『Fallout4』今から入れてはいけないMOD特集【2023年度版・永久保存版】

(※更新履歴は末尾に移動しました)

『Fallout4』が2015年11月に発売されて以来、本稿執筆時点で実に7年々もの間MODシーンが盛り上がり続けており、
いまだその盛況ぶりが衰える陰りは見えないどころか「MODを入れてもこういうことはできない」というそれまでの常識を覆すようなMODが今年になってから続々とリリースされています。

(例を挙げると、本来Fallout 4のCreation Engine自身の仕様で「BA2ファイルの読み込み上限は256個まで」という制限があったのですが、Buffout 4の最新アップデートにおいてその制限を撤廃する機能が実装されました。
事実上、PCスペックが許すならば、ほぼ無制限にMODを適用できることになるので、これがいかに驚異的な機能であるかがお分かりいただけるかと思います)

そんなFallout4のMOD界隈ですが、
そうして新たなMODが開発され続ける一方で、バグの存在やアップデート停止などにより、残念ながら現在の最新のMOD環境とは相性の悪いMODも存在しています。

本記事では、MOD初心者さん向けに「今から導入することはオススメできないMOD」とその代わりにオススメするMODについて紹介していきます!


【注意事項】

はじめにお断りしますが、本記事は特定のMODについて批判したり、その品位を落とすなどのことを目的としたものではありません。
ここで紹介するMODはどれも人気が高く、これまでのMODシーンにおいて一時代を築いた偉大なる先駆者である、と私は考えています。
しかし現在ではよりバグが少なく多機能で、他のMODとの互換性も高い後続のものがリリースされており、今からこれらのMODをインストールすると思わぬトラブルの原因となる可能性が高いです。

残念ながら、それらのMODは現在でもNexusランキングで上位に位置するために、「より現環境に適した後続MOD」よりも目立ってしまっており、特にMOD初心者さんが後続MODの存在を知らずに導入し、トラブルに見舞われてSOSの質問が来る……という状況が後を絶ちません。
本記事は、そうした初心者さんを助けたいという思いから立ち上げたものであり、決してここに記載されたMODの作者さん、およびそのMODを必要とするユーザーさんの意見を否定するものではありません。
あくまで「よりトラブルの少ないMOD環境を構築するための知識」を共有するものだと理解してお読みいただければ幸いです。

なお、そういう性質の記事のため、単に「入れてはいけないMOD」などを網羅するつもりもありません。
あくまで「後続MODがあるにも関わらず現在でもランキング上位に入るもの」のみが対象です。ご了承ください。


【オススメできない基準について】

本記事では、下記の要素を根拠としてオススメできない理由を挙げていきます。

◆アップデート停止
すでに年単位で更新が停止しており、それ以上のサポートが望めない状態を指します。
アップデートが停止されたMODは「バグがあっても修正されない」「最新のスタンダードとなっているMOD環境と互換性がない」などの特徴があるため、「そのMODを使わないといけない事情があるベテランユーザー」以外にはオススメできません。

◆バグ多数
読んで字のごとく、バグが多数存在する、あるいは致命的なバグがあるにも関わらず修正されていない状態を指します。
後続MODではしばしば先行版に残ったバグの修正が試みられているため、今から始める初心者さんにも安心してオススメできます。

◆パフォーマンス低下
フレームレートのカクツキやロード時間の遅延など、快適さを損なう危険があるものを指します。
MODそのものの作りに問題があるわけではなく、特に古いMODでパフォーマンスの研究が進んでおらず最適化された作りになっていないという状態のため、ここでは(作りそのものに問題がある)「バグ多数」とは区別しています。

◆肥大化
英語ではしばしば「bloated」と表現されます。要するに「いらない機能多すぎ」という状態で、特に海外では嫌われる傾向にあります。
分かりやすい例では「バグフィックス」を自称するMODなのに余計なゲームバランス変更を加えるMODなどがあります。
後続版は「必要なものだけにフォーカスするもの」の他、「必要なもの以外はユーザー自身が選んで無効化できるようになっているもの」などの配慮がされております。逆に言うとそうした配慮がないものがこれにあたります。

