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ヘタなやつも同じように集まって遊んだのは、ずっと昔のことなんだなぁ。

ジャンケンポンは地域により言い方があるようだ。
今でこそ「最初はグー、ジャンケンポン!」というのが市民権を得ているが、こどもの頃を振り返るとこうだった。

どっこんテッ!」

今でもこのことばの意味はわからないが、勢いを感じられれば何でもよかった気がする。
「ばっきゅーんトゥー!」とか。

あいこの場合は続けて「テッてのテッ!」
さらに続くと、「テッ!」「テッ!」と「テッ!」を繰り返すことになる。
とにかく大きい声で相手を威圧するように発声するのが正しい使い方だ。

男子だけのルールだったはず。

放課後は、近くの公園に集まり、野球やドッチボールをするのが多かった。

なんやかんやで集まり、野球のチーム分けが始まる。みんなから上手いと思われている代表2人が、監督として欲しいメンバーを順番に選択していく。
その時に「どっこんテッ!」が活躍する。

「どっこんテッ!」
「オレの勝ちぃ〜、まず山田!」
「取られた〜、じゃ高橋で!」

「どっこんテッ!」
「テッてのテッ!」
「勝った〜、吉村とりぃ」
「良かった、松下が欲しかってん」

とチーム分けは続き、最後に今までとは逆の「どっこんテッ!」が始まる。
一番ヘタクソなヤツの取り合いだ。
いや、正確には「取らない合い」というのが正しいだろう。
監督としては、欲しくない選手なわけなので、ジャンケンのかけ声も変わることになる。

「いるかいらんか、どっこんテッ!」
「テッてのテッ!」
「よっしゃ〜勝った、いらん!」
「ちきしょ〜、負けた、お前ライトな!」

「いらん」って、なんと残酷な天使のテーゼ。
今ではすぐ炎上だ、間違いない。

確かに最後にいらんと告げられるヤツはかわいそうではあるが、グローブを2つ持ってきたり、次の打順のヤツにバットを渡したり、それなりに自分の役割?を果たしていた。
仲間と認めて欲しいアピールなのだ。
もちろんヘタなため、みんなからヤジられたりするが、それでも居場所はあった。
別の日も同じように集まり、やっぱり最後選択の犠牲になるわけだが、いつも一緒だった。
ナイスキャッチをすると、みんなから、「やったやん!」とほめられることもあった。

なつかしい・・・。

夜、駅のベンチでスマホゲームをしているこどもたちを見ていたが、ひとりだけスマホをもっていないこどもがいた。
そんな光景を見ていると、いつしかこんなことを回想していた。

今日から12月か。

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