夏の恋14

大学での生活が始まり、毎日、テニスと勉強に追われていた。
堀井さんのことは頭によぎらなくなっていた。
しかし、恋をしたいという漠然とした思いはあったが、誰かを好きになることはなかった。
いや、なかったといえば嘘になるか。
あったはあったが、心のどこかで堀井さんと比べていたのか、好きかどうかわからない。まあ、あの子かわいいな。という感じで大学の女の子たちを見ていた。
男子校出身のため、講義室やどこにいても女の子がいる状況に慣れていないのか、女の子とどういった話をすれば良いかもわからない状況でもあった。

そんなとき、友達と話しているなかで合コンの話があがった。
大学生になれば、合コンがいっぱい出来るという印象もあった。
でも僕は、行かないと返事をしていた。
なぜか気が乗らないのだ。いや、今思えばビビッていたのだろう。女の子とまともに会話をしたことがないから。
男子校だったため、女の子との会話は口説くためのもので、和気あいあいとした会話にまだ慣れていなかったのも事実である。
そんな奴と過ごす時間は相手に申し訳ない。

そんなこんなで大学1回生の夏がやってきた。
バイトも始め、そのバイト先にもかわいい人はたくさんいた。
しかし、なぜか好きにならない。
やっぱり、堀井さんが好きなのだろう。
わかってはいても、どう連絡をしていいかわからない。なんせ、1年以上連絡を取っていないのだから。
もう僕の番号やアドレスも消されているだろう。そう思っていた。

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