競合多数
他のMODと何かしらの競合を起こす可能性が非常に高いものを指します。
肥大化MODもほぼ自動的に競合のリスクが高くなりますが、「編集箇所そのものは少ないが、その編集している箇所が非常に多くのデータから参照されている」というMODも一部存在します。
たとえたった1箇所の編集であっても、多くのMODと競合を起こすデータというのは存在し、それに関するフォローがないものはここに含めています。分かりやすい例だと「プレイヤーキャラ」や「レベルドリスト」とかですかね。


Armor and Weapon Keywords Community Resource (AWKCR)

●オススメできない理由:肥大化、競合多数、パフォーマンス低下

武器・防具などのクラフト拡張のベースとなるためのフレームワークとして作成されたMODで、「Keywords Community Resource」の名前の通り、MOD開発者向けに多数にキーワード(※)を作成しMODの母体となることを目的としており、実際にこれを前提とするMODもたくさんリリースされています。

……が、アップデートを重ねるうちにあまりにも作りがふくらみすぎ、当初の目的の「フレームワーク」の域を飛び越えた肥大化MODとして敬遠されるようになってしまいました。

最大の要因としては「何に使うのか分からないリソースがあまりにも多数追加されており、かつ説明がほとんどない」という、開発者向けなのに当の開発者がどう使っていいかわからないデータがてんこ盛りという作りになってしまっています。

さらに開発者だけでなく、一般ユーザー向けにも「何に使うのか分からない作業台」や「何に使うのか分からないクラフト用素材」などが多数追加され、おまけにそれらのアイテムを大量にレベルドリストに追加するため競合待ったなし、と目に見えるところ・見えないところ問わず大きな影響があります。
とどめに、それらの膨大なデータを起動時に毎回読み込むことでロード時間の遅延にもつながります。

こうした問題から、次第に「AWKCRは使わない方がいい」という認識が広がっていきました。
しかし一番やっかいな問題は、まがりなりにもコミュニティ共同のリソースとして開発されたことからAWKCRが必須の防具MODも多数リリースされてしまっているということです。(非常に出来のよいMODに限ってAWKCR必須というものも結構あります)

現在はNo AWKCR and AE For Mods File DumpのようにAWKCRの縛りを外す方法も確立されてはいますが、知識の少ないMOD初心者さんにとってMODを自分の環境に合わせて修正することはちょっとハードルの高い作業のため、防具MODをたくさん入れて遊びたい初心者さんには今なお必須MODとなってしまっているハメのような状況なのが歯がゆいところであります……。

◆オススメ後継MOD
Equipment and Crafting Overhaul (ECO) - Reduxがオススメです。多くの機能をMCMで設定でき、たとえば「バリスティックウィーブは強すぎるので封印したい」というニーズにも応えられるのが2023年現在のスタンダードにバッチリ噛み合っています。
また開発者視点で見ても、現在も絶賛アップデート継続中で作者さんから手厚いサポートを受けやすいところが非常に心強いです。実際、最近リリースされているMODはAWKCRではなくECOを前提としているものが増えています。

※近々、「AWKCR」が前提MODになっているMODから、その縛りを外す方法について記事を作成する予定です。
↓公開しました。


Armorsmith Extended

●オススメできない理由:競合多数、アップデート停止

AWKCRの拡張機能を最大限に活用して、作業台でできる防具の改造項目を大幅に増やすMODです。
たとえば防具(※コンバットアーマーなど上に着るタイプの防具)を透明にしたり、バリスティックウィーブを無条件でできるようにするなど、防具の性能を大幅に上げつつオシャレもできるようになり、大人気を博しました。

