)安心して?紫龍ならできるよ?いつでも茉央がついてるから…!
…
梅澤)…どうしたの紫龍?とうとう怖気ついた?
紫龍)怖気ついた?何を言っている…
梅澤)…?!紫龍の小宇宙が…高まっている…まるで昇龍が紫龍に乗り移ったように…
紫龍)喰らえ美波!!うおおお!!
紫龍は拳を繰り出した。
そして美波に龍が襲いかかる
梅澤)これは昇龍覇?!いや、違う…
手刀を振りかざす美波
梅澤)紫龍!もはや死に時よ!!”エクスカリバー”!!
バシッ!
紫龍)…っ!
梅澤)白刃取りですって?!
紫龍)…
梅澤)紫龍の小宇宙が…私のくらいまで高まっている…?!
紫龍)…老師…俺は老師の戒めを破ります…そして茉央…祈ってくれてありがとう…そしてすまない
梅澤)老師の戒め?何言ってるの?
紫龍)…廬山亢龍覇…この技を使えばどうなるかもわからん…ただ、俺とお前は滅ぶということ…
梅澤)滅ぶ?何を言ってるの!貴方にはそれほどの技は出せない…ましてや、黄金聖闘士と貴方では差がありすぎる…!今度こそ…”エクスカリバー”!!
紫龍)…
紫龍は美波をかわし…
ガシッ!!
梅澤)うっ…!!
紫龍)さぁ…一緒に来てもらうぞ…!
梅澤)離しなさい!本当に貴方は死ぬのよ?!
紫龍)言ったはずだ…この技を使えば俺とお前は滅びると…そしてお前も一緒に連れて行く!!
ゴォォォォォォ!!
梅澤)紫龍の小宇宙が!!!
紫龍)…〇〇、美空、氷河、奈央…アテナを…和を頼む!!!
ゴォォォォォォ!!
紫龍)”廬山亢龍覇”!!
…
〇〇)…っ!
美空)〇〇?〇〇も感じたの?
氷河)見ろ…磨羯宮から流星が…昇っていくぞ…
奈央)まさか…!紫龍なの?!
〇〇)紫龍…
…
祐希)あれは…!
紗耶)天に向かって流星が伸びてる!
美月)…美波…
ムウ)…(紫龍…貴方の死は無駄にはならないでしょう…)
五老峰
バサッ!
茉央)紫龍…?
ベットから起き上がった茉央は外に出て、滝のそばへ行くと、天に昇る流星が見えた
茉央)…まさか…老師!あれは…紫龍では…老師?
茉央が見たのは涙を流す老師だった
老師)紫龍よ…亢龍覇を使ったか…こうなる事はわかっていた…
茉央)紫龍…うぅ…!
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紫龍と美波は大気圏へと突入しつつあった
梅澤)うう…黄金聖衣が焦げ始めた…これが…廬山亢龍覇…!
紫龍)…
梅澤)紫龍このままだと私たちは溶けて天空の散りになる…私は黄金聖衣を纏ってあと数時間は持つけど、貴方は後数分で死ぬのよ?!
紫龍)わかってる…
梅澤)…どうして?!そこまでして勝ちたいの?自分が死んでまで勝ってなんの価値があるの?!どうしてそこまでして戦うの?!
紫龍)美波…それはもちろん…”アテナ”のためだ
梅澤)アテナ?!紫龍…貴方のアテナって…
紫龍)アイオロスが命をかけて守り、そしてお前が殺そうとした赤ん坊…そう、井上和こそアテナだったのだ!
梅澤)…っ!!
紫龍)俺達は和をアテナと信じて戦ってきた…そして一緒に過ごす内に確信した…アテナは邪悪と戦うために数百年に一度生まれると言う…和はこれから邪悪と戦うために重要な人…だが、和は今危篤状態で、余談を許せない…和に比べれば俺の命なんか小さいもんはさ
梅澤)…
紫龍)わかったか?美波…これが俺達が信じる女神アテナ…井上和だ!
『紫龍…!』
紫龍)…和?!
『死んではダメ!紫龍が死んだら、〇〇達がどんな思いするか…』
紫龍)…和…ごめん、俺はもう十分戦った…あとは〇〇達が、和を助けてくれる…だからもう少し頑張ってくれ…必ず…〇〇達が助けてくれるから…!
梅澤)…紫龍、どうやら私は間違っていたみたい…まさか、1番アテナに忠誠を誓っていた私が見誤るとは…
紫龍)美波…?
美波)でも紫龍、貴方みたいな人は死んでは行けない。貴方みたいな人こそが聖闘士には必要なの。
梅澤)アイオロス、美月、ごめんなさい…そしてアテナ…お許しください…
紫龍)…
梅澤)あと数分で私と貴方の肉体は滅びる…これからは星になって、宇宙からアテナを見守る?ねぇ…紫龍?
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氷河)…流星の様に昇った紫龍の小宇宙が…消えた…
〇〇)…死んだのか…紫龍は?!
美空)…そんな…
〇〇達は膝から崩れ落ちる
奈央)…紫龍…うぅ…!
美空)紫龍…戻ってきてよ…紫龍…!
〇〇)…紫龍…
〇〇達の目からは涙が溢れていた
…
紗耶)…消えた…
祐希)…待って、美波は?!美波の小宇宙も消えたと?!
美月)…(美波…)
咲月)紫龍…そんな…
美月)…
美月は咲月に寄り添った
…
五老峰
茉央)紫龍…うぅ…
老師)…紫龍よ…
…
〇〇)…紫龍…うぅ…
美空)…うぅ…
奈央)紫龍…
悲しみに暮れる〇〇達、しかし氷河はすくっと立ちあがる
美空)…氷河?氷河は悲しくないの?紫龍が…紫龍が死んだんだよ?
氷河)悲しいさ…でも、悲しんでる暇はないようだ…
〇〇)え?
〇〇が顔を上げた先には…
〇〇)あれは…!
〇〇)…アクエリアスの蓮加…!?
蓮加が、〇〇達を見下ろしていた。
To be continued…
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