ヘルシンキSLUSH Weekに参加してきました！【出張レポート】
国際関係学博士号を取得後、スタートアップ、事業会社CVC、ベンチャーキャピタル・アクセラの経験を経て、2022年BNE入社。前職では、日本国内のスタートアップの海外進出や大企業の出資・協業案件等を経験。021 Fundでは海外投資を主軸にグローバル連携全般を担当。
021Fund投資担当の楊です！昨年11月にフィンランド・ヘルシンキにて開催されたSLUSH Weekに参加してきました！021Fundからは初参加のイベントとなります。
SLUSH Weekは北欧最大のスタートアップイベント
今回参加したSLUSH Weekは2008年にアメリカ西海岸のスタートアップ文化に感銘を受けたフィンランドの学生が立ち上げたイベントで、IT分野を中心に幅広い領域で活動するスタートアップと投資家がヘルシンキに集まります。今年のSLUSH Weekは総勢2万人以上が参加し、メインイベントとなる2日間のSLUSHに加え、ヘルシンキ市内外で300以上のサイドイベントが開催されました！
SLUSHはドイツのGamescomやアメリカのGDCと違って、ゲーム業界以外のスタートアップも多数参加するイベントのため、今回021Fundメンバーはゲームコンテンツ以外にも視野を広げて、幅広くエンタメに関連した事業活動をしているスタートアップと面談を行ってきました。
若い世代の「ソーシャルニーズ」と「クリエイティブニーズ」
現地のスタートアップ起業家と面談を重ねる中で、多くのスタートアップがZ世代を中心とした若い世代の「ソーシャルニーズ」と「クリエイティブニーズ」に注目していることがわかりました。
ソーシャルニーズとは「常に誰かとつながっていたい、コミュニティに属していたい」という欲求です。Z世代の中にはYouTubeで動画を見ているときも、スマホゲームで遊んでいるときも、とにかく誰かとリアルタイムでコミュニケーションをとり続けたい人が多く、そのような欲求に応えられる「〇〇しながら友達と話せるプラットフォーム」や「〇〇を介して新しい人と出会うツール」といったコンセプトのサービスを作っている企業が非常に多かったです。
また、クリエイティブニーズとは「自分でコンテンツを作ってほかの人と共有したい」という欲求で、これまでの「完成品を受動的に楽しむ」というコンテンツ消費のあり方が変わりつつあると感じました。生成AIトレンドをはじめとした技術革新により、だれでも比較的簡単に高品質なコンテンツを作って共有できるようになったことと、、前述のソーシャルニーズが相まって、一般ユーザー同士が自分の作ったコンテンツを共有したり、売買することが当たり前になってきています。そのような潮流を受けてか、Robloxに代表されるようなUGCが根幹となるコンテンツプラットフォームを新たに作り出そうとしているスタートアップが非常に多かったです。
北欧のスタートアップは今後も拡大を期待できる成長市場
ヘルシンキを含む北欧のスタートアップはユーザーの目線に立って、きちんとニーズに応えようという意識で製品づくりをしているスタートアップが多いと感じました。企業風土としてもフラットな組織であることが多く、イノベーションが起きやすい環境であることに加えて北欧マーケットが小さいため、どのスタートアップも最初からグローバル展開を視野に入れて事業を立ち上げています。また、国の政策として高校や大学でのプログラミング教育にも力を入れているので、特にIT分野で革新的なプロダクトやサービスが出てくるのではないかと、期待をしています。
今回が初めてのSLUSH参加ということもあり、会場の広さと暗さ、さらには参加者の多さに(ヘルシンキの寒さにも！)戸惑いましたが、面談会場やスタートアップとマッチングするアプリの設計が非常によく考えられており、結果的にはチームメンバーと共に4日間で74件のミーティングを行い、効率よくたくさんのスタートアップと面会することができました。
また、面談したスタートアップはアーリーステージが多いながらも、独創的なアイデアを持った企業が多く、この中から次のユニコーンやデカコーンがどれくらい出てくるのか、非常にワクワクしながら参加をしたSLUSH Weekでした！
021 Fundでは、このようなコミュニティを盛り上げる技術・サービスやUGC だけでなく、 AIやWeb3 関連のほか、デジタルとフィジカルがシームレスにつながるための技術・サービスを提供するスタートアップへの投資と協業を通して、新たなエンターテインメントを共に創出したいと考えていますので、お気軽に問い合わせよりご連絡ください！