……しかし2023年現在の環境基準で見ると、「不要な機能のON/OFFができない」「ゲームバランスが激ヌル化する」「MODで追加した防具で拡張機能を適用するためにはパッチが必要、そして必然的に競合が発生しやすい」という問題が解決されていません。
ただ最大の問題はAWKCRが必須、ということに尽きますね。MOD自体の作りにそこまで大きな問題があるわけではなく、「リリース当時は最適解だったが、時代が変わったために環境についていけなくなった」という悲劇のMODと言えるかと思います。

◆オススメ後継MOD
AWKCRの拡張みたいなMODなので必然的にかぶるのですが、Equipment and Crafting Overhaul (ECO) - ReduxNew Equipment Overhaul (NEO)の併用がオススメです。
最大の違いは拡張機能を利用するのにパッチが不要という点です。直接防具のデータの書き換えをしないので、あらゆる防具で使用可能で、かつECOと同じく不要な機能はON/OFFできる点が非常にGOODです。


Scrap Everything

●オススメできない理由:パフォーマンス低下、バグ多数、アップデート停止

居住地に最初からある建物やゴミなど、本来解体できないオブジェクトをスクラップ可能にするMODです。特に日本人ユーザーはきれい好きな人が多いので、「掃除できないゴミをきれいにしたい」というニーズをがっちり鷲掴みにし、スクラップ系MODの中でも圧倒的な人気を誇ります。

ただしこのMODを使うとゲームが非常に重くなります。よって数あるMODの中でも「特に」絶対入れてはいけないMODです。

原因は「Precombine(事前結合オブジェクト)」が破壊される、もしくは丸ごと無効化されるためです。
Precombineとは簡単に言うと、「あるオブジェクトの裏にあってプレイヤーの視界には映らないはずのオブジェクト」を描画しないようにするため、事前にオブジェクト同士を結合した上で「この位置からならこのオブジェクトは見えない」というあらゆる角度からのデータを事前に計算したものです。
これにより結合されたオブジェクトはスクラップできなくなるかわりに、見えないオブジェクトは描画されなくなるので動作が軽くなります。

しかしこのMODはそれを無遠慮に壊すため、見えないはずのオブジェクトまで描画してしまいゲームが重くなるだけでなく、セルデータの競合により目の前にあるはずのオブジェクトが特定の角度から見えなくなるケースもあるなど、グラフィックがめちゃくちゃになり萎えること必至です。

先に作者さんの名誉のために言っておくと、初リリースは2015年の12月と、ゲーム自体の発売から1ヶ月も経ってない超黎明期のMODであり、恐らく「Precombineとは何か」という知識がコミュニティ間でまったくなかった時期ではないかと思われます。
その後Precombineに関する研究が進んだとはいえ、初の大型Precombine修復MODであるBoston FPS Fixがリリースされたのが2017年なので、「Precombineを無効化すればゴミがスクラップできる」以上の知識を持っていた人の方が少なかったのではないでしょうか?

とはいえそれが許されたのはあくまで初期の話で、現在の環境では「パフォーマンスを低下させないMOD作り」が重要視されています。
Scrap Everythingについても、一応申し訳程度にPrecombineの修復は行われてはいるものの、壊れたままのセルの方が圧倒的に多く、結局Precombineに関するフォローのされないまま年単位でアップデートされていません。

以上のことから、「後述のオススメMODでは用途に合わないのでどうしてもScrap Everythingでないといけない理由がある人」以外にはまったくオススメできないMODと言えます。

正直なところ、この記事を書くきっかけになったのもこのMODの存在だったりします。
やはり多くの人にとって「ゴミがスクラップできる」というのはとても魅力的だと思いますし、私もそれにつられて一時期このMODのお世話になりました。
しかしこのMODで一番よくないところは未完成のままサポートが放棄されているというところだと思います。Scrap Everythingを入れた結果トラブルに見舞われる初心者さんをそこかしこで見かけますし、あまつさえ「重いなら高性能なCPUに買い替えればいい」という擁護の意見まで見かけてめまいがしたほどです…。

