「東大卒業後上場ベンチャーを経てニートライフに目覚め啓蒙活動を推進」前編 ニート研究家 今林淳さん
●ご挨拶と出演者紹介
三木:本日マインドフルビジネスストーリー第196回です。私株式会社enmonoの三木と申します。本日はニート研究家の今林さんにご自宅からZoomでつないで参加していただいております。本日はよろしくお願いします。
今林:よろしくお願いします。
三木:今林さんは我々のzenschoolでイノベーションを起こす学校の殿町バージョンにご参加いただいて、ニート研究家ということで色々と楽しい時間を過ごさせていただいたんです。非常にライフスタイルというか生き方が面白いので、今日はこのコロナの時代にニートとしていかに生きるかというお話を伺っていきたいです。
●enmonoとの出会いとzenschool殿町を受講して
三木:今林さんと私達の出会いはzenschool殿町かと思うんですけども、zenschool殿町に申し込んだきっかけは何か教えていただければと思います。
今林:幸福学の前野先生がシェアされていて飛びついたのがきっかけでした。
三木:どの辺がポイントだったんですか?
今林:以前から知り合いが行っていたので「いいな」と思っていたんですよね。ちょうどいいタイミングだったので「今だ!」と思って申し込みました。
三木:色んなセミナーがあるじゃないですか。何でzenschoolがピンと来たんですか?
今林:外側から何かを教えてくれる場所ではなく、自分の内側から何かを生み出す場所ってあまりないなと思ってたので、そういった事をやっているzenschoolにすごく共感しました。
三木:ありがとうございます。実際に受講してみたらどんな感じでしたか?
今林:受講したら「あ、俺がやるべきことはニートなんだ」と、とてもよく分かりました。そしてその背中を押してもらった感覚ですね。大切なものは足元にあったみたいな。
三木:まさに禅の脚下照顧という言葉がありますが。
今林:そうか。そういうことですね。
●今林さんがニートになるまでの経緯
三木:今林さんがニートになるまでの経緯をちょっとお話いただきたいです。
今林:東京大学を卒業後、2年間ベンチャー企業でバリバリ働いていたんですが、ちょっと不感症になってしまって…
三木:何に対して不感症になったんですか?
今林:僕のバイブルの『アルケミスト』という本があるのですが、社会人3年目の春に読んだ時に全く心が揺れないまま最後のページまで読み終えてしまって、「あれ?何か感動とか何もないぞ?」となりまして。
三木:どういう本なんですか?『アルケミスト』というのは。
今林:自分という人生の旅に出ようみたいな本ですね。
三木:結構哲学的な感じの本ですか?
今林:そうですね。とても哲学的だと思いますね。
三木:それを大学何年生ぐらいの時から読んでたんですか?
今林:大学5年生の時ですね。
三木:(笑)。それでその本を読んで自分が何も感じてないことに衝撃を受けたみたいな?
今林:そうですね。それでその会社を離れようかということをその時ぐらいから考え始めて。
三木:不感症になってしまった経緯をもうちょっと聞きたかったんですけど。
今林:僕ビジネスが嫌いじゃなかったんですよね。だから身を粉にして働いてしまって。
三木:ベンチャーか何かにいたんだよね。
今林:そうです。バリバリ働いていいたんですけど、心がついてこなかったみたいで。それもあまり気づかずに働きまくった結果、不感症になったと。
三木:燃え尽きたみたいな?
今林:そんな感じかもしれないですね。社内の表彰制度でMVPを獲った時に「あ、もうこれでいいや」っていう風に僕の中では…
三木:それで燃え尽きてしまってもうヤバいなみたいな感じで、ある日突然みたいな。
今林:そんな感じです。
三木:辞表を出す感じなんですか?すぐに。
今林:そうですね。もう「辞めます」とだけ言って、その後どうするかは全く決めてなかったですね。
三木:それで手元にあった貯金を頼りにニート生活に入るわけですね。
今林:そうですね。ニートになって翌週にはヴィパッサナー瞑想に行ってました。
三木:千葉のほうに行ったんだっけ?
今林:そうです。退職後の予定はヴィパッサナー瞑想以外は何も決まってませんでした。
●ヴィパッサナー瞑想を体験した後の変化
三木:ヴィパッサナーの中の体験はいかがでしたか?
今林:言葉にできない体験をしました。神秘体験というか、自分の過去が浄化されていくプロセスをとてもリアルに肌で感じました。
三木:始まる前にあらかじめ説明はあるんだけど、それが起こると…
今林:想像を絶しますよね。行かないと絶対分からないと思います。
三木:その中で色々湧き出てきたことがあったんですね。
今林:僕は父に15年くらい会ってなかったんですけど、その父の記憶がヴィパッサナーの一番最後の瞑想で突然こみ上げてきて。それで涙が止まらなくなって、自分の根幹となるメンタルモデルが父への恨みで形成されてることを知りました。それから半年間かけて自分自身と対話し、半年後に父と再会して親子に戻る儀式みたいな事をしました。
三木:何かそれいいですね。熱い抱擁みたいな感じですか?
