「ミッドサマー」感想

一言で言えば「二度と見たくない」‼️

鑑賞中、「なんでこんなもの見せられてるんだ」と100万回位思っていた(何故駆られるように、このコロナ騒動の最中見に行ったのか…)。

事後、レビューを読み漁ってみると、賛否はスパッと分かれていた気がする。で、高評価が概ね多かった気がする。

不可解でならぬ…!

個人的に、人生の中でこんなにも二度と見たくない(見なくて良い、見るに足らぬ、ではない)映画に出会ったのは初めて。それくらい、生理的に触れられたくないモノを、触れられたくない角度で、方法で、長さで、これでもかと弄られた感(この監督のそのスキルとセンスは超ド級。最大の賛辞として)。

で、なんでこんな気持ち悪いものを…と思いながらも途中退席できなかったのは、クライマックスへの期待がかなりあったから。

「癒される」

らしい。どうやら。

マジかよ…、この悪夢が深まって深まって行き着く先には、それ相応の解放が待っているのだらう⁉︎

ならば…!と耐え抜いた、2時間18分。




……へっ⁉️⁉️⁉️


えっ、えっ…



え⁉️⁉️

終わり❓

これ、何が救われるの⁉️

もう、マジで無理だ…(涙目)

真っ先に映画館から退出。

開放感はおろか、一層どギツイ胸糞悪さと疲労感のみを携えて帰路に着く。

ダメだ…、一刻も早く夫と子どもたちに会いたい…。現実の世界に帰りたい。我、愛しの日常生活よ……‼︎

家着いて、速攻、家族にハグしたよね(あ、もちろん、手洗いの後ね)‼️

で、少し落ち着いてから、レビューを読み漁る。

そこで、絶賛している人の多さに驚愕するワケだけれど、同時に自分なりになんでこの映画が全く受け入れられなかったのか、クライマックスにカタルシスが全く感じられなかったのかも考えるきっかけとなった。

《以下ネタバレ的要素を含む》

大きく3つ。

⒈ダニーの境遇やパーソナリティが、自分と全く重ならない

・肉親を酷い事件で亡くしてショック状態にある
・恋人に依存する気質
・そもそも自身も心疾患持ち

この土壌があってこそ、あの旅のあのクライマックスが劇的な解放になるんだろうと想像。ここに自分を重ね合わせられるかどうかで、スタート時点からこの映画を体感するフェーズがキッパリ分かれるんじゃなかろうか。それがそのまま賛否へも直結。

⒉上記のダニーの心象風景がどれだけ地獄なのか分からない故か?なぜ容易にカルト村の文化を我も物にしていけるのかも、良く分からなかった。

ドラッグ飲んで、村人と寝食共にして、ダンスして、最悪な情景を見てしまった時にそこの女達が一緒に嗚咽してくれたら、魂まで骨抜きにされるのか?
20数年のアメリカ都市部で培われた価値観やモラルは、たった9日間の異国へのトリップで刷新させられちゃうものなのか?人間のアイデンティティって、そんなものなの⁉︎

というところに深く疑問が。

価値観が劇的に書き換えられる出来事が、この世に起こらないとは全く思わない。けれど、このダニーの9日間の心的描写からは、その変化はわたしは感じ取れなかった。故に、恋人を生贄に差し出す決断が異様で取って付けた様に見えた。

⒊旅の最中にクリスチャンとの絆が絶望的に薄れていく過程が見えなかった。

クリスチャンと村娘との不貞行為(あくまで我々の文化から見ての)が、ダニーの決断の決定的なトリガーなんだろうが、待て待て。クリスチャン薬めっっちゃ飲まされてるし、変な呪いもかけられてるし、そもそもクリスチャンモーションじゃないし。
クリスチャン悪くなくね⁉︎
と思ってしまった。

※ディレクターズカット版では、そこに至る前にクリスチャンどダニーが口論をもっとしてて、クリスチャンのゲスさが端的に分かる、と別記事で読んで、確かにその描写があればまた、クライマックスへの感触が違ったのかも、と思った。


という事で、わたしにとってはこの映画はセラピーとは程遠く、独特な悪夢を煎じて5000倍に煮詰めた、ドロリとしたグロテスクな後味のみを残したものでした。

が、このトンネルを潜り抜けたおかげで、現実今後悪夢を見なさそうな気もしているので、そういった意味では至高のセラピーだったのかも⁉️

最後までお読み頂き、ありがとうございます。


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