一緒に遊んでいた女の子は、実は女神でした 9
〇〇達に紫龍の死を悲しんでいる余裕はなかった
〇〇)…アクエリアスの蓮加!
美空)…蓮加?それじゃ、氷河を氷の中に閉じ込めた人って…
〇〇)間違いない、アイツだ
奈央)あれが…宝瓶宮の…わざわざ自分の宮から出てきたの?
しかし蓮加は〇〇達に目をくれず、氷河を見下ろしていた。
氷河)…
〇〇)氷河?
氷河)お前達は先に行ってくれ
奈央)氷河?!何を言ってるの?!
氷河)ここは俺と蓮加だけにしてもらいたい…誰にも邪魔はされたくない…例えお前達にもだ
〇〇)…わかった。
〇〇と美空、奈央は階段を登り蓮加の隣を素通りして行った
蓮加)…どうして…
氷河)…?
蓮加)どうして甦ってきたの?!どうして…いや、もう何も言わない…
蓮加は宝瓶宮の中へ入ったのを見た氷河は後をおう。
氷河)…蓮加、俺は蓮加に礼を言わなければ行けない…この12宮の戦い、そして天秤宮で拳を交えて、俺が得たモノは計り知れない…それを言葉じゃなくて聖闘士の行動として示したい…それは蓮加、お前を倒すことだ!!
蓮加)いいよ…それなら私も手加減はしない…私の全てを持って氷河、貴方を今度こそ葬る!
マントを取った蓮加にすざましいオーラが湧き立つ
氷河)…喰らえ!”ダイヤモンド・ダスト”!!
蓮加)…
氷河)何?!ダイヤモンド・ダストが吸収されていく?!
蓮加)…天秤宮でも言ったでしょ?アンタら青銅聖闘士が束になろうと、私たち黄金聖闘士は倒す事はできないって…まして、その生ぬるいダイヤモンド・ダストで私の事は倒せない!
氷河)…っく!
蓮加)昔からの付き合い上教えてあげる…冷気とはこう言うモノなの!!
蓮加の手から冷気が放たれる。
氷河)…ぐっ!!
蓮加の冷気は氷河の右足を直撃
蓮加)はぁぁぁっ!
そして左足も
氷河)うぅ…くそっ…足が凍りついた…!?
蓮加)…絶対零度は、マイナス273度の凍気。それは私にとっても絶対零度を作り出すことはできない…つまり、私と氷河どっちが小宇宙を高められることができるか…そしてどっちが絶対零度にまで凍気を高められるかで決まる…!
氷河)なに?!
蓮加)氷河、貴方は絶対零度を作り出せない、ましてや私の位まで凍気を高めることは不可能!…そしてそれが勝敗を分ける決定的な違いなのだから…!
蓮加は両手を組んで腕を上げた
氷河)…あの構えは…!
一度見たことがある構え…両腕が瓶を模している。
蓮加)”オーロラ・エクスキューション”!!
氷河)うぅ…ぐわぁぁぁぁぁ!!
蓮加)…(仕留めた…)
しかし
蓮加)なんですって?!
氷河は再び立ちあがる
蓮加)どうして?オーロラ・エクスキューションを喰らってどうして立てるの?!確かに手応えはあったのに!
氷河)聖闘士には一度見た技は通用しない…そうだろ?
蓮加)…っ!!
氷河)例え絶対零度まで届かなかったとしても…蓮加、お前の位まで凍気を高めて見せる…
蓮加)…氷河の小宇宙が高まっている?!
氷河)…喰らえ…”オーロラ・サンダーアタック”!!
蓮加)無駄よ!!
蓮加は攻撃を跳ね返す
氷河)なに?!ぐわぁぁぁぁ!!
