子供の知能をほめると成績が下がる驚くべき理由 その1

●知能をほめたグループの実績は20パーセント低下
1998年に、スタンフォード大学心理学教授のキャロル・ドゥエックは研究者仲間とともに、5年生400人に単純な問題を解かせた。そのあとで、それぞれの生徒に点数をつけて、知能と努力を半数ずつ褒めた。
その後のテストを続けたが、知能を褒められたグループは保守的に、努力を褒められたグループは解けなくても努力を楽しんだ。

●知性をほめることは意欲と成績をそこなう
その後、人を変えて実験を3回くり返した。3回とも結果はまるで同じだった。「これまでになくはっきりした結果が見られた」と、ドゥエック。「子どもの知性をほめることは意欲をそこない、成績をそこなう」。

理由を見つけるのは簡単だ。知性に対するほめ言葉が、受け手を固定した気がまえに向かわせるからだ。こういった称賛は、知性がなにより重要で、知性を変える努力にまさると示唆する。そして真の学習を避けて、簡単な課題達成を求めるよう促してしまうのだ。「気がまえは人間の頭の中で実行中の説明をかたちづくる」とドゥエックは書いている。「それがすべての解釈プロセスを導くのである」。

称賛すべきは努力であって、才能ではないこと。能力が努力によって大きく変えられることを強調すべきだということ。他人にも自分自身にも、挑戦は脅威ではなく学習機会だととらえるよう教えること。失敗は断罪ではなく機会と解釈すべきであること。

ただ、善意から出たことであっても、教育信念としてはこれが生徒をむしばむものだとわかる。「それは生徒の知能を過剰にほめるのとまったく同じ哲学から生まれている」と、ドゥエックは書いている。「だが、そんなのはうまくいかない。水準を下げると、生徒たちはあまり教育を受けずに終わるだけで、しかも簡単な課題で大仰なほめ言葉がもらえると思いこんでしまうのだ

⇨能力を褒めるとそれの裏返しを考えると、その状況でない場合に、否定されている感覚となる。努力に対して、よく頑張ったと褒める事が大事。ただ、褒めすぎることや、レベルを下げ過ぎ、忖度することは、ただレベルが下がっているだけということにも気づかなければ行けない。

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