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開店1ヶ月。心の整理整頓

店舗をつくるうえで大切にしていることは様々だけど、大きく分けたら店舗は2つでできてると思う。

製品と空間。
製品は商品、サービス、デザイン。人もここに入ってくる。教育だったり、思想だったり。
お客さんが価値と感じるもの。

空間は居心地、雰囲気、間合い。そういった感性に訴えかけるもの。

ざっくりですが、この2つの要素でできてる。


今回は店舗について、、
開店1ヶ月。


方向性を決める

本物志向、普遍的で正真正銘のものがオーセンティック。
革新的、奇抜で前衛的なものがイノベーティブ。
この区切りでなかなか違いが出ることに気づきました。

※二元論的な考えは割り切れないことだらけ。
だけれども、対局を見るには二元論は便利。

オーセンティックであるものの良さはやっぱり絶対的な安心感。
間違いようのない確かな価値がある。
イノベーティブなものの良さは衝撃と感動があるところ。
新たな価値に気づける。

2つの良い部分を店舗をつくる上で考えてみたい。店舗に置き換えてみると、パターンは4通りに分かれる。

製品はオーセンティック
空間はイノベーティブ
→①

製品はイノベーティブ
空間はオーセンティック
→②

製品はオーセンティック
空間もオーセンティック
→③

製品はイノベーティブ
空間もイノベーティブ
→④

4通りに分かれました。
この時点で自分がやってる店舗はどこに当てはまるのかを考えていきます。
そして、どこを目指すのか。


答えは無いけれど、間違いなく言えることは確かな品質。
品質あっての違い。
そこだけは確か。
オーセンティックで本物志向、イノベーティブな革新派。
どちらが良いかは割り切れません。

場所、地域性、時代、色んな要素が交わっていくことで何が良いかは変わる。

勝手なイメージだけど、
東京都心で④は通用するけど、富山では難しい。
京都で和菓子なら③でいいけど、東京都心では物足りないかもしれない。

今回はマーケット分析をしたいわけではないのでこの辺で。

オーセンティックで攻める?
イノベーティブに攻める?
何を選択する?

判断、決断のスピードがホントに大事だなって感じています。


やらないことを決める

少しずつですが、自分たちの店舗も落ち着きはじめました。
オープン景気もあっという間。
ちょうど明日で1か月です。
日々の営業の中で意識していることを書いていきます。

・リピートする仕掛け
→製品のバリエーション
→接客の質(心地よさ)

・外への発信
→SNSの質と回数
→個人への期待値を上げる

・オンライン売上
→自社EC
→ライブ配信?
→外行パッケージのバリエーション

書き出すとまだまだ出てくる。
とにかく全部やる!っていうのは難しい。
どこから動くか、なにをやらないか。
やらないこと(自分がやらない)を決めないと進まない。


その前に。
方向性がブレてないか?
全体のアウトラインはしっかりと決められているか??
①でいくのか?②でいくのか?
オーセンティック?イノベーティブ?
何に対してどう動くか??
タイミングっていうのはとにかく難しい。

やらないことを決める。
これがなきゃ常に"対応"に追われてしまう。

やらないを決める勇気は昔の自分にはなかったなー。その結果、人に冷たくなってしまったり、楽しめなくなっていたり、燃え尽き症候群になってしまったり。
何でもやるは何にも楽しめない。
そうなる前に整理していこう。

走り方を決める

オーセンティックかイノベーティブか。
→向かいたい方向を考えること

やるか、やらないか。
→行動基準を決めること

どこに向かって、どう進めていくかをイメージすることが日々求められてるんだと思う。
なんとなくの方向が決まり、進めるうちに困難なことや問題も出てくる。
そこの壁にぶち当たった時に、飛び越えるのか、周り道をするのかの判断も重要。
イメージがなければずっとフワフワしてる。
イメージを持てば迷っても修正が効く。
目的地もなく放浪しているのか、目的地があって迷子になっているのか?
自分はリアリストだし、放浪は不安になる。
目的地があった方がきっと迷わない。

目的地を決めたら次は走り方を決める。
例えば、製品の方向性がオーセンティックとイノベーティブのどちらに向かうかで走り方が変わってくる。

オーセンティックであれば、本物の技術を反復して身に染み込ませることが習得までの早道だから、持久走的な感じ。
イノベーティブなら他分野を行ったり来たりして情報編集する頭の回転が大事になる。持久走ではなく、障害物競走。

どの走り方が合うのか?
オーセンティック、イノベーティブ。
どちらの方向へ行くかで走り方が変わる。

走り方を決めよう。


ブレない

さて、、ここらへんで自己対話に戻します。
自分たちは何をしたいのか?
何者になりたいのか?
何を表現したいのか?

