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穏やかな関係を - 5

「可愛い」と何度も言われて照れくさくて、顔を背ける。きっと、芯が疼いてることにも気づかれているのだろう。軽いタッチで撫でられているだけなのに、ひたすら甘い声を漏らす自分が恥ずかしくて仕方ない。必死に「だめ」なんて言うけれど、こんなの「もっと」の間違いだ。左右の耳にキスされながら「右の方が弱いね?」なんて観察されて、冷静を保てないのは自分だけだと気づかされる。

さっきまで二人で眺めていたテレビは、いつの間にかバラエティー番組からニュース番組に切り替わっていた。不意にそれに気付いて「テレビ消してください」と言ったら笑いながら消しに行ってくれた。併せて「電気も消してください」と伝えたら、これまた「はあい」と笑いながら返事をして、きちんと部屋を暗くしてくれた。

身体にコンプレックスがあること、分かってくれているんだなと嬉しくなった。けれど、ベッドに戻ってきた彼の声のトーンが変わっていて、中心がぞくりと跳ねた。

再び耳に触れられて、唇でなぞって、何度もキスを落として。もともと弱い耳を執拗に愛撫されて、小さく達しそうになりつつ堪える。私がnoteに耳が弱いことを書いていなかったことについて「書いておいてくれないとね?」と冗談めかして笑う。

恥ずかしさと気持ちよさで身体が熱くて暑くて、布団を剥いだ。彼も暑かったのか着ているシャツを脱ぐ。その時に腕の逞しさに少し驚いて、見惚れた。抱き合ったときに華奢ではなく骨太な感じだとは思っていたが、こんなに筋肉質だとは知らなかった。さっきまでけらけら陽気に笑っていたのに、暗くしてから急に責めるモードに入った彼が妙に色っぽくて、オスっぽくて、困ってしまった。

背中に触れて、キスをされて「背中弱いねえ?」と少し嘲笑う。あまり攻められたことがないが、なぞればびくりと身体は跳ねるし、キスをされれば心地よい。暗くしたから下着の色が分からないじゃないかと笑いながらも、手を休めず触れ続けてくれる。

こうなることを考えていなかったわけではないものの、替えの下着を用意していなかった。喘ぎながら「下着汚れる…」と必死に声を絞り出したら「仕方ないなあ」と服を丁寧に脱がしてくれる。彼のことも脱がしたくて、ベルトを外そうとするも手元がおぼつかなくて上手く外せない。笑いながら手伝ってくれる。彼が下着姿になると主張しているものが目に入り、これからのことを意識してしまう。

少しの緊張と、興奮と、期待で変になりそうだった。

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