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法学部の講義

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法学部の学部紹介シリーズではネガティブなことばかり話している気がするので、ここでは実際に法学部で学べる面白い内容について紹介します。
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#刑法

法学部の講義シリーズ、始めました。

 暑い。最近ずっとこんな言葉ばかり口にしています。そして、これを口実にして勉強をさぼろうかなと思うことがあります。(私も幽霊になりそうですね笑)しかし、そんなんではいけない。事実、天罰が下ったのか夏バテになり、少し体調を崩しました。  そこで、わたくしひらめいたわけです。noteに法学部の授業で学んだことを投稿すればよいと。そうすれば、noteも更新できつつ、自分の勉強もはかどることに気づいたのです。ゆえに、「法学部の講義」シリーズと題し、不定期更新でこれからは法学部の講義

【法学部の講義】そもそも刑罰を加える目的とは?刑罰の正当化理由について

 例えば、199条に「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」(殺人罪)と書かれているように、刑法典には「犯罪」とそれに対応した「刑罰」が記載されています。  しかしながら、よくよく考えると、本来的には人に意図的に刑罰という「害悪」を加えることは犯罪であるはずです。(大量殺人犯を死刑に処した者もまた殺人罪となるはずです)  そうだとすれば、一見犯罪とも思える人に刑罰を課す行為が、なぜ正当化されるのでしょうか。  法律学(刑法学)的には大きく以下の3類

【法学部の講義】意外と知らない犯罪成立要件

 みなさん、1日に何件犯罪が発生しているか、ご存じですか。日本での1日当たりの犯罪認知件数は計算上、1500件ほどです(以下の警視庁資料より算出)。他国に比べますと、日本の犯罪認知件数は非常に少ないと言われます。しかし、それでも1日に1500件です。  つまり、普通に考えれば犯罪が起きない日はないと言えます。  事実、「本日、A駅前で○○をした容疑で職業○○のXが逮捕されました。警察によりますと、容疑を認めているとのことです。」  なんてニュースを毎日と言っても過言では