壁に打ち付けられ地面に倒れ込む氷河。
氷河)バカな…オーロラ・サンダーアタックも効かないとは…
蓮加は氷河に近寄る
蓮加)もはや勝敗は決まった…今度こそ氷の棺に閉じ込めてあげる
氷河)…うぅ…冷気が立ち込めてくる…
蓮加)…”フリージング・コフィン”
蓮加は氷河を氷の中に閉じ込めた。
蓮加)…知っての通りその氷は黄金聖闘士数人がかりでも解けない…天秤宮のようにライブラの武器を使ってくれる人もいない…今度こそ安らかに…
氷河)…うぅ…うぅ…
氷河は氷の中で呻き声をあげる
蓮加)無駄よ。その氷は2度と溶けることはない。やがて貴方は死ぬ。
氷河の氷の棺にヒビが入り始めた
蓮加)…っ!
氷河)うぅ…うぅ…!
蓮加)まさか…ウチから氷を打ち砕くつもり?!無駄よ!やめなさい!
氷河)うぅ…ああああ…!
バリィン!!
蓮加)馬鹿な!?きゃぁぁあ!!
氷を砕いた氷河、そしてその勢いで蓮加は吹き飛ばされ、柱に打ち付けられた。
蓮加)…がはっ…バカな…黄金聖闘士数人がかりでも破壊できないフリージング・コフィンを破壊した…そんな小宇宙はどこから湧いてきたの…まさか絶対零度に到達したの?!
氷河)…うぅ…ぐっ…
蓮加)…(まさか無意識のうちに…でも、氷河の両脚は凍りついていて、体は凍死寸前…どこにそんな力が…)
氷河)言ったはずだ…お前の位まで小宇宙を高め、お前を倒すって…オラァァァァ!!!
蓮加)氷河!やめて!!
氷河は冷気を放つと、蓮加も冷気を放ち2人の冷気がぶつかり合う
しかし…
蓮加)…氷河と私の冷気が燻っている?!まさか蓮加と同じ位の冷気を放ったの?!
氷河)…!!
蓮加)やるじゃない氷河…でも、それでも私を倒した事にはならない…聖衣にも凍結する温度があるの!ましてや黄金聖衣は−273度…絶対零度じゃないと無理なの!絵梨花先生に習ったでしょ?!わかってるの?!例え私の位まで冷気を高めても私は倒せないの!!…氷河?!
氷河は意識を失っていた
氷河)…
蓮加)氷河?!しまった!冷気の塊が氷河の方に…このままじゃ氷河が…起きて!氷河!このままだと貴方は粉々になる!起きて!お願いだから!
氷河)…(絵梨花先生…)
_____________
数年前
絵梨花)いい?青銅、白銀、黄金の聖衣にはそれぞれ機能が停止する温度があるの…って蓮加!聞いてるの?!
蓮加)だって寒いしつまんないし飽きるし
絵梨花)貴方ね〜、聖闘士になるならこれぐらい我慢しないと!ましてや、氷を使うんだから
蓮加)ねぇねぇ!氷河!遊びに行こうよ!
氷河)…いや、俺は…いいよ
蓮加)いいじゃーん!行こうよ!ね?!
絵梨花は元は黄金聖闘士だった。
絵梨花)…はぁ〜…
しかしある日、絵梨花は死んだ。
シベリアの極寒の中、迷子になった蓮加を探しに行き、蓮加を見つけた途端雪崩に巻き込まれてしまったからである。
蓮加)…私のせいだ…私のせいで…絵梨花先生が…
そう言って涙を流す蓮加に、寄り添う氷河
氷河)…蓮加は悪くないよ…絵梨花先生は蓮加を助けてくれた…
蓮加)…氷河…
氷河)ん?
蓮加)…私、聖闘士になる…これから一生懸命勉強して、絵梨花先生みたいに黄金聖闘士になる…
氷河)蓮加…
______________________
蓮加)氷河!目を覚まして!これ以上私は誰も失いたくないの!氷河を絵梨花先生みたくしたくないから…だから…だから私は!!
氷河)…
蓮加)氷河!!