どこまでいってもやりたいこと、叶えたいこと、つかみたいものが溢れてきます。
欲が人を動かすとはよく聞きますが、欲の出所と欲の出口がリンクしてない人は多いと思います。

人が喜ぶところを見たいのに、貯まった金で自分だけが遊び惚ける人。
カッコよくなりたいのに、身なりだけを整える人。
社会的活動を訴えたいのに、心がついてない人。

欲の力は強く、コントロールするのが難しい。
コントロールが外れ、混乱に落ちることもある。
そんな時は自分たちの中の"真ん中"に立ち返ることでリセットすることができます。
そういう時にするのが自己対話です。

僕の大好きな漫画[バガボンド]では、宮本武蔵が作中で何度も幼い頃の"真ん中"に立ち返る描写がでてきます。
潜在的に持っている自分の答えから遠ざかれば遠ざかるほど矛盾が生じ、予期せぬトラブルが起きてしまう。

なりふり構わず天下無双を目指している時の武蔵は殺し合いの螺旋という地獄の中でもがき苦しむ。
ところが、自身の在り方、自然と自身を俯瞰で見始めた時、この身体は借り物の身体であることに気づきます。
肩肘張り、天下無双という言葉に囚われていた武蔵は周りを倒すことでしか自身の存在意義を感じれなかった。
相手を倒すことで自己顕示するのが人生なのか?
そんな人になりたかったのか?
剣はそんなに小さきものだったのか、、?
この疑問にフタをしながら進んでいる時の武蔵はどこかフワフワとしていて、満ち足りてないように見える。
それがだんだんとクリアになっていくのがバガボンドの世界の中で描かれています。

クリアになってく時には、いつも幼い頃の心に立ち返っています。
初心というか、本当の自分の声を聞いている時に。

……ようはブレちゃいけないってことです。

あれもしたい、これもしたい、もっとしたい。
己を突き動かすパワーが欲にはある。
ただ、それだけでは矛盾が生じてしまいます。
本当の内側の心の声。
そこにいつだって答えはある。
ブレちゃいないか?どうだろうか?
自己対話を大切に。




チャレンジする

開店して1ヶ月でわかったこと。
・予定通りは無い
・変化のスピードは出会いで加速する
・決断力が大事

予定通りは無い→オープンしてみたら3.5倍の売上でした。
予算感が低かったかというとそうでもない。
オペレーションも最初の構想に合わせて組んでいたため、見事にハズした。
だから、毎日やり方を変えた。

変化のスピード→店舗の距離が近い分、他店舗とたくさん話す。
そしたら考える幅が広がってスピードがあがった。

決断力→今やる?次やる?
やらないを決める決断がなきゃ、サービスも製品もクオリティは落ちてた。

現場はいつだってゲリラ戦だし、いつだって予想を超えてくる。
何があるかわからない中で仮説検証の繰り返しをするのがおもしろい。
チャレンジこそが現場のおもしろいところだと思う。

そして。
より一層の価値を創ることが常に求められる。
店舗にも。
オーナーとして、プレイヤーとしても。
一緒に働くスタッフからも、お客さんからも、応援してくれる人からも。
それが嬉しいし、楽しい!
1ヶ月でこれだけ楽しい。
これがまだまだ続くし、まだまだ広がると思ったらワクワクしてたまらない。
チャレンジし続けることの喜びっていうのは生涯かける価値のあることだと思います。

そして!
やってみて気づいたことがあって、
自分が表現したいことのひとつが見つかりました。


オーセンティックから5メートル離れたものをつくる

餅職人でも無ければ、和菓子職人でも無いし、餡子もロクに作れないし、エンターテイナーでも無い。
それが自分。
職人への憧れがあって、超リスペクトするけど目指したいわけじゃない。

オーセンティックかイノベーティブか?
二元的に考えてみるようになってから気づいたことがあって、自分の表現したいものはオーセンティックから5メートル離れたところにあるってことに気づきました。

自分は突出して目新しいものは紛い物のように見てしまうし、文脈が無いものだと信用できなかったりする。
かといって、本物志向の普遍的なものを作りたいとは思わない。
餅屋が衰退していったのは変化できなかったからだと思うし、歌舞伎も寿司もオーセンティックだけだと特権的なものになるしかないのがわかった。

だからこそ、オーセンティックを理解してそこから離れた距離の新しいものを創りたいと思う。
ネオスタンダード。
オリジナルっていうより、新しい普通を創りたい。

それが自分のチャレンジしたいことだし、創りたい価値になってる。


【365日ハレの日】
餅文化を通して日常を特別にする。
餅文化→ここを少し離れた位置で解釈。
特別→現代にとっての特別を定義する。
ここを探しながら創る。
それがこの1ヶ月でかなりクリアになってきました。
次の1ヶ月、2ヶ月先からは更にクリアに。

最終着地点はまだまだ先で見えないけれど、ひとまずは1ヶ月の総まとめ的な感じで締めます。

ぶわーっと書いて行ったり来たりしましたが、
なんせこの先も楽しみだらけってことです!
この先もよろしくどうぞ。




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