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英語はなぜ難しいか?     (音声練習編②)

 前回記事「音声練習編①」では、英語の発音において重要となる、「子音だけ発音する」ための方法論を紹介した。今回は、その応用編として、日本語speakerが苦手とする、「L」と「R」を区別するための練習法を説明する。

 まずは、本記事の要旨をまとめておく。

英語の発音を練習する際には、舌の形を意識する必要がある。日本語は舌をあまり動かさずに発音する言語のため、英語の発音を練習すると舌が疲れる。「L」と「R」は、真逆のイメージを運ぶため、これが区別できないと英語にならない。日本語の「ラ行」は、どちらの音でもないことを意識しよう。「L」「ル」「R」の順に、舌先が「口の先→喉」と並ぶように発音すると良い。「L」が出せれば、「T」も出せる。舌の形を意識して、発音練習を続けよう。

①舌先の位置を意識する

 発音練習においては、「その音を出す際に、自分の舌の先がどこを触っているか」を常に確認してほしい。それくらい、舌先の位置は重要だ。「音声編」で何度も述べてきたが、私はアラビア語を学ぶことによって英語speakerになれた。アラビア語の文字は舌の形を表している(特別編参照)。そして、文字についている「・」は、舌の先がどこについているか、何回つくかを表している。ある言語を話す上で、舌の先は重要なのだ。

 舌先の位置は、大きく3パターンに分けられる。「上口蓋(口の内部の上部。私は、英語speakerになってから、この言葉を知った😅)」「口の下部」「上下どちらにもつかない」の3パターンだ。圧倒的に重要なのは、上口蓋に舌先がつくパターンである。賢明な貴方には、その理由がお分かり頂けるだろう。そう、日本語ではあまり登場しないからだ。

②舌の付け根を盛り上げる

 こちらは文章で説明するのが難しい。図解している記事(音声練習編①参照)もあるので、そちらも参考にしてほしい。一つ言えるのは、日本語は舌がサボっている言語、ということだ。日本語に慣れている人が英語の発音を練習すると、舌が疲れる。もし疲れないとすれば、それは英語の発音ではない。

 「舌の付け根を盛り上げる」と言われても、と思うかもしれないが、喉の手前に空間(スペースを作る)というイメージを持つと良い。因みに、英語は「音が響く」言語だが、アラビア語は「音がくぐもる」言語だ。いずれにせよ、「話す」というより、「歌う」という意識を持つと良い。日本語にも本来は音の世界があったハズ(例えば、和歌)だが、近代に入って失われた(と、私は考えている)。

③「L」と「R」を舌の位置で捉える

 日本語ではどちらも「ラ行」扱いになってしまう「L」と「R」だが、その違いは重要だ。分かりやすいのが、「royal」と「loyal」だ。前者は「王室の」と訳される(royal straight flush、Royal Hostなどを思い浮かべてほしい)。それに対して、後者は「忠実な」と訳される。日本社会では、「顧客のロイヤルティ」などと用いられる。つまり、「L」と「R」は真逆のイメージを運ぶのだ。

 この2つの音を出し分けるためには、舌の位置が重要になる。貴方自身の方で確かめてほしい。日本語の「ル」を発音したとき、舌の先はどこを触っているだろうか?上口蓋の真ん中辺りを触っていると思う。これに対して、「L」は舌の先を前歯の裏につける。そして、前歯のスキマから息を抜く。この、「舌の先を前歯の裏につける」「前歯のスキマから息を抜く」は「T」と同じ出し方であり、「L」が発音出来るようになれば、「T」が発音出来る。ちなみに、「l・l・l・・・」と連続して出す(舌先で前歯の裏をツンツンする)と、母音を消すイメージが持ちやすくなる(音声練習編①参照)。

 「R」は、舌を丸めて発音する(いわゆる「巻き舌」)。舌の先を喉に突っ込むイメージを持つと良い。日本語では用いない舌の形であり、いきなり出来ることはまずない。アラビア語の「R」は英語よりもさらに舌を喉に押し込む(アラビア語の「L」は日本語の「ラ行」と同じ位置に舌がある。つまり、「L」と区別するためには、「R」は舌をより喉に近付ける必要がある)ので、日本語speakerはむしろアラビア語の「R」を練習する方が良いかもしれない(経験者は語る😁)。

 「flag」と「frog」が確実に発音し分けられるように、そして、自分の耳でも違いが感じられるようになるまで連続しよう。「L」の音が出せたら、「T」の音も同じように出せるハズだ。「L」と「R」を区別できるようになると、英語の発音全体が上達するだけでなく、単語が持つイメージを捉えやすくなる。つまり、英単語を覚えやすくなる。

 整理すると、舌の先が「L」「日本語のラ行orアラビア語のL」「R」「アラビア語のR」の順番に、口の先から喉にかけて並ぶ、ということだ。一つ一つの音を練習するよりも、関連する音をまとめて練習する方が全体像を捉えやすい、と考える。

④舌の形を常に意識する

 英語speakerへの道を歩み始めた貴方は(既になっている人達にとっては、常識だろう)、これ以降、自分の舌がどうなっているかを常に意識・確認する必要がある。人によって口の構造が大きく異なることなどない。異なっているのは、口の使い方だ。自分達とは口の使い方が大きく異なる人達の真似をする、それが英語の発音をマスターするということだ。その第一歩として、舌の形は避けて通れない。

 英語speakerになった人達は、例外なく発音の重要性を強調する。いや、発音の重要性を強調しない人は、英語speakerではないと言うべきか? 一方で、日本の英語教育において、発音練習は軽視されるケースが多い。発音練習を続けるには、「この練習が必ず生きる」という確信(信仰?)が必要になる。まあ、私はその確信が持てなくてダラダラやっていた訳だが😅

 いずれにせよ、「舌の形を意識して英語の発音を練習する」という、日本社会では「ドーデモイイことを考えて、奇声を発している」と思われかねない行動を続けるには、マインド設定が重要だ。「直感的に分かる」「出来る人達が言うのだから、そうなんだろう」「くまりん19がここまで繰り返すのだから、大切なんだろう」「アッラーのお告げを聞いた」などなど、どのようにマインド設定するかは自由(お勧めは3番目😝)だ。発音練習が英語speakerへの道、私が言いたいのはコレだ。それでは、Au revoir!

自分が何をするかを決めていいのは、  自分だけだ




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