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スケッチアップの光源を自在に操ろう!
スケッチアップは、光と影の表現がとてもキレイです。特に落ち影は、壮絶なまでの美しさ。
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ただ、いつもこんな理想的なライティングができるかというと、そうでもありませんよね。思ったところに光源が来ず、全体的に影になってしまったり。
というお悩みを、少しでも解決したいかたに、このnoteをお届けします。
スケッチアップの光源は日付と時間
クリップスタジオの3D素材や、blenderなどの3D素材を使ったことがある方なら、光源を扱ったことがあるでしょう。こっちから光!と、わりと直感的に使えますよね。
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しかしスケッチアップには、その光の玉が見当たりません。そう、スケッチアップはそういう光源の考え方ではないのです。
日付と時間帯を決める
スケッチアップは、日付と時間帯を入力することで、光源の位置を決めることができます。
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おそらく、建築系のソフトであることが大きいのかなと思います。夏の正午、冬の朝、窓からどのように光が入ってくるかなどのシミュレーションが、リアル時間を入れれば再現できるというのは、ある意味便利ですよね。
しかし私たちは、その建築ソフトを、こともあろうに漫画の背景に使おうとしている者たちです。光源はもっと、自在に操りたいですよね。
まず、少し光源をいじる前に、そもそも北ってどっちだ!?ということから。
素材の「北」の調べ方
北がどこにあるのか分からなければ、ざっくりとした光源も分かりません。北を確認しておきましょう。
北を確認するには、このボタンを押してみます。
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その時向いた方向が、真北です。覚えておきましょう。この素材だと、窓は南側にあり、入り口は東のようです。
北がわかれば、ざっくりとした光源のコントロールは可能です。光源を真上に近いところに起きたければ、季節は夏、時間は昼頃にすれば良いのです。長めの影が欲しければ、冬至の頃の、朝か夕方。
北がどちらか知ることで、ざっくりとした光源をコントロールすることが可能です。これで望む光源が得られれば、大丈夫!
ただ、南側の壁を明るくしようとすると、難しいです。
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普通の方法ではできません。しかし、どうしてもこの窓に順光を当てたい場合、思いつくのは素材全体を回転させ、窓を北側に持ってくるという力業くらいです。
でもやはり、素材を動かすのではなく、光源のほうに動いてもらいたいものです。次に、太陽の位置を自在に操る3つの方法をご紹介します。
太陽の位置を自在に操ろう
日本に住んでいると、北に太陽が来ることはありません。しかし、南半球なら、太陽は東から昇り、北を通って西へ落ちます。
北に太陽が欲しいのでオーストラリアに移住しよう
なんとスケッチアップ、移住できます!ですので、オーストラリアへ行ってみましょう。
ウインドウ→モデル情報
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ダイアログが出てくるので、ジオロケーション→場所を追加
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地図が出てくるので、オーストラリアまで移動します。
![](https://assets.st-note.com/img/1706167049598-oWK0Z8tZjv.png?width=800)
もう少し拡大すると、グレーアウトしていた「地域を選択」がクリックできるようになるので、クリック。
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さらに拡大すると、「インポート」が押せるようになります。
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インポートを押すと、少しのロード時間の後、使っていた素材に、グーグルマップのスクショみたいなものが追加されます。
スクショはめっちゃ大きいです。中央に小さく見えているのが、今まで使っていた素材です。
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しかし、今回はスクショは要りません。タグの「Location~~」の目玉マークをクリックして、非表示にしておきましょう。
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これで、北からの光が得られました!
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しかし、正直言って、かなり面倒ですよね…。実践向きではありません。ちょっと光源を変えたいだけなのに、オーストラリアまでいかなくてはならないなんて。
次は、もっと実践向きの方法です。
WEEXを使う
私が、ちょいちょい推しているWEEXの話です。WEEXは、欲しいカットを自動的に大量ストックして、寝ている間に出力するという、超強力ツールです。
それ以外に、私がめちゃくちゃ使っている機能があります。それが「向いているほうを北に」です。
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翻訳してみると、こんな感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1706168062232-zKQGinCMQt.png)
このボタンをぽちっと押すと、今自分が向いているほうが北になります。時間を昼頃にしていれば、後ろから光が注ぐ、つまり順光の状態になります。
実際に素材が向いている方角は関係なく、即時、順光が得られます。
少し時間や日付をずらすと、何も考えなくてもいい感じの陰影が得られます。
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私はいつも、だいたい春の昼下がりくらいに設定しています。その状態でNを押すと、クリスタでこのくらいに設定した影が得られます。
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一番汎用性が高く、立体感が出やすいです。
春の昼下がりに設定して、Nマークを押したところ。
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正面の壁と、暖炉側の壁が影で区別されていて、いい感じに立体感が出ていると思います。
というわけで、WEEXを持っていれば、ワンタッチでいい感じのところに太陽を召喚できます。
次は、WEEXは持っていないけれど、同じような機能を使いたい!という方向けのツールです。
拡張機能を使う
スケッチアップの、拡張機能は使ったことがありますか?先ほどご紹介したWEEXも、拡張機能です。なかなか便利なものもあるので、一度のぞいてみることをおすすめします。
では今回は、方角を自在に操る拡張機能を入れてみましょう。
まずは、拡張機能から、Extention Warehouseを選択。
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すると、拡張機能ショップへ行けます。そこで、「solar」で検索。検索結果にでてくる「Solar North」を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1706237184073-quVYPXFwVS.png?width=800)
説明をサラッと読んで、インストールしてみましょう。拡張機能は有料のものもありますが、こちらは無料で提供されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1706168205711-RmU7JZxrrh.png?width=800)
このアイコンが追加されていれば成功です!
