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英語はなぜ難しいか?     (音声編③)

 矢継ぎ早に投稿している、「英語はなぜ難しいか?(音声編)」。それだけ、私の中で伝えたいことが溜まっていたということだ。全体像を掴んでから記事にしようと思っていたため、この度、一気に投稿することになった。ご了承頂きたい。

 今回は、言語を聞き取るための4段階のうち、第3段階にあたる「リズム・スピードにのれる」に焦点をあてる。

 本記事は「音声編③」であり、読者が音声編①・②を読んでいることを前提に書かれている。未読の方は、そちらからどうぞ。かなり難解な(日本語speakerにはイメージしづらい)内容になっているので、時間をかけて読んでほしい。

 ここで、本記事の要旨を記しておく。およその内容が理解できた方にも、是非とも本記事を全部読んでほしい。思考の過程に意味がある

言語ごとに、適切なリズム・スピードがある。英語と日本語は、その点でも乖離しており、日本語speakerが英語のリズムにのれるようになるのは難しい。まずは、カラオケに励むと良い。方法論は結局は個々人で選ぶしかないが、心理面に注目する本記事には、一定の価値がある(ハズ)。リズムにのれるようになると、様々な恩恵を受けられる。

 いつもに増して、本記事は長い。太字部分だけを読んでも、長く感じるかもしれない。英語の音楽でも流して、気楽に読むことをお勧めする。最後に素敵なプレゼントを用意してあるので、お付き合い願いたい。

①言語のリズムとは?

 言語には、その言語特有の話し方が存在する。ここで言う「話し方」とは、何を話すかではない。「どう話すか」のことだ。例えば、日本語は「音の強弱」「音のスピード」の両方が平坦である。それに対して、英語は音素ごとに「音の強弱」があり、「音のスピード」がある。強弱の差、速い遅いの差が、かなりある。ここを体感できるかどうかが、「英語のリズム・スピードにのれる」かどうかに関わる。分かりやすくするために「リズム」「スピード」としているが、両者は、実は不可分(次項で説明)である。

 この他、「カッコよく話す」「かわいく話す(タイ語が典型例)」などの特徴(もちろん個人的な感想だ。また、speakerごとに個人差がある)が言語ごとに存在する。このような言語の特徴を無視して、文字列を読んでの判断だけで言語を話すと、mother tongue speakerには「自分達と同じ言語を話している」と思いにくい。「日本人の英語はネイティブ(本来、言語学習には無関係な概念。native か否かは生まれによって決まる。重要なのは、どの言語をmother tongueとして習得したかどうかのハズ)には通じない」とはよく言われることだが、何も発音だけの問題ではない。その言語がどのように話されるのか、という視点をもたないまま話すことによって、相手の共感を得られないことも大きい。

②スピードとリズムは不可分

 「なぜ英語は早口なのか?」、中学1年生時の私の疑問だ。英語担当の先生は、「向こうからすれば、日本語も早口」と教えてくれた。あれから30年、今なら言える。英語は、日本語よりも速く話される。先程述べた、言語ごとの特徴だ(ちなみに、タイ語はゆっくり話される。中国語は日本語よりもやや遅い気がするが、確信はもてない。今後の研究課題)。他言語だから云々とは別に、ある言語を話すのに適したスピードがあるのだ。

 「ふざけたことを言うな!話すスピードなんて、人それぞれだろ!」とお怒りになった貴方。その通り、話すスピードには大きな個人差がある。日本語speakerを考えてみても、それは明らかだ。だが、私が言いたいのはそういうことではない。ある言語を話すのに適したスピード、言い換えれば、これ以上速くは言えないorこれ以上遅くは言えない、という限界値があるのだ。

 例えば、「I have a pen.」という英文を考えてみよう。どのような状況で用いる表現なのか甚だ疑問だが、とりあえずそれは置いておく。この英文を音読してほしい。いったん、記事から目を離して。


 いかがだろう? 日本語speakerは、「アイ ハブ(ヴ) ア ペン」というように、単語ごとに区切って読むことが多い。というか、我々世代(40代以上)にとっては、それが当たり前ではなかっただろうか?(オジサンのノスタルジー😅 若い読者はスルーしてください)それはいいとして、その読み方は英語にはない。少なくとも、「I have a」までは一続きである。これは個人差の問題ではない。言語の「音としての」性質である。カタカナ表記すると「アイハヴァ」(人によっては「アハヴァ」)となる。これは一連の音であって、分けろと言われても困る。つまり、ある一定以上のスピードで駆け抜けることになる。

