西洋文化に感じる怖さを考えていたら日本の女性の立場について考えていた

キリスト教圏ってこわーい。最近その感情を持つ頻度が増えた。この素朴で乱暴な感情を文章化しておこうと思った。

中学生の頃指輪物語を読んで、ゴクリ(ゴラム)の扱いの酷さに衝撃を受けたものだ。西洋人(あえてこの雑な表現を使う)の奴隷に対する扱いの一端を見た気がした。ゴクリだって私からしてみれば、愚かで醜く危険だろうがあくまで「人」なのだが、フロドとサムにとっては人(というかホビットか)以下の存在なのだな、というのが見て取れた。つまり奴隷だ。きっと、奴隷の扱いがこうだったのだろうと思った。トールキンがどういう人物だったのかは知らないが、自分たちと同じ人間に対しても(同じ人間だとそもそも思ってなかったのだとは思うが)、あそこまでひどい扱いをしてもそれが当然であるというような意識は持っている人だったのだろう(それはそれとして指輪物語は面白い)。これはハリーポッターのドビーも似たような感じに思えたので、現代でもそんなに変わらないのではないか(ハリポタは映画しか観ていない。原作ではもっと深くつっこんだ描写があるというツイートは見たことがある)。

コロナ禍、欧米でのアジア人差別がとても明らかになって表れた。なんだ、こいつら今でもこんなものなのか、と思った。まあいろんな言動行動の辻褄のあわなさを考えれば、納得であって、特に不思議はない。私の認識は、どんだけポリコレとか言っても、西洋人の中には「自分達と違う宗教(イスラム教やユダヤ教は同じの括りに入ることも多いようだ)を信仰していたり、黄色人種であったりする人間は、自分たちと同じ人間ではない」と思っている人間が、結構多い、というものだ。いや、単に「黄色人種は同じ人間ではない」でいいのかな。この認識は(間違っていなければ)今後も明確にして持っておくことが必要だ。相手がこちらを対等だと思っていない、というのは、何かコミュニケーションをとるときの対応に非常に大きな影響がある。そしてこちらを人間ではないと思っている人間を相手にするのは、単純に怖い。

LGBT運動、この苛烈さは、西洋の同性愛嫌悪や同性愛者迫害の苛烈さの裏返しだった。海外では同性愛者というだけで普通に迫害され、命の危険まである。同性愛ということにしたくないから「トランス」という概念を持ち出し、異性愛であるという形にする、という思考回路もあるのだと聞いて、これも納得だった。キリスト教圏だとトランスの方が同性愛より受け入れやすかったりするらしい。日本は同性婚こそ認められていないが、普段の生活で「迫害」されるようなことはまずないのではないか。宿泊施設でも、職場でも、同性愛を理由に不当な扱いを被るということがあるだろうか。婚姻関係を結べないことによる手続的な不利益、相続的な不利益は当然改善されるべきだが、これは迫害というより制度の不備だと思う。日本における性的少数者の迫害は、強いて言えば他の性的少数者からレズビアンが迫害されているという認識だ(同性婚についてはパートナーシップ制度を拡大して友人関係や異性婚も含んでしまえばいいのにと思っている。性愛を基準にする意味がよくわからない。子供がいる家庭を保護するなら子供を保護する法律があればよい)(トランスについては概念自体が女性差別なので一旦概念を解体するべきだ)。科学的根拠みたいなものもなく、本人にはどうしようもないことをそこまで嫌悪・迫害してしまえる文化は単純に怖い。

イスラエルによるパレスチナ侵攻、これはユダヤ教の撰民思想の恐ろしさをみせつけられた。ユダヤ教徒の中にも反対している人々がいることは認識しているが(特に超正統派がそうというのが興味深い)、国がそのように動いていることは事実だ。ドイツもホロコーストを反省しているわけではなかった。ユダヤ人は立場が変われば同じことをする人々が多く含まれていた。過去の日本人も戦地で散々酷いことをやったことは知っているつもりだし、現代日本人も、環境が整えば当時と同じことをするだろうことは想像できる。しかし、少なくとも、生まれ育った環境によって強固に植え付けられた宗教上の正義感や嫌悪感を根拠にそういうことをする人間はほとんどいないだろう。もっとインスタントな感じの、薄っぺらい根拠や同調や衝動的に近い感情でそういうことをすると思う。どっちがマシかというと何とも言いにくいが、後者の方が外部の力とかでなんとかなりそうな気がして、底力みたいなのもあんまりなさそうだし、マシなのではないか。宗教は他人の人権を肯定的な感情を持たせたうえで簡単に踏みにじるので、マジな方が怖い。

多分、日本人は、人種や宗教が違う人より、むしろ女を人間だと思ってない人間の方が多いと思う(松本仁志の件でガレソ氏がやってたアンケートを参考にすると、男性の2/3、女性の4-5割。女性の方は実際はもう少し少ないのではないかと思っている)。日本において女性は、特に立場の弱い女性は迫害されていると思う。日本人は、自分たちのために海外の男へ自国の女を差し出すまである。西洋でもあるのかもしれないけど、私は知らない。女としては女を人間だと思ってない社会は怖いのだが、その中で生まれ育っているので知らない社会の方の怖さが際立って感じる。そして海外の女性の扱いのマシさは、奴隷がいたことで家事労働などを奴隷に押し付けることができたからだという言説をついったーで見かけたことがある。奴隷のお陰でマシになる女性の地位というのもどうなんだ。代理出産も、代理母やその子供という奴隷階級の人々を犠牲にして女性としての自分の被る不利益を回避しようとする行動だ。許しがたい。奴隷を欲しがる文化怖い。その点は日本もそんなに変わらんか。自国の女を使おうとしているだけで。

あー。日本も怖いな。女にとっては。日本の良さを損なわずに女の扱いをマシにする方法があるといいなと思っている。それは置いといて、上に挙げたことを「西洋文化に対して日本がマシであると思える点」としてまとめてみると、
①奴隷階級というものを自分達以外の属性に対して必要としていない。
②同性愛差別は相対的にはかなりマイルド。
③「人間とみなさない」レベルでの人種差別、宗教差別はほとんどない(入管の問題はあったが)。
④宗教の熱心な信者であることがマイノリティである。

日本にはダメなところもたくさんあるけれど、人権に関して上記四点は結構重要なことなんじゃないかな。女性の犠牲で成り立っている部分があるとはいえ、それは今後改善できる余地がある。

日本の女の幸いだったのは、人口の半分を占めていて、かつ選挙権があることだな。女性の声を聞く政党が女性の手で立ち上げられたらいいのだが。。。

宗教と人権の関係も考えたいな。宗教と人権て相性悪いよね。

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