見出し画像

英語はなぜ難しいか?     (音声編④)

 今回は、英語を「聞き取る」ための4段階のうち、最終段階である「内容が理解できる」について述べる。ここまでの3段階は、日本語speakerにとっては理解しにくいものが多かった。それだけ、英語と日本語が、異なる音の世界をもっているということだ。私の文章が読みにくい、内容が不愉快、何を言っているかイメージがもちにくい、などなど、音声編の読破には相当な忍耐が必要だったと想像する。音声編①〜③を読んでくれた方には、改めて感謝する🤗 というか、本記事を書くにあたって、改めて音声編①〜③を自分でも読み返してみた。かつての私ならば、「何言ってんだ、コイツ?」と感じていたであろう部分も多く、これを英語speakerではない人も読んでくれていた(おそらく)と思うと、申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱいである🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️

 お詫びの気持ちを込めて、という訳ではないが、本記事の内容は比較的(少なくとも音声編①〜③と比べて)シンプルになっている。以下に要旨を記しておく。

英語の音が(リズムも含める)完全に聞こえるようになったら、文法・構文・単語など、日本の教育で重視されている項目が有効だ。もちろん、聞き取りの練習も続けることになる。英語学習に終わりはないのだ(positiveな意味で)。

①英語の音が聞き取れる

 貴方は、英語の音が聞こえるし、聞こうと思えるし、英語のリズムにのれる。そうなったと仮定しよう(おめでとう🎉)。この時点で、限りなく「英語speaker」に近づいたと言って良い。

 「speaker」と言うと、その言語を使いこなしているようにも思える。もちろん、私もその意味で用いることもあるが、言語学習においてまず目指すべき段階はそこではない(当たり前だ。いきなり使いこなせるようになれば、誰も苦労しない)。そうではなく、文字通りの「スピーカー」、つまり与えられた音をそのまま再現することから始めるのだ。「sound imitation」という(私が考えた、と言いたいところだが、言語学習の方法論として既にあったものだ。当たり前か😅 と言うか、英語speakerとなるにあたって、私が「自分で思いついた」など皆無に等しく、改めて調べてみたところ、どこかで聞いた・読んだことのある内容ばかりだった。ただ、その内容が「自分の中で響く」段階に至っておらず、自分で出来るようになってから、「あぁ、そういうことだったのか」となるのだ。これが「understand(下に立つ)」である。結局のところ、自分自身でやってみるしかないのだ。

 貴方も私も、英語speakerが出した音をそのままコピーして発せる(もちろん、一定以上のスピード・量を超えると処理が追いつかない)。いわば、「オウム」だ。以下、その仮定で話を進める。

②文法の威力

 そうなったらシメタもの。コピー出来るようになった音を組み合わせて、自分が表現したいと思うことを伝えてみよう。伝え方を知らなければ、調べて覚えれば良い。いわゆる単語・熟語学習において、その表現を知りたいと思えることが重要だ

 では、知っている表現を組み合わせるとして、組み合わせ方はどうすればいいのだろう? 「文法」とは、この組み合わせ方のことを指す(もちろん、他にも役割はある)。

 貴方は、mother tongue speakerが発する音を真似できる。音の体系として、次はこの音が飛んでくるだろうと予想もできる。そして、自分なりに音を繋げてみた。それが英語として適切かどうか、どのように判断すれば良いのか?

 ここで心強い味方になるのが文法だ。「品詞」「文型」「前置詞」「動詞の変化(時制による変化、品詞による変化)」「態」「形容詞・副詞の位置」「接続詞を用いるべき場面」などなど。様々なチェック項目を通過した表現は、適切な英語表現である。もちろん、貴方は音声の面からもチェックしている。

 何?その文法が難しい? 私には音の世界を把握する方が100倍困難だったが、それこそ「人それぞれ」だろう。音声編が終了したら、英語の構造・文法について書く。少々お待ちあれ。

③内容を理解できる

 自分で組み合わせられる表現は、他者が話しても「内容を理解できる」。これが、聞き取るの第4段階だ。当然のことながら、自分が知らない表現は、音として聞こえても理解できない。単語・熟語学習の重要性は、英語speakerになっても、いや、なった後にこそ増すのだ。