 「単語は分かれているじゃないか!」というのは、日本語speakerの発想である。文字列としての日本語には、単語ごとの区切りがない(これは重大な問題である。日本語以外に、単語が区切れていない言語はあるのか?)。結果的に、日本語speakerは「単語の区切れ=音の区切れ」と思い込んでしまう。日本語でも、「持つ」を「も」「つ」と区切ったりはしないだろう。本来はそれと同じことのハズなのだが、日本語speakerが他言語を読もうとすると、そうは思えなくなる。対策として、「リエゾン(音のつながり)」「チャンク(音のカタマリ)」などの概念が考え出された。それはそれで凄いことだが、「文字ではなく、音に注目(注耳?)する」という視点をもてば解決すると思うのは、(現在の)私だけだろうか?

 「アイハヴァ」の後に、重要な情報である(だから最後、ピリオドの前に置かれる)「ペン」が発音される。この音は、一般に強く出される。はっきり言えば、この音さえ聞こえればそれで良いのだ。子どもが、「鉛筆」だけで「鉛筆貸して」と言ったつもりになるのと似ている(?)。英語speakerにも強者(私から見て、真似できないと感じる使い手)がいて、「アイハヴァペン」を一息で喋る。「ペン」にさほど重要性を感じていないのか、はたまた早口が得意なのかは分からない。個人差とはこういうことを言うのであって、単語ごとに区切るのは(少なくとも)英語speakerとは言えない。ちなみに、「アイ」でポーズを置くと、「自分が!」と強調しているように聞こえるので、有効な局面は存在する(「誰かペンを持ってない?」と複数人にきいた人がいる場面)。

 カンの鋭い方は気づいたかもしれないが、「have」は決して「ハブ」ではない。「v」と「b」は異なる音だ。だからと言って、「ハヴ」と書けばいいというものでもないと思うが😅。

 言語を話すスピードは、言語のリズムと密接に関連している。ゆっくり話すこと自体が、その言語(例えば英語)の「らしさ」を失わせる(もちろん、逆のケースもある)ことを意識してほしい。

③リズムにのる為に

 ここまで読んで、英語を聞き取るためには英語のリズムにのることが重要だとお分かり頂けたと思う。話が進まないので、理解したことにさせてくれ(30年間理解できなかった私が言っても、全く説得力がない😰)。

 では、英語のリズムにのるためには、具体的にどのようにすれば良いのだろうか?日々の練習で何とかなる問題なのか、はたまた特殊なトレーニングが必要なのか。多くの日本人が疑問をもつであろう、「英会話教室に通う必要があるのか?」という問題もある。

 もちろん、どのような方法によって英語を話せるようになるかは、個人の好みである。ただ、私の方法論は金がほとんどかからないという点において優れている(その代わり、時間はメチャクチャかかったがな😡。やはり、料金をとるには、それなりの正当な理由が存在するのだ)ので、言語学習にお金を割けない人にはオススメだ。

 それはズバリ、「ポップミュージックを歌えるようにする」というものだ。これを読んで、「あー、やっぱりね。くまりん19のことだから、そう言うと思ったよ」と感じた貴方は、私の記事の愛読者だろう。セルディーツィナ ブラガダリュ!(心より感謝します🙏🙏) そう、私がこれまでの記事で何度か言及したことだ。私の惨めな経験から言えることだが、音痴な人は他言語の習得も遅い。これは聞こえる・出せる音域の問題、リズムの問題の両方が関係(特に、ヨーロッパ系言語を学習する際において)している。つまり、言語を「聞き取る」ために必要な4段階のうち、第1・第3段階で苦戦することを意味する。

 英語を話せるようになる前に、音痴を克服する方が先という人は一定数存在する(私の知り合いの日本人かつ英語speakerは、みな歌が上手い。もちろん偶然の可能性もあるが、彼らが私にこの視点を与えてくれた。感謝する)。

④音痴をどう克服するか

 ここまでの内容を読んだ貴方は、「じゃあ、音痴を克服するために音楽教室にでも通えと言うのか!」と不愉快になったかもしれない。安心してほしい。今は令和の時代である。我々オジサン(若い読者の方、女性の読者の方、スミマセン🙇‍♂️)が生まれた昭和の頃とは、事情が大きく変わっている

