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みんな気がついて!少子化対策の罠 (vol.2)

少子化対策に関して、違和感があるので、少しづつ調べてます。

例えば、内閣府のHPにはこんなことが載っています。

Q6 少子化対策に成功している海外の事例はありますか。?

で、そこにこんな図があります。

第3章 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_6.html


これだけ見ると、日本は、少子化対策に成功している国に比べて、現金給付の割合が高く、現物給付の割合が低いから、現物給付を増やしたらいいのではないか?
というように読み取れます。

しかし、私たちが現場で感じるのは、圧倒的にお金がない、現金給付がない。特に子どもが高校生になってからの現金給付が全くない、という状況が、家庭の大きな負担になっています。
低所得家庭の子どもは、高校段階からアルバイトとして労働しなければ、人並みの高校生活を送れないのです。


本当に現金給付が少ないのか?

ここに、もう一つのグラフがあります。

主要国の家族政策と家族関係社会支出の国際比較https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/priority/kihon/k_2/19html/s1.html

各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較です。
総額でも日本は非常に少ないのですが、これを現金給付だけにしてみると以下のようになります。

キッズドア調査室作成

そもそも現金給付が他の国に比べて非常に少ないのです。
上の図表3−1−6家族支出(現物給付・現金給付)の構成割合%で比較しているフランスやスェーデンと比べると、日本はフランスやスェーデンの5分の1以下しか、現金給付がありません。

低所得家庭ではエンゲル係数が上がるように、そもそも総額のパイが少ない中では、諸外国に比べて大幅に少ない現金給付の問題が隠れてしまっているように感じます。
現金給付の割合が高く現物給付の割合が低いから、少子化対策の成果が出ないのではなく、家族関係支出の総額が圧倒的に少ないので、少子化対策の成果が出ていないということを見誤ってはいけません。

まずは、現金給付をせめて、諸外国並にする。

それが最優先ではないかと思います。