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ウクライナのゼレンスキー大統領とは (2)

■ゼレンスキー大統領自らのリスクに直結する内憂外患

 まず、ウクライナ国民の50%以上がNATOへの加盟を「支持」しているというウクライナ国連大使の発言*5があることや、ウクライナの調査機関、社会学グループ「レイティング」の12月の世論調査では、54%の回答者がミンスク合意の見直しを求め、21%が協議から離脱すべきだと答えた*5、と報じられていることからも、現状では、ウクライナの国内融和・統一をミンスク合意をベースに行うことが極めて困難な状況となっていることは間違いない。

*5 2022年2月5日 日経新聞 ウクライナ国連大使、NATO加盟は「国民の総意」
*6 2022年2月4日 日経新聞 モスクワ=石川陽平記者
  ウクライナで深まる内憂外患、広がる政権への失望

 ウクライナ西部地域は、ゼレンスキーの優柔不断的な政策に業を煮やしていると思われる。なんと言っても、15から17%と数字的には低いとはいえ、支持率でゼレンスキーに次ぐ第二位が反ロ・親欧米路線の急先鋒である前大統領のポロシェンコである。

 その一方で、東部地域のロシアに隣接するドネツク州やルガンスク州は親ロシア派が主流となっており、ロシアとの融和、地域の独立を模索している立場から、ゼレンスキーが大統領就任当初の演説で「東部地域の和解や融合を推進する」、「ミンスク合意の履行に努める」等と公言したにもかかわらず、まったくその後の進展がないことから、ゼレンスキーの二枚舌というか二股膏薬的な言動にいらだちを隠せない。


ウクライナのゼレンスキー大統領とは (2)より
(Volodymyr Zelensky)解説:池田こみち(独立系メディア E-wave Tokyo 2022年2月7日)http://eritokyo.jp/independent/VolodymyrZelensky2-ikeo12989.html

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