色々と書きましたが、やはりPrecombineおよびパフォーマンスに配慮したMOD作りの研究の途上でFallout4のMOD史に名を残したMODの雄であることには違いないので、作者さんには最大限の敬意を払いつつ、しかし実際に導入するのだけは遠慮しておきましょう。


◆オススメ後継MOD
個人的にはCommonwealth Deep Clean and Remodel Collectionを使っています。
ただしこちらは「あらかじめゴミを取り除いておく」という内容のMODなので、Scrap Everythingの機能に近く、かつPrecombineを壊さないMODをお探しであれば、Rebuild - AIOがよさそうです。(※記事執筆中に発見したMODなのでまだ試せていませんが……)
どちらも、現在定番のPrecombine修復MODであるPrevisibines Repair Pack (PRP)に対応したMODのため非常にオススメです。


VIS-G Item Sorting

●オススメできない理由:アップデート停止、肥大化、パフォーマンス低下

数あるアイテムソートMODの中でも初期に大きな人気を得たMODの一つで、DEF_UIの機能を使用してアイテムにアイコンをつけるソート機能が高く評価されていました。

ただしさすがに2023年の現在で見ると旧式化してしまっており、後継MODを差し置いてこちらを使う必要はないといえます。
一つには、「武器・防具にはアイコンがつかない」という点で、これはFallout4の仕様としてダイナミックにアイテム名が変わる「INNR」の機能のせいなのですが、これに非対応なのは大きなマイナス要因となるかもしれません。

しかしそれ以外にも「武器の名前が勝手に変わる」「FPSが低下する」という問題があります。
特に武器の名前は、「10mmピストル→N99」となるのはFalloutのロア的に合ってるのでいいとして、「ダブルバレルショットガン→Beretta 470」とか「コンバットライフル→AK-112」と、なんの面影も残さず変わってしまうので、それが嫌な人はパッチ必須という「余計なお世話」の見本になっていました。
そしてとどめにAWKCRが必須です。(おまえもか!)

一応、DEF_UIの後継であるFallUIもVIS-Gにはレガシー対応してはいますが、「昔からVIS-Gで作った環境があるので乗り換えたくない」という人以外にはオススメできないソートMODです。

◆オススメ後継MOD
FIS - The NEW FallUI Item SorterがソートMODとしては2023年のド定番です。VIS-Gと比較して「武器・防具のアイコンに対応」「余計な改変なし」「ESPなしでのソート・アイコン追加に対応(=競合リスク低下)」と、まさに未来のMOD環境を体現するかのような優秀なMODです。


RaceCustomizer

●オススメできない理由:競合多数(特に深刻)、アップデート停止

プレイヤーに独自のスケルトンを適用するためのMODです。
スケルトンとはキャラクタの「骨格」で、これを改変することにより体型を変化させられるので、たとえば頭を大きくして頭身を下げたいわゆるアニメ体型にすることも可能です。しかし基本的に、人間であればプレイヤー含め全キャラで一つのスケルトンを使いまわしており全員が同じ体型になってしまいます。

そこでAnimeRace Nanakochanなど、人間そのままのスケルトンだと都合の悪い追加種族を使いたいプレイヤー向けに、プレイヤーにだけ専用のスケルトンを適用させるようにするために作られたMODです。

…と書くとかなりシンプルに聞こえると思いますが、実際にやっていることはその逆で、プレイヤー以外のすべてのNPCのデータを書き換えてそちらを別のスケルトンにすることで、プレイヤーとNPCが別々のスケルトンを使えるようにするという処理を行っています。
こう書くとお分かりでしょうが競合のリスクが超高いです。私はそこまで使い込んでませんが管理死ぬほどめんどくさいと思います。