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見当たらない場合は、表示→ツールバーから、「Solar North」にチェックを入れてみてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1706238029705-iSUoueCeaS.png)
かるく、使い方をご紹介します。
まずは、右側のボタンを押してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1706238499363-BDudghANfD.png?width=800)
分かりやすいように、影のみを表示しています。時刻は夕方の設定です。
この拡張機能は、好きな場所に太陽を置くことができます。正確に言うと、北の軸を、好きな場所に設定できるという感じです。
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左側のボタンを押すと、今どの方向が北に設定されているのか、オレンジの線で示されます。
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WEEXを持っていればあえて入れる必要もないかな、という印象もありますが、太陽を操るにはこんな方法もあるということを、知っておいてください。
さてここまで、光をいかにして操るかをご紹介してきました。WEEXの「N」ボタンや「Solar North」などの拡張機能を使えば、かなり自在に操作できることが分かりましたよね。
しかし、これだけ気合を入れて光の設定をしても、何もかもを無に帰すあいつがいます。そう、天井です。
採光の邪魔になる天井を光貫通仕様にする
せっかくステキな光源を手に入れても、四方を壁に囲まれ、上を天井にふさがれてしまえば、そもそも太陽の光は入ってきません。世知辛い世の中です。
いい感じでも…。
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天井を乗せたら、全部影に!
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すべてが影に入ってしまうと、凹凸の表現ができず、のっぺりとした印象になってしまいます。これでは楽しくありません。
解決方法は簡単です。壁や天井は、基本的に非表示にすれば良いのです。
しかし、採光のために非表示にしたい壁や天井が、画角に入ってしまう場合は困ります。
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しかし赤だと、天井も入れなくてはならない。
でも大丈夫。「太陽光が天井を貫通する」という、めちゃくちゃ現実離れした設定が可能なのです。
天井を選択して、「エンティティ情報」を見ます。
「切り替え」の一番右にあるアイコンをクリックしてみましょう。
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すると、太陽光が天井を貫通します!まるで天井などないかのように、光が降り注ぎます。うれしい。
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こうなってくれれば、この赤い範囲でコマが取れて安心です。
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ただ、下の図の丸で示した通り、この斜めの影はどこから来てるんだ?という疑問は若干残るので、クリスタ上でふわっとぼかすか、左の壁は非表示にするか(上の赤い範囲なら、ギリギリ非表示でもいけそう)、左の壁も光貫通タイプにするか、いずれかの方法がおすすめです。
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この、光貫通タイプの天井、購入した素材にデフォルトで設定されている場合もあります。親切…。
しかし、もし設定されていない場合は、このようにエンティティ情報から設定すれば大丈夫です。
四つ葉が思う、影の役割
さてここまで、欲しい場所に太陽を召喚するために、方角を強制的に変えたり、天井を光貫通仕様にしたりと、ずいぶんと横暴なことをしてきました。
ここで、ちょっと語りです(このあとには、有益なツールの紹介などはもうないので、ここで閉じても大丈夫です)。
私は、「光と影は正しい位置になくていい」と考えています。物理的に正しくなくても、漫画的に気持ち良ければ、それでいいのです。
影の役割。それは、
立体感の説明
情報量の底上げ
雰囲気づくり
この3点だと思っています。
まず、全体の立体感を説明するために、極端な順光や逆光、真上からの光は使いません。凹凸が出にくいからです。ちょっと斜めから、光を当てるようにしています。
そして、情報量のバランス。
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![](https://assets.st-note.com/img/1706241804810-oTz06Y195K.png?width=800)
上のAとB、同じ場所ですが、光源は逆です。Aは左上から、Bは右上から光が来ています。向いているほうが北だった場合、Aは午後、Bは午前。
しかし、”正確に”どちらに太陽があるか、というよりは、私は「ほしい絵」を選択します。
Aのほうは、左側の情報量は控えめ、椅子がちょっと目立ち、右側はいいバランスという印象。切り取る場所によって、だいぶ印象が違いそうです。
Bのほうは、画面全体の情報量がいいバランスだなと思います。
最後に、「雰囲気づくり」
例えば、下のコマのライティングを任されたなら、どうしますか?
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私はたぶん、こうします。
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背景も、同じようにライティングしています。部屋の向き、時間帯にかかわらず、雰囲気的に右上に光がほしければ右上に、左上に欲しければ、左上に。
だから、光源にこだわるのです。
”正確に”どちらに太陽があればいいのか、という話なら、同じ部屋、同じ時間だったら、光源は同じ場所にあるはずです。コロコロ変える必要がないので、いったん決めてしまえば、ずっとそのままでいいのです。オーストラリアへ行きっぱなしでいい。
しかし、漫画の演出としては、光源は常にキャラクターの心情に寄り添います。コマによって(大きな矛盾がない限り)、光源が変わるのです。
私はこういう考え方なので、よりインスタントに光源をコロコロ変える方法を、日々模索しています。
以上、語りでした。これは、私の個人的な考えですので「ほーん、そんな考えのやつもいるんや」くらいに受け取っていただければ幸いです。
というわけで、今日はここまで。
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