 という訳で、晴れてEnglish speakerとなった貴方には、今まで以上に自分がしたいことが増える。本記事の締めくくりとして、現在の私が必要性を感じていることを列挙する。

④English speakerになったら

 現時点で私が認識している必要項目を挙げていく。私自身はクリアしている項目もあるが、課題となっている人もいると思う。参考にしてほしい。

・「文法」。これは外せない。読み書きの際に必要なのは勿論のこと、正しく話す(聞き手にストレスを与えない)、正しく聞き取る(特に、弱い音・発音されない音を推測する場面で)ために必要。英語の文法は非常にシンプルであり(ラテン語の動詞変化がほとんど無くなっている)、論理的・体系的に学習すれば早期に習得可能。詳しくは、文法編にて

・「構文暗記」。文法と重なっている部分もある。よく用いる表現の一部を変えれば新しい表現が出来上がるため、英作文・会話表現においても有効。もちろん、読解・聞き取りでも重要だ。

・「英文解釈」。日本の教育で行われている「和訳」のことではない。英語の構造を把握する練習だ。「SV〜をつけて」「意味のカタマリで区切って〜」など、様々な方法がある。注意してほしいのは、「単語を並べればいい」という論調だ。単語をデタラメに並べただけで、意味の通る文が作れるハズがない。日本語で考えても分かる理屈だが、英語コンプレックスがこう言わせるのか? はたまた、このような主張をする人達は、英語の語順に関する天才的な感覚を持ち合わせているのか? あるいは、単に文法的な学習が嫌いなだけなのか? 私にはよく分からないが、文法・構造学習は重要である。何しろ、日本語と違いすぎるので😭😭

・「英文和訳」「和文英訳」。英語と日本語という、性質が大きく異なる2つの言語を変換する技術だ。どちらかと言えば、日本語力の方が重要だと考える。私は高校生の頃から「和訳」を得意としていたが、日本語力(読書経験が大きい)のおかげだと思う。注意してほしいのは、English speakerになった後に取り組むべき項目だということだ。Englishを習得するためのツールとして日本語訳が存在するのであって、日本語訳することを目的にしてしまっては本末転倒である。

・「長文読解」。音読がスムーズに出来るようになれば、読解もスムーズに進む。英語のリズムにのれるということは、英語のリズムで読めるということだ。英文に対する理解度が格段に上がる。

・「単語学習」。言語学習の基本にして、最終段階。終わりはない。英語は他の言語から「借りてきた単語」(日本語で言うところの外来語)が多く、spellingと発音の関係を把握しづらい(どの言語から借りた単語なのか判断できるようになれば、両者の関係が予測できるようにはなる。ただし、現実的ではない)。「フォニックス」という方法論が英語圏では採用されているが、賛否両論ある。基本パターンが多い上に、例外も多く(日本語では「は」「を」の読み方が相当する)、日本語speakerには向いていないように思う。

・「様々な知識の獲得」。知らないことは話せないし、聞いても理解できない。日本語の会話でも、「話が噛み合わない」ということはある。会話に参加するには、その会話の中で共有されている知識が必要だ。読解において「背景知識」と呼ばれるものだ。ここまで来ると、単なる言語学習とは言えない。幅広く物事を学んでおく必要がある。私は小学生の頃から理科が苦手だ。英語を教えている生徒の中には、当然ながら理系(あまり好きな表現ではないが)の生徒もいる訳で、彼等との意思疎通には私自身が理科の知識を持っておく必要がある。相手が英語speakerなら、なおさら意識して学んでおかなければならない。大学受験生は、「その科目は選択していない」と言いがちだが、大学入学後で良いので、多くのことを学んでほしい。

・「よりハイレベルなspeakerになる」。大学受験では不要かも? 現在の私の最大の課題。「話せる」と言っても英語圏の中学生レベル😅であり、より早く、よりキレイに話せるようになりたい。英語の「音がくっつく(リエゾン)」という現象の方は何とかなるが、「音が弱くなるor消える」の方は明らかな経験不足。単語力も不足しており、大人の会話についていけない。練習あるのみ‼️

 ということで、今回はここまでにする。次回は、「聞こえないんじゃない。最初から言っていないんだ!」問題について考察する。Adios‼️


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?