なぜこのような作りになっているかというと、当初はプレイヤーにだけ専用のスケルトンを適用させる方法が不明で、無理やり変えるとゲームがクラッシュしてしまうので、「じゃあNPCの側を専用スケルトンにしよう」という逆の発想で開発されたためです。しかし現在ではこの問題に対する解決策が見つかっており、Custom Race Skeleton FixesDiscrete Female Skeletonといった、より競合のリスクが低いMODがリリースされています。

恐らくNanakochanの需要爆発と同時期に出たMODということで、導入・トラブル解決に関する情報が日本語でも充実しており、そういう意味ではむしろ初心者さんにも敷居の低いMODだと思います。
が、もし長くMODを入れて遊ぶ気があるなら、RaceCustomizerは後々乗り換えが面倒になって後悔する可能性が非常に高いと思いますので、特にこれからNanakochan入れて遊びたいという方にはぜひ後続MODの使用を強くオススメします。

◆オススメ後継MOD
文中でも触れたCustom Race Skeleton Fixes(種族別スケルトン)やDiscrete Female Skeleton(男女別スケルトン)がこのMODの正当進化系といえるのですが、
ここではあえてSSF - Skeleton Style Frameworkをオススメします。
F4SEの魔法の力でゲーム内でスケルトンを選択・適用するというMODであり、導入・管理が非常に楽チンです。一部相性の悪いMODなどもありますが、使いやすさは圧倒的なので、これこそ初心者さんに一番推すべきMODだと思います。


Enhanced Lights and FX

●オススメできない理由:競合多数、バグ多数、アップデート停止

大規模な光源調整MODです。通称ELFX。
Fallout4のバニラ状態のマップはどこも明るさ(暗さ)が画一的で、暗いはずのところでも日中と変わらずものがよく見えるというのがよく不満に上げられるため、暗いところは徹底的に暗く、逆に日光などの光源がより明るくなるように調整されます。

中でもELFXはグラフィックがかなり美しくなると高い評判を得ており、スカイリムにも同名のMODが存在するほどの有名MODです。

が、作り方に大きな問題があり、特にMOD同士の相性に注意を払わず大量にMODを導入するタイプのユーザーにとって大きなトラブルの種になります。

というのもこのMODがやってるのはほぼ全域のセル(マップデータ)の編集だからです。
この手法の利点は一つ一つのセルに対してベストマッチするカスタマイズが可能なことであり、それだけで作者さんの尋常じゃないこだわりっぷりが伝わってきますが、それだけ派手に改変されたら競合のリスクも爆上がりです。

セルのデータ(に限らずFO4のデータは大体そうですが)は意外と繊細なもので、たとえば武器追加MODで武器をセルのどこかに配置するだけでも必然的に競合します。

そのレベルの競合なら、まぁ他のMODでも普通にあることですし全然問題ないのですが、致命的なのはELFXはバニラのオブジェクトを一部削除してしまっていることで、もし削除されたオブジェクトに対して他MODから参照があった場合ゲームがクラッシュします。
数あるゲームの改変の中でもセルのオブジェクトの削除は絶対やってはいけない行為ナンバーワンなのですが、このMODはそれをやってしまっているのである意味Scrap Everythingよりも入れてはいけないMODかもしれません。
なお、ついでにPrecombineも破壊しており、更新も5年以上されていないため、この点に対してフォローされる可能性もほぼないでしょう(第三者によるPRPとの互換パッチはありますが…)。

作り自体が雑だったScrap Everythingとは逆に、こちらは異常なほどに作り込まれているだけに、ELFX単体で見るならば最高のMODと評価できるのですが、多数のMODを入れてナンボというのがPCゲーの醍醐味でもあるので、安定性という点で見るならば導入はオススメできません。

