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映画 perfect days 感想

作品を観ながら世の中は繋がりについて考えさせられていた
街の公衆トイレが常に整っているのは平山のような清掃員のおかげで、その平山にもおかえりと言って迎えてくれる居酒屋さんやバーがあって。
後輩の清掃員は金もなく女にも選ばれなくても
耳たぶを求めていつも会いに来てくれる男の子がいたり。
ノコとのお別れの際、ノコにハグをされ、そのハグを受け渡すかのように妹(ノコの母)にハグをするところ。
いらなくなった本を誰かが売ればそれを誰かが手に取る。
知らない誰かが作った音楽や本の言葉に救われることもある。
そういう繋がりが人生には無限とある
ノコちゃんが、この川は海に繋がってる?という台詞は、この映画の本質だ
身近に感じているこの川も広く綺麗な海に繋がっている
私たちは知らないうちに知らない誰かと関わり、助けられているんだと

平山は1人での生活を楽しんでいるように思えた
ルーティーンがあり、休日にできる趣味もあり酒を嗜む、こんな生活も羨ましいなとさえ思わせてしまう
しかし、ノコとのお別れのシーンと、最後の朝の出勤のシーンで平山は涙を流す
この二つの場面に共通していることは絶対的な繋がりを目の当たりにした時、だと思う
母と娘という血縁 や
バーのママとその元旦那という いわば特別な関係(病気と知った時、一番に感謝を伝えたいと思える存在)
これまで描かれてきた平山のまわりの関係性とは圧倒的に違うもので、そういうものを前にした時、奥底に眠っていた孤独や哀愁が涙として出てきたんだなー、と
エンディングで平山が泣いたことは良い意味で観ている人を裏切った感じがあって良かった

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