 AIの発達が大きい。カラオケbox(ちなみに、「カラオケ」は英語になっている)で、「音程・リズムを表示する」機能がついている機種(あるいはモード?)を探す。分からなければ、店員さんに聞けばいい。実際に歌ってみると、正しい音程・リズムがバーの高さと長さで表示される。貴方が歌った音程とリズムは赤線で表示され、正しいものとの「ズレ」を視覚的に確認できる

 音痴に限った話ではないが、何かを修正する必要に迫られても(あるいは、修正しようと思っても)、具体的にどこをどう直せばいいのか分からないことが多い。「君は◯◯なんだから、直しなさい」と言われても😅😅 となった経験は、貴方にもあるだろう(私は、山のようにある)。この点、カラオケのAIは、貴方を叱るでもなく(励ましもしないが)、淡々と貴方の音程とリズムの「ズレ」を示してくれる。何度も挑戦しているうちに、徐々に「こう歌えばいい」というのが体感的に掴めるようになる。

 要するに、カラオケboxに行ってAIに歌い方を教わり続ければいいのだ。貴方がカラオケ好きならば、話は早い。音程・リズムの表示機能をonにすること、米津玄師さんの『Lemon』を必ずチョイスすることを忘れなければよい。曲が関係あるのかと思われるかもしれないが、大いに関係ある。『Lemon』には現代音楽の難しさ(声の高さを除く)が詰まっており、この歌をマスターできれば、英語に必要な音の強弱、音程(の上がり下がり)、リズム(速くなる・遅くなる)が身につく。私自身が英語speakerになれた一因に、この歌を挙げられる。ウソだと思うのならば、実際に歌ってみてほしい。オジサン世代にはまず無理だろう(私もメチャクチャ練習した)。歌のリズムそのものが、時代によって変化しているからだ。逆に言えば、この難解なリズムを聞き、「自然に」歌っている現代の子ども達(私の生徒達は、なぜか歌が上手い。学業成績の方もその調子で頼む😭)は、我々世代(しつこくてスミマセン🙇‍♂️)よりも遥かに英語speakerになる下地があると言えるだろう。現在の小学生が英語を得意とするのは、英語教育の浸透だけでなく、聞こえてくる音楽のリズムも背景にあると考える。

 カラオケの練習は、自宅でも可能だ。ゲーム機の機能などにカラオケが含まれている(?)時代だからだ。大切なのは、自分が出している音が、聞こえている音とどのようにズレているかを認識することだ。このズレが少なくなれば少なくなる程、正しく「聞こえている」し、「聞こうと思え」ているし、相手の「リズム・スピードにのれ」ている。つまり、カラオケの練習は、他言語を「聞き取る」トレーニングとしてふさわしい(と思う)。

 なお、カラオケがデートの一環になっているならば、貴方は条件的に恵まれている。partnerにカッコいい所を見せようとするのは、自然な心理だからだ。練習効率も上がろうというものだ。partnerが貴方よりも少し歌が上手い、くらいがちょうどいい。貴方は必死に上達しようとするし、partnerは何らかのアドバイスをくれるだろう。リズムを手拍子で示してくれると、貴方も歌いやすいハズだ。貴方自身も、マイクを持ってない方の手でリズムをとると良い。空中で手を振ってもいいし、座って歌うならば、膝を叩いてもいい。私の記事を複数読んでくれている読者にはピンときただろうが、全て私自身の話だ😅。 

 もちろん、「1人カラオケ」も有効だ。その場合、上手く歌えないのは「リズムを表示している機械のせい」にするのが良い(『英語はなぜ難しいか?』特別編、音声編①・②参照)。あくまでも楽しんで練習することが大切だ。自分を責めないこと(だからと言って、機械を壊すのは止めてほしい。せっかくマイクを握っているのだから、思い切り悪態をつけばいい)。これが長続きの秘訣だ。

 何?カラオケが嫌い? それはもちろん、個人の自由だ。ただ、「何かが嫌い」という感情は、往々にして「何かが苦手」という事実認識がすり替わっているものだ。苦手は苦手として仕方ないのだが、取り組んでみると何とかなるかもしれない分野を放置しておくのは、あまりに勿体ないのではないか。下手な歌を聞かれるのが恥ずかしいならば、他の人に聞かれない環境で歌えばいいだけ。英語の練習も同じことだ。

⑤実際の効果の程は?