氷河)…
『氷河!目を覚まして!』
『氷河!お前は氷の棺からも蘇ってきたはずだ!』
『こんな所で死ぬ気か氷河?!教皇の間はまだ先だぞ?!』
『氷河しっかりして!皆んなで教皇の間に行こうって約束したでしょ?!』
『氷河!起きなさい!』
蓮加)…っ!やむを得ないか…これも氷河の定めなら…!
『氷河…お願い目を覚まして…!』
氷河)…(和…そうだ俺は死ぬ訳には!!)
氷河は目を開き、冷気を吸収した
蓮加)うそ?!
氷河の聖衣は砕け散り、氷河は冷気を蓮加に弾き返した
氷河)はぁぁぁっ!!
蓮加)そんな!?うわぁぁぁぁ!!
吹き飛ばれ蓮加のマスクが外れた
カランカランカラン…
蓮加)…嘘…
そしてある違和感に気づく
蓮加)…黄金聖衣が凍りついている?!
蓮加)氷河…貴方…!
氷河)…
蓮加)…(確かに氷河は命尽きようとしているのに私を凌ぐ絶対零度を身につけた…でもそれを活かすモノは何も残ってない…つまり、氷河の負け…こうなったら…)
再び蓮加は両手を組み、両腕を合わせた。
蓮加)さぁ、今度こそ完全に葬ってあげる…このオーロラ・エクスキューションで!
すると氷河も同じ構えをした
蓮加)なんですって?!オーロラ・エクスキューションを打とうと言うの?無駄よ!例え1,2回受けたからと言って真似る事なんてできない技なの!さぁ受けなさい!オーロラ・エクスキューションの真髄を!!!
氷河)…っ!
蓮加)”オーロラ・エクスキューション”!!!
氷河)とりゃぁぁぁぁ!!!!
スドォォォン!!!
…
美空)…!何?この小宇宙と小宇宙のぶつかり合いは?!
奈央)…まさか…あれ?この季節に雪…?
奈央)…嘘だ!嫌だよ!氷河まで!
〇〇)奈央!!
奈央)〇〇…だって氷河が…
〇〇)振り向いちゃ…ダメだ…俺たちがここまで来れたのも、紫龍や氷河のおかげ…アイツらのためにも必ず…教皇の間へ行かなきゃ…
美空)…今、氷河の小宇宙は、私たちに別れを言いにきたってこと…?
〇〇)皆んな…行こう…
その頃宝瓶宮では…
蓮加)…やるじゃない氷河…この戦いでオーロラ・エクスキューションを身につけて自分の技にして…私を超えた…そして今にも死にそうな状況の中で絶対零度を身につけ…究極の小宇宙…セブンセンシズに目覚めた…
技を打ち合った蓮加と氷河は身体が凍りついていた
蓮加)それは氷河…貴方の信じるモノが正しかったから…
蓮加)できればその力をもっと使わせてあげたい…もっと生かしてあげたい…でも…私にはどうすることも出来ない…
蓮加の視界が揺らぐ
蓮加)…ごめんなさい氷河…許して…
ドサッ‼︎
氷河)…(蓮加…お前は自らを犠牲にしてまで俺に絶対零度を身につけさせてくれた…ありがとう蓮加…そして…さようなら…)
ドサッ‼︎
……
教皇)…蓮加が死んだか
『これで残る黄金聖闘士は1人やな』
教皇)貴様…出てくるなと言ったはずだ!
『ムウ、祐希、美月、菜緒、紗耶はアンタを裏切り、そして命令を無視。あやめと史緒里は死んだ。そして老師は相変わらず五老峰を動かない。美波は紫龍と共に天に昇り、蓮加は氷河と相打ち。そして人馬宮にいるアテナ。そしてサジタリウスの聖衣の矢は教皇の間を向いている。』
教皇)残る黄金聖闘士は双魚宮の魚座の絢音だけ…
『これ以上罪を重ねん方が身のためやと思う』
教皇)黙れ…七瀬…!!
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