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顔に差す眩しい光で、やばい、寝過ぎた、と思い
慌てて目を覚まし時計を見るとまだ9時だった
昨日はりなと詠君と遅くまで呑み倒していた
腕についた寝跡がタトゥーみたいになっていた
お風呂に入っていたら詠君も突然入ってきて
一緒にシャワーを浴びた
まだ9時だよというと信じられない様子だった
お昼は、何度も行こうとして、その度に定休日で断念していた和食定食屋さんに行った
カウンターの前にはいろんな種類の焼き魚が並べられていた
温かい山菜そばを食べた、今日は本当に春かと思わせるほどの暑い日だけど、私は温かい蕎麦が好きなのだ
詠君が約半年ぶりに髪を切るとのことだったので
1時間ほど暇を潰すことにした
この辺りは1度も来たことがなかったけれど
こんな天気のいい日はどこへでも行ける気がした
建物が並ぶ街の方へ出るか、道に沿って木が並ぶ閑静な方へ行くか、迷った結果、後者の方へ進んだ
少しだけ歩くと木で日陰になっているところにテラス席が何席かあった
最初は座っていいものか躊躇ったけど
座ってみると少し涼しくて風が気持ちが良かった
本を読むことにした、今は川上未映子のヘヴンを読んでいる
ちょっと重い内容で、平和ボケしそうな今日の天気には合わないなと思いながらも、こんな日だからこそ正気を保って読めるのかもしれないなと思った

詠君と合流して、西公園の桜祭りに少し行ってみることにした
もう葉桜になってしまっているけど、そんなことは気にも留めない様子で人々はブルーシートの上で楽しそうにしている
周りがガヤガヤしていると私たち2人がとても静かな気がした、でもそんなことは他の誰も気に留めない
私たちも桜になったのです
詠君の家の目の前にある立派な桜ももう緑になってきている、ここの桜を見るのはもしかしたらもう最後なのかもしれない
それが悲しいことなのかどうか分からないけど
今年の春ここの桜を見て、ここの桜が仙台の中で1番綺麗だねって話したことをもう思い出すことはないのかもしれないと思った
記憶は案外、きっかけがないと思い出せないものだ

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