目指していたロリィタになれたか。

目指すロリィタは、なんだったのか。

ロリィタには、ゴスロリ、甘ロリ、クラロリなど、色々な種類があります。
先日、街頭インタビューを受けたときに「今日は何ロリですか?」と聞かれて「私、何ロリだ!?」と、考え込んでしまいました。
そのときは、ぱっつん前髪を巻き、三つ編みにしていて、

Innocent Worldのマント(黒)、ローズステンドグラススカート(ヘッダーのもの)
Emily Temple cuteのジャケット(ピンク)
ハヤカワ五味さんの二兎タイツ
F i.n.t のストラップシューズ(赤)
MARCO BIANCHINIのショルダーバッグ(赤)
ユニクロのハイネック(白)

でした。
メインはロリィタメゾンだけど、適度な量のパニエ、小物はガーリー系?バッグはお姉さん向けだし、ユニクロも合わせちゃってる。この状態は、何ロリなんだろうか。
一応メインはイノワさんのマントとスカートだったので「クラロリです」と答えました。しかし、これは所謂正統派クラシカルロリィタではないのだと私は思います。私のイメージだと、クラロリって、もっと華やかというか、レースがふんだんにあしらわれ、フリルが凝っていたり、ボリュームがあるものだと思っています。
このとき原宿にいたのは、表参道にある、バナナフィッシュというアニメのコラボカフェに行く前に原宿でお洋服を見る、試着するのを目的としていました。なので、アクティブに動ける、脱ぎ着がしやすい、どんなワンピースやジャンパースカートにも合うシンプル中のシンプルなインナー、たくさん歩いても足が楽なパンプスという、どちらかというとカジュアルロリィタ的な役割を期待して着ていました。

心持ちとして、全く、クラロリではなかった…。

そして、一人で楽しく生きている私は、お茶会や新しくロリィタ友達を作ることがなく、自己紹介のために自分のファッションの種類について、あまり考えていなかったことも自覚しました。
とりあえず、ゴスロリではない、甘ロリでもない、カジュロリほどくだけてもいない…メインがイノワさんだしクラロリだな…と。

でも、そんな、カジュロリっぽいクラロリが、私は好きです。
私は、下妻物語を読んでロリィタを志しました。ロリィタの世界にいるうちに、自分がどんなロリィタが好きかと、自分がなりたいロリィタ像が違うことは、徐々にわかっていました。

言うならば「お嬢さんみたいなロリィタ」になりたかったのです。

少ないレースでも服のデザインが光る、上品なワンピース。Aラインやパフスリーブ、膝丈のスカートに、露出がほぼないスタイル。そういう服を着れる人間に、そういう服が似合う人間になりたかった。
だから、ロリィタのカテゴライズより、自分が着たい、自分の理想の服を組み合わせる方が重要で、自分がどの立ち位置にいるかは、大切なことではなかったのです。

自分がなりたいロリィタになる、そうして、13年の月日が経っていました。

イノワさんの落ち着いた色合いや上品な柄は飽きがこないので、10年近く着ているものもあります、ストリートスナップでかわいいなと思って憧れていたエミキュさんのお洋服に袖を通せる大人にもなりました。

好きなものを好きと言える、素直で強い自分になれました。

私が下妻物語を読んで真に憧れたのは、桃子ちゃんの「自分の好きなものを信じて突き進む姿勢」だったのかもしれません。彼女のようなロリィタ精神論派ではありませんが、私は私が大好きな服を着た自分が大好きで、それを自信を持って言うことができます。他の誰に何を言われようと、自分を信じることができるようになりました。

なりたいロリィタはなんだったのか。
それは、大好きな服を着て、胸を張って生きていけるロリィタでした。そして、わたしはそんな人間になれたと思っています。これから先も、なりたい自分にしてくれたロリィタへの感謝を忘れず、かわいいお洋服たちと一緒に生きていきます。


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