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【ウイスキーを楽しもう】キルホーマンから始まる山手線ゲーム

ウイスキーが好きです。業界外の人間として、14年間勉強してきました。2012年にウイスキー検定4級(ウイ文研がスコ文研だった時代に受験)までは取得しました。ウイスキーをより多くの方が会話のコンテンツとしても楽しめるような世界になれば面白いと思い、よく私がしているウイスキーのゲームを紹介します。


ルール

標題とは異なり、山手線ゲーム(古今東西)とは全く関係がありません。シングルモルトウイスキーの風味や出自を捉えた上で、ウイスキーを駅名で例えるゲームです。

・参加者が理解できる駅名であれば地域は問わない(海外も可)
・廃蒸留所、廃駅でも構わない
・シングルモルトのオフィシャルのスタンダードのみとする(ボトラーズやオフィシャルの別バージョンはバリエーションが多すぎるので使用不可。ブレンデットは私があまり飲まないので使用不可。)
・他の参加者と意見が違っても構わない、尊重する
・なぜその駅を選んだかが評価対象
・勝ち負けはあってもなくても良い

ゲームというよりは、会話のコンテンツですね。参加者がゲームを通じて、ウイスキーに興味を持ち、お互いのことを知れたら、それでオッケーです。

異論はあるかと思いますが、ゲーム製作者の私から、一例をご紹介します。


有楽町 『クラガンモア 12年』

東京のど真ん中。ただ東京駅とは少し違い、交通会館など歴史ある建物も依然として存在感を放つ、昭和の面影が残る都会、有楽町。クラガンモアの「あたりは強くなく多くの人を受け入れることが可能で、人工的で整っているけれども少し懐かしさのある(良い意味で古臭い)はなやかさがある」ところが高度成長期と一緒に発展してきた有楽町らしいなと感じています。

山の手線沿線は、比較的どのモルトバーにもあって多くの人が目にするシングルモルトが良いなと考えます。スペイサイドは蒸留所も多く、柔らかで華やかなイメージのものが比較的多いので多くの人が行き交う中心都市のイメージがあります。

もともと有楽町は戦後長く闇市が広がっており、イメージの刷新が課題のエリアだったようです。1957年にそごうが関西から東京に進出する際に「有楽町で逢いましょう」(フランク永井、1957年)をイメージソングとして起用し、銀座と同様に優雅にショッピングをする街としての印象を押し出していきました。東京オリンピック(1964年)の際には、闇市をベースとした飲屋街が広がっていた有楽町駅東口の景観やレジリエンスが問題となり、解決策として1965年に東京交通会館が建てられました。

クラガンモア蒸留所は、比較的スペイ側の上流にあり、スペイサイド地域の南側に属します。創業は1869年と比較的古くからある蒸留所です。創業者はジョン・スミス氏、今はディアジオが株式を保有しています。オールドパーやホワイトホースのキーモルトとしての生産されることもあります。一般的なテイスティングノートとしては、フルーティな華やかさなどがあります。


渋谷 『キルホーマン マキヤーベイ』

常に新しく生まれ変わり、いつの時代も(田舎の)若者が集まり、若者文化の発信地であり続ける渋谷。キルホーマンの「蒸留所としては若いが周りを十分に納得させられる芯の通った麦のコクと強さがあり、待望のアイラ最新蒸留所の名前を活用して様々なコラボを続けながら短期間でマーケティングに成功した」点が、若者を引き付けるキラキラした上澄みと平安時代から人々が住んできた歴史の沈殿のある渋谷を感じさせます。

山の手線の駅には、たいがいのモルトバーにオフィシャルかなんらかのシリーズが置いてある蒸留所をあてたいところです。アイラ島は言わずと知れたピート香とストロングさが特徴の尖ったエリアでありまたシングルモルトの入り口となることも多いので、かつて各私鉄の上りの電車の終点であることが多かった駅(いまは伸長しすぎてとんでも無いことに)にはぴったりかと思います。蒸留所は少ないですが、それぞれ個性があるので、インパクトのある駅に持って来たいですね。

現代では若者の街という枕詞がつきがちな渋谷は、江戸時代には江戸からだいぶ離れた田舎の農村でした。キャットストリートあたりは隠田村と呼ばれ、暗渠化された渋谷川沿いに田畑が広がっていたようです。渋谷といえばセンター街ですが、センター街の下も暗渠化された川が今も流れています。恵比寿方面に向かって行くと、左手の青山学院あたりの土地が高くなっています。ここには平安時代に渋谷城という砦があり、今では金王八幡宮となっています。谷であるのでグレン系を選ぶもの良いかもしれません。いまは東急が大開発を進めています。

キルホーマン蒸留所は、アイラ島の西の端にあります。2005年に創立し、ファーストリリースは2008年でした。家族経営の小さな蒸留所で、少し前までは創業者の3人の息子さんたちがアジアを手分けして巡って新作の発表会をしていました。いろいろな企業とコラボしており、どれがスタンダードかと決めづらいところがあります。全原料・全行程がアイラのものだと言うのもファンを惹きつけて止まない点でしょう。


まとめ

酒が飲めない世界になりましたが、本来酒自体に罪はありません。節度よく飲む姿勢が、日本のバー文化を支えます。早く飲みながら会話を楽しめる時がくると良いですね。


参考にしたサイト
ウイスキーを好きになるメディア|Barrel-バレル-

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