今林:そうですね、お互い号泣しながら15年間溜め込んでいたものを全部出すような時間でした。
三木:そのニート生活に入って直後のヴィパッサナー瞑想はその後の生活に色々影響を与えたんですね。
今林:100%影響を与えてますね。予定はそれしか決まっていなかったので。
三木:大体世界の色んなリーダーでもヴィパッサナー瞑想に行ってから目覚めてリーダーになる人が多いんですけど、例えばハラリさんっていう『ホモ・デウス』とか『21世紀の人類のレッスン』を書いた方がいらっしゃいます。
また、トランステックというテクノロジーで人の意識をアップデートさせるっていうカンファレンスのコファウンダーのニコルさんっていうアメリカ人の女性も「何でこの業界に来たの?」って話してたら、元々ゲーム業界でイケイケのマーケターだったらしいんですけど、京都のヴィパッサナー瞑想センターに行って10日間座ったら、「ゲーム売ってる場合じゃないよ」みたいな。
今林:本当あれは人生を狂わせますよね(笑)。
三木:普通の人生が狂ってて、その人が持ってる方向に自然に戻してあげるという。
宇都宮:すごいね。普通の人生が狂ってるって(笑)。
三木:たまたまその人生がその人のやりたい方向だったらそのまま大きな木に育っていくと思うんだけど、嫌々やってることだったら良い木にならないじゃないですか。
今林:なるほど、そうかもしれませんね。
三木:僕も狂ってたのを治してもらったっていう(笑)。本当に資本主義の権化みたいな働き方を僕もしてて、でもリストラをされたことで禅を始めてリハビリに10年かかりましたからね。今林さんとかいいですよね。1年半ぐらいでリハビリが…まだリハビリ中かもしれないけど。相当頑固に固定概念としてお金を他人と争って獲得するみたいな意識が埋め込まれてしまってるので。
宇都宮:中学、高校から始まってるもんね。競争は。
今林:自分が産み落とされた時からこの社会システムがあるので、それに染まって生きてくるんですよね、そういうのを洗脳って言うと思うんですけど。
宇都宮:親とかご先祖様から引き継いでますもんね。
今林:そうそうそう。そうなんです。
三木:競うとかそういう思考を取るのに10年ぐらいかかりました。毎日座って10年かかるぐらい強烈な洗脳なんですよね。でもようやく元に戻れて良かったです。
今林:僕も戻れたかどうか分かりませんが良かったです(笑)。
●ニート・ホームレス生活とニートビジネス
三木:ヴィパッサナー瞑想後は、どういうニート生活を始められたんですか?
今林:ヴィパッサナー瞑想後から旅を始めました。北海道から九州まで本当に色んな所に行って、ヒッチハイクしたり何なりで旅をして、色んな人達と夜な夜な語り合いました。そうしたら、4ヵ月で貯金を全部使い果たしちゃいました。120万ぐらいかな。
三木:1ヵ月30万ぐらいか。普通に生活してたらそれぐらい使うもんね。
今林:そうなんです。そこからホームレスになったと。去年の3月1日からホームレスで7ヵ月間。ちょうど、zenschoolの数日前に家を獲得した感じですね(笑)。
三木:zenschoolの申し込みにニートって書いてあって(笑)、これをお受けするかって事務局に聞かれたんですけど、「いや、大丈夫です。いいんじゃない?」とか「それくらい多様性なんで」って言って。
宇都宮:そういうのが大好物なので。
三木:「色々なご意見が必要です」みたいな(笑)。でも来ていただいて本当出会えて良かったと思って。
今林:僕も良かったです。zenschoolの他の仲間ともすごい仲良くなれて。高橋さんのいる藤野には3回ぐらいその後行ったんです。
三木さん・松本さん・若子さんは我が家に遊びに来てくれたし、三木さんの家にも遊びに行ったし。公私共々ありがとうございます。
三木:zenschoolっていわゆるセミナーとは違うんです。共同体的な共に人生を作っていく仲間を見つけるみたいな。
宇都宮:少なくとも競ってないですよね。
今林:そうですね。いとこみたいな感じですね。親戚みたいな。
三木:より自然なほうに流れていくっていう感じですね。基本は無理しないでその人が持ってる本質をそのまま引き出して、それが自然な花になって木になっていくみたいな…
今林:ニートビジネスですね。
三木:ニートビジネスって言うの(笑)?
宇都宮:相反する概念じゃないですか。ニートとビジネスって。
今林:統合できます。それは。
宇都宮:アウフヘーベンですか?
今林:はい。可能です。
▶後編に続く
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