インドIndia Game Developers Conferenceに参加しました!【出張レポート】

021Fund投資担当の風間です。2023年11月にインド・ハイデラバードにて行われたIGDC(India Game Developers Conference)ゲームカンファレンスに参加してきました!


IGDCはゲーム市場におけるプラットフォーマーをはじめ、大手のパブリッシャーからスタートアップまでインド市場でビジネスを行っている企業が集まる大規模イベントです。今回はインドで急速に数を増やしているゲーム開発会社を中心とする有望なスタートアップの探索に加え、ゲーム市場における情報収集を目的にイベントに参加いたしました。


魅力的なインド経済市場の急成長

インドは急激に経済成長を遂げており今後もさらなる成長が見込めることに加え、各国の投資家からの注目度が高く勢いに乗るスタートアップが多く存在します。マクロトレンドとして、人口が世界1位となりましたが、30歳以下の層が人口の半分を占めておりこれから働き手が増加していくタイミングになっており、今後さらに可処分所得が増えていくと予想されていることから、次のビジネスの市場として非常に注目されています。
上記のような背景もあり、近年は投資家の資金がインドに集まっていました。スタートアップにとっては資金調達がしやすい環境下にあり、投資家から積極的に成長に向けた後押しを得られている状況です。これをチャンスと捉え起業にチャレンジする若い世代も多く、2024年度以降はサービスを形にし始める時期に入ると予測しており、投資対象としてインドに目を向けるタイミングとしては非常に良い時期と捉えることもできます。
 
また、政府によるデジタル化政策が急速に推進されたことにより、この5年間でスマートフォンの普及率が国民の50%(7億人以上)を超え、またUPIサービスによるデジタル決済の利用率は40%近くに普及にしているといわれています。
インドにおけるデジタルコンテンツへの消費ハードルが徐々に下がってきていると考えられますので、今後は経済成長による物質的な豊かさだけでなく、デジタル上におけるコンテンツの増加とそれに対する消費が増えていく市場になるだろうと期待しています。

今後加速するスマホゲーム市場の可能性

インドのゲーム市場はスマートフォンデバイスでプレイできるゲームが中心となって市場の拡大が見込まれます。インドの街中にも少しずつ中古のコンソールの販売店が出店され始めていますが、中間所得層とされる消費者層(約12億人)の可処分所得を考慮するとインド市場でコンソールが十分に普及するには一定の時間が必要になるうえ、これからのインドは、スマートフォンでゲームをすることに抵抗が無いデジタルネイティブ世代の可処分所得が増えるフェーズに入るタイミングでもあり、スマートフォンゲーム市場の成長がより加速していくと考えています。これまではスマートフォンゲームの中でもリアルマネーゲームの人気が強いインド市場でしたが、昨年税制改正もありましたので、今年からはリアルマネーゲームではない通常のゲームへユーザーが流れる可能性に注目しています。なお、021Fundの出資先である SuperGaming は現在「indus」というバトルロイヤルゲームでクローズド ベータ テストを進めており、既に事前登録者数は800万を超え、1千万人の目標に向けて順調にユーザーを集めています。これもまたインドマーケットの力強さをよく表しているかと思います。

タイミングが重要となる新興市場への投資

インドは経済成長のスピードも著しく、インド向けの新しいコンテンツが急速に増えていますので、消費者の行動変化が激しい市場といえます。また、地域や所得層毎に文化や言語、消費行動が異なるため、我々が想像するよりも複雑な市場になっています。そのためインド市場の変化を追い続け、最適なタイミングで本格参入できるよう準備しておくことが大事になります。
インドという複雑な市場を正しく理解し、準備を進めるには海外からの情報収集では限界があるため、消費者と直で向き合っているインド現地の会社からの情報収集が大切であり、出資先であるSuperGamingのほか、今回の出張でコネクションを築いた各社とコミュニケーションをとりながらキャッチアップを継続していこうと考えています。

総括

今回初めてインドに足を踏み入れましたが、何よりも広い国ということく、人口増加や経済成長の勢いにフィジカルなインフラ整備が追い付いておらず、感染症等の衛生環境や交通整備への課題がまだが残っていることを感じました。一方で、この成長の勢いに乗って、新しいものは積極的に取り入れ、新しいことにチャレンジし、世界で注目されるような成果を出そうとする意気込みのある若い経営者が多く、今後に期待できる市場だと感じました!


021 Fundでは、このようなコミュニティを盛り上げる技術・サービスやUGC だけでなく、 AIやWeb3 関連のほか、デジタルとフィジカルがシームレスにつながるための技術・サービスを提供するスタートアップへの投資と協業を通して、新たなエンターテインメントを共に創出したいと考えていますので、お気軽に問い合わせよりご連絡ください!


バンダイナムコエンターテインメント021Fund アソシエイト 風間 雄太
入社後、全社計数管理や予算策定業務担当を経て、現在は全社戦略や重点課題解決プロジェクトおよび出資実務にも従事。既存事業に近い領域における開発会社やその他事業会社への出資業務に携わっており、海外案件を複数担当。