極彩

最近文章を書いていないから、書く
誰かが僕の言葉を求めている気がした。そんな気がしたから、書く
そして、誰かって、なにより、たぶん、
それは、僕。

最近色々あった。
そりゃ生きてりゃ色々あるだろうが、
僕が文章を書く時は大抵、無色の日々
そういったものに言葉で彩色を添えること

書く必要がない。だから書かない
「文章を書く」という行為
これは私の体に刻み込まれた行為だが
日常の一角ではなく
訪れては去る雨風のようだった

地球には太古から雨と風が刻まれている

身体と比較して、心の変調と偏重が訪れ
言葉は波の底に水のように募る

綴ることが己の鎮痛薬なんて、そんなつまらないことがあって良いのか

事実そのようだけど

だが麻酔の奥で覗く夢のように
時たまふらつくアスファルトの陽炎のように
友の言葉が脳をこだまする

する

誘われる

少し帰りたくなる

詩的世界

そこは望んで行くか行かぬか
在住を許されるか許されぬか

ではなく

居れば居る世界


朝は美しいと思う
これは譲れない
朝が美しく映らぬ人の心に美はありえない
朝露の煌めきを美としないのならば
朝と反する美を持つならば

それは美とは呼ばない
それは退廃性に脚色された麻薬の魅せる幻想だ

美は降らない
美は生まれない
美は起こらない

美はお前が創造するのだ
朝から始まるお前の人生に
お前が美を見出すのだ

無色の空に彩色を添えるのもまたお前なのだ

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