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【日記】母が詐欺に遭いました

(1695文字)

久しぶりの日記。
GW前から休みなんだか分からない日々を過ごしていた。

ハワイに住んでいる妹夫婦が2週間の休みをとって帰省した。
妹の旦那が魚介類が好きなので、塩竈の市場で毛蟹や牡蠣を仕入れて埼玉に向かったのが23日の午後。
その日、妹夫婦は朝から友達に会いに出かけていた。
ボクが夕方に到着するまでの間に、母が詐欺にあった。
良くある、銀行のカードを取り換える必要があるというアレ。

母は割と用心深く、オレオレ詐欺を疑うような電話がかかってくるとすぐに切る。
ボクが家の電話にかけて時も、何回か切られた。
それに、儲け話や、得をしますよというような、例えば還付金とか、そういう詐欺にも乗らない。儲け話=怖い、と思っている。
ところが、銀行のカードを交換するという詐欺の手口は知らなかった。
詐欺に気を付けろと言ってはいたけど、そういう詐欺があると具体的に説明していなかったボクも迂闊だった。
さらにタイミングが悪すぎた。

母は、持ち物を整理しているところで、テーブルの上に銀行のカードなどを出していた。
そこに電話がかかってきた。
カードの書き換えが必要なので、担当者が取りに行くという。
電話の主は伊藤と名乗り、店をやっていた古くからの知人も知っているようで、母はそれで信用してしまった。
その電話の最中に、受け子はやってきて、どのカードが該当のカードかと迷っている間に、「それもです」と言って、ふたつの銀行のカードを持ち去った。
この間、ほんの二、三分だと思う。
母は、カードを渡した後、なんかおかしいと思ったらしい。
すぐに新しいカードを持ってくると言われ、少し待ったけど持ってこない。
これは詐欺だと気がつき、銀行に電話して止めるまでに30分ほど。
しかし、口座にあった現金は既に引き出されていた。
不幸中の幸いというか、二つの口座を合わせても8万円という、比較的少ない被害額で済んだのと、100万単位で入っていた定期預金は無事だった。

母は、カードの暗証番号をカードに書いていた。
ダメだと言い、何か他の紙に書いて別の場所に入れておくように言っていたんだけど、そのカードの番号をすぐに消さなかったボクも危機感が薄かったのだと思う。
これは非常に反省するところだった。

その後、母と一緒に銀行に行き、口座を変えたりなどの手続きに時間を費やし、さらに警察へ。
最初に警察に行くべきだったと思うが、やはり定期預金が本当に無事か心配になった。
銀行と警察で、母は同じことを聞かれた。犯行の内容だ。どういう男から電話がかかってきて、どういう男が取りに来たか。
そして、電話の内容はどうだったか。
しかし、母の話はなかなか要領を得なかった。
まず、○○信用金庫の職員だと思ったというが、○○信用金庫と名乗ったかどうか。
共通の知人は雑貨屋を営んでいたが、その雑貨屋の店名を言ったかどうかなど。
「あれー、どうだったかな」と首をひねる母に、担当刑事が「そういうものなんですよ」説明した。

まず、相手はどこの銀行かは言わない。
「銀行の者です」と言った時に、母は持ち物の整理をしていて、○○信用金庫のカードを出していたので、おそらく「○○信用金庫ですか?」と言ってしまい、相手がそれに合わせて「そうです、○○信用金庫です」と言ったのだろうと。
さらに、雑貨屋の店名を言わなくても、母が勝手に付き合いのある雑貨屋だと思ったのだろうと、担当刑事は言った。
犯人は上手く相手から情報を聞き出して、それに合わせて話を進めていく。
なので、後から思い出そうとすると、記憶が曖昧になってしまうのだという。
それを防ぐには、こちらから一切の情報を言わないことだ。
それとやはり、新手の詐欺の手口などの情報は常に伝えておくべきだったのだろう。
その後、現場検証で家に鑑識の人たちが来たりして、一日中バタバタしていた。

母は86歳で一人暮らし。
健康面でも不安になるけど、こうした詐欺の被害も心配しなければならないとなると、やはり年寄りの一人暮らしは安心できない。
一度詐欺の被害に遭うと、忘れた頃にまたやってくる確率が高い。
みなさんも気をつけて、この機会にご両親や親戚といろいろ話をしてみてください。

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