 ここまでの内容を読んで、実践したとして、本当に英語のリズム・スピードにのれるのか? これは、極めて正当な疑問である。ハッキリ言おう。知らん‼️ この記事は私自身の体験を書いているのであって、私はこの方法で英語speakerになれたが、万人に効果を保証するものではない。インチキ健康法の広告みたいな表現だが、事実なのだから仕方ない(それに、私は貴方に金銭を要求している訳ではない🤗)。

 大体、誰もがマスターできる方法論があるなら、皆がそれを実践しているハズであって、そうではないから世の中には様々な方法論が溢れているのだ。だからこそ、個々に合わせた練習が大切なのである。医師は「病気」を診断しているのではない。「患者の状態」を診断していのだ。特定の病気の治療法など存在しない。複数ある治療法の中から、目の前の患者に「ふさわしいと思われる」ものを選んでいるのだ(医療関係者の方、誤りがあったら教えてください🙇‍♂️🙇‍♂️)。それと同じ(?)ことだ。

 貴方の事情に合わせようとすれば、私が個人レッスンをするしかない。ただし、そこには当然のことながら、金銭の問題が発生する。それは、本記事の趣旨に反する。貴方は、自身の判断で適切な方法論を選び取らなければならない。幸いなことに、英語speakerへの道を示した記事は、インターネットの世界に山のように存在する。本記事を読んで英語のリズムに関心を持ったならば、話題が共通する記事を検索すれば良いのだ。学ぶ機会は無数にある、学ぼうとする意思さえあれば。

 ただ、私の(ここまで示した3段階の)方法論には、他の方法論にはないメリットがある。それは、学習者の心理を重んじている点である。例えば、本記事が述べてきた「英語のリズム・スピードが重要」は、検索すればゴマンと記事・書籍がヒットする(実際にやってみた)。当然だ。日本語speakerが英語speakerになれば、誰もが思うことなのだから。これは誇張や妄想ではなく、それくらい日本語と英語は音の面でも異なる、ということだ。

 だが、英語speaker達が唱えるその方法論は、多くの日本語speakerには響かない(だから、なかなか英語を使えるようにならない)。なぜか?

 多くの記事や書籍紹介(本自体を買って読んでいる訳ではない😅)を読んで気になったことは、英語の音声面を技術的に説明してもあまり効果はないのではないか、ということだ。言い方を変えると、音声面の技術は日本語speakerにとってはあまりにも難易度が高い。例えば、強音と弱音の説明などは、実際に英語を話せるようになった後で理解できることだと思う。このような説明は、出来る人には理解できるが、出来ない人には理解しにくい。これでは「出来るようになる」という目的に対して、実効性に乏しい。

 英語の音声を習得するには、様々な補助ツールが必要だ(もちろん、英語を聞き続ける、という王道のトレーニング法は行なっている前提で)と考える。私の場合、主な補助ツールは「心理的なモノ(責任をなすりつける対象など)」「アラビア語」「カラオケ」(もちろん、多くの人の支えを忘れてはいない)だった。この中でどのツールが最も効果的だったかと言われれば、やはり「心理面」なのだ。「英語はなぜ難しいか?(音声編)」で何度も何度も繰り返してきたことだが、理解や習得を妨げる最大の障壁は、学習者自身の心理である。この感想は、塾講師としての私の経験と合致する。具体的な行動によって心理面を何とかして(マインド設定)から、技術や知識を身につける。この順序が良いと思う。

⑥素敵なプレゼント

 ここまで長文に付き合ってくれた貴方に、素敵なプレゼントを贈ろう。

 今回のメイン話題は「カラオケ」だが、歌が上手くなると女性との交流がスムーズに進みやすい(男性との交流は知りません🙇‍♂️🙇‍♂️ 私個人としては、歌が上手い女性には憧れの感情を抱きやすい)。デートとまではいかなくても、「一緒にカラオケでも」という展開に自信がもてる。自分の歌に女性がウットリ(大袈裟?)しているのを見るのは、なかなかに快感だ。女子高生が自分の音読に聞き惚れている(こちらは誇張ナシ。音感の鋭い子達だ)のは、塾講師冥利に尽きる。

 何?そもそも女性の誘い方が分からない? そう、何かを出来るようになると、次に何が必要なのかが明確になってくる。では、次は女性の誘い方を学べば良い(私の記事で紹介することはないと思う。山のように関連記事・書籍が存在するので、そちらを参考にして頂きたい)。この連鎖が、「学ぶ」ということだ。必要だから学ぶ。必要性を感じたから、学ぼうと思える。この習慣が「学習」である。

 キレイに(?)まとめられたところで、本記事を終わる。スパィシバァ ザ ト シト スルシャリ‼️(Thank you for listening‼️)

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