◆オススメ代替MOD
安定性という観点からは、ENBSeriesやReShadeなど、極力セルの改変などをともなわず、グラフィックの描画の挙動自体を変更するものがオススメです。
が、それだと物足りない(フォローが足りない)、セル改変してでもグラフィックの美しさを重視したい、というのであれば、Lightweight Lighting - A weather and interior lighting overhaulが比較的新しく、安心して使えるかと思います。


PIP-Pad

●オススメできない理由:競合多数、バグ多数

通常外すことのできないPip-Boyを、タブレット型の手持ちデバイスに変えてしまうMODです。
オシャレがしたいのに、厚ぼったくて野暮ったいPip-Boyが邪魔!というユーザー御用達です。

バグ多数と書いておきながら、このMOD自体の作りに不具合があるわけではないのですが、Vault脱出前に導入するとバグります。その点はNexusの説明にも書いてあるのですが、これを読まずにトラブルに直面する人が一部います。

1点、MODを入れて遊ぶ上で致命的といえるのは、このMODで置き換えられるPip-Padは装備スロット61を専有してしまう点です。MODで追加されるアクセサリ系の装備はこのスロット61を使うものが意外とあるため競合します。競合するとそれらのアイテムは装備できません。

装備MODとの相性には注意が必要です。

(競合する装備の例)
CROSS_MojaveManhunterのダスター(上着)
Insanitys Celtic Katanaの刀の鞘

◆オススメ代替MOD
このMODを使う人は、要は「Pip-Boyがずっと左腕に装備されているのが嫌」という人がほとんどだと思うので、Invisible Pip-boy in 3rd viewを使いましょう。メニューを開くときだけPip-Boyが見えるようになり、普段は透明になります。バグもほとんどありません。


mcgFemaleWalk (Ver0.5)

●オススメできない理由:最新版にバグあり

最後、MOD自体がおかしいわけではありませんが、トラブルの声が多い人気MODなため軽く述べさせていただきます。

女性人間キャラの歩行モーションをより自然にする、というシンプルなMODなのですが、
最新バージョンとなっている0.5を使用すると、独自モーションを適用している武器と競合して見た目が破綻するという致命的な問題があります。
(武器や首があさっての方向を向いたりパーツが宙に浮くなど、見た目の問題だけでなく、銃の場合は狙った方向に弾が飛んでいかなくなります

特に武器MODで最近リリースされているものは大部分が独自モーションを適用しているため、かなりの確率で競合してバグります。

解決方法は簡単で、一つ前のVer0.4を使用しましょう。NexusのダウンロードページではVer0.5が一番上にあるためそちらをクリックしてしまいがちですが、その下に「Old Files」と過去のバージョンもありますので、ここから0.4を選んでダウンロードすればOKです。

◆オススメ後継MOD…?
これといった後継MODはなく、現在もmcgFemaleWalkが定番です。
最大の理由はやはり独自モーションを備えた武器MODなどと競合するからでしょう。現在のFO4のMOD界隈はよりFPS要素を強めるものが主流で、三人称カメラのモーションを修正するものはいくつかあるものの、mcgFemaleWalkを置き換えるにいたっているものはありません(人によりほかに好みがあるというものもあるかもしれませんが)。

スカイリムのFNIS(※Behaviorを共存させてくれる神ツール)みたいなのが出てくればまた状況は変わるかもしれませんね…。


【その他、後継MODを使ったほうがよいもの】

MOD自体が「使ってはいけないMOD」というわけではありませんが、よりよい後継MODが出ているにもかかわらず先行MODが依然として人気、というものがありますので、個人的に乗り換えてよかったと思うものを軽くまとめます。

《DEF_UI》

初期に定番だったUI変更MODですが、現在はFallUIシリーズが後継として出ています。
DEF_UIの機能を残した上で、設定ファイル等の互換性もあるので、現役でDEF_UIを使っているという方でもスムーズに移行ができるでしょう。
カスタマイズ性・拡張性などの面でも上位互換と言えるほどの完成度のため、ぜひ乗り換えをオススメします。

《Load Accelerator》

ゲームのロード時を速くしてくれるMOD。なお、作者さんは日本人とのこと。
機能自体に問題はありませんが、ENBと併用したい場合はひと手間が必要なので、F4SEが導入できない環境でないなら、同じ機能を同梱したHigh FPS Physics Fixがオススメです。
さらに、「ロード自体の処理を最適化する」ことでロードを爆速にするLong Loading Times Fixというものもつい最近リリースされたようです。(十分に試せていないので自己責任でお試しください)

《Boston FPS Fix / Fo4FI_FPS_fix》

Scrap Everythingの項目で散々触れたPrecombineを改善してパフォーマンスを向上させるMODです。
残念ながらこの2者は更新停止してしまっているため、Previsibines Repair Pack (PRP)が鉄板です。現在も活発にアップデートされているだけでなく、PRPに適用させるための互換パッチも非常に多く出ており快適に環境構築ができます。

《Visible Weapons - 3rd Person Holster / Working Visible Weapon》

Fallout3 / New Vegasのように、「装備しているが構えていない武器」を背中の後ろに背負わせるMODです。
前者は背中に装備させる用にメッシュとパッチを用意する必要があります。後者はパッチいらずで、MOD武器でも自動的に背中に装備させますが、武器が彼方に飛んでいくなどのバグがあります。
後継としてはClassic Holstered Weapons System (CHW)があり、機能的にはWorking Visible Weaponに近いですが、背中に背負う位置のリアルタイム調整が可能です。ただしクラッシュの危険があるなど若干動作が不安定な点には要注意です。

《Rusty Face Fix》

ロード時などに顔が突然黒くなる「顔黒バグ」を直すMODで、特にオシャレに興味のない人でも入れている人は多いのでは?というぐらいの定番MODです。
この機能はそのままに、MCMでより多彩な設定のできるRusty Face Fix Redux 2022が出ていますので、乗り換えるのが面倒な人でなければそちらの利用をオススメします。

《HiPoly Faces》

キャラクターモデルの顔を高ポリゴンにするMODです。
こちらはRedux版が出ており、MCMにてリアルタイムに適用させることが可能です。(Rusty Face Fixの機能も同梱しているので、Rusty Face Fix Reduxとどちらかだけでもいいかも)

《New Calibers》

弾薬(口径)追加MODで、デザートイーグルの.50 Action Express弾やAK74の5.45x39mm弾など、バニラにない口径を追加してより実物に近い感覚で銃器を楽しめるMODです。
これに収録された弾薬に対応させるパッチも非常に多く作られており、特にNew Calibers自体に問題があるわけではないですが、単純に更新停止しており古くなってしまっているため、より新しいCALIBER - COMPLEXに対応するMODの方が最近は多いです。(個人的にはH&K MP7の本来の使用弾である4.6mm弾が収録されているのがポイント高いです)
ただあまりにも多種類の弾薬が追加されていて肥大化気味ではあるので、そこまで大量に追加しなくてもよいのであれば、最近はMunitions - Ammo Expansion Projectがかなり勢いのある後継MODと言えます。


以上、あえて「オススメできないMOD」について紹介させていただきました。

繰り返しておきますが、この記事の目的は特定のMODないしその作者さん・愛用しているユーザーさんを批判・否定することではありません。

分かって使う分には問題ないと思います(私もあえて人はオススメしないMODとかツールを使ってることもあるので)。
ただ初心者さんの中には、古い情報を見て「人気のMODだからこれを使えば間違いない」と思って導入した結果トラブルに見舞われる人が少なくないため、そうした初心者さんをどうにか助けたいという一心で執筆したものになります。

ここに書かれた情報が少しでもお役に立てたなら幸いです…!


更新履歴

2023/08/15 【その他、後継MODを使ったほうがよいもの】に「New Calibers」を追加。
2023/08/13 「Enhanced Lights and FX」を追加。

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