エンジニアが組織内に技術推進する際に覚えておきたいこと
前職でも現職でも、組織内になんらかの技術を普及・推進するような動き方をしています。
もう5年くらいそうした活動をやってきたなかで、「こう考えるといいんだな」ということが少しずつわかってきました。
もしかしたら1年後には別のことを言っている可能性もゼロではないですが、今のところコレだなというものをいくつか書いておきます。
大前提:技術や仕組みは広まらない
技術推進の際に覚えておきたいこと、としていきなり出鼻をくじく感じになっていますが、これをわかっておくのが大事だと思います。
たとえば今なら、生成AIを使った便利ななにかを社内に広める、というミッションを持った人がいるかもしれません。あるいはGitHub Copilotを活用する旗振り役、などもありそうですね。
なんでもかまいませんが、こうしたなにか新しいもの、皆が身につけたほうがよいものを広めようと思っても、基本的には広まりません。
もちろん推進役なのだから広めるのが仕事なのですが、「組織はなかなか変わらない」「技術や仕組みはなかなか広まらない」という気持ちでやっていかないと、「なぜみんなやらないんだ!」とストレスばかりがたまります。
会社側が許容してくれるかどうか、にもよりますが、基本的には数年がかりの長い取り組みになる前提で進めるのが良いですね。
広まらない前提で、種まきをつづける
これは、自分があれこれ言うよりも頂いた金言を紹介したほうが早いので貼ります。
繰り返し伝える
ひろまらない、とほぼ同じですが、繰り返し、繰り返し、しつこく、何度も、直接伝えることが大事です。
よく起こり得るのが、たとえば、ソフトウェアの開発標準を作ったとします。
「開発標準を作ったのでみなさん見てください」
とアナウンスしたところで、見る人も活用する人もほぼゼロです。
公開したから見てね、で情報を能動的に取りに来る人というのは体感で1割も居ないので、これだけで技術を推進したつもりになるのは危険です。
そうではなくて、例えば公開したら週に一度リマインドをするとか、なにかツールで開封者がわかるようなものがあれば未開封・未閲覧の人に3日に一度リマインドするとか。
あとは、MTGを設定して直接説明しにいく、というのも大事ですね。
私は現職でQA(品質保証)に関するガイドを作った際、各部が月次でやっている部会にお邪魔して、説明のための時間をもらいました。
前職でも似たようなことをしていて、推進役として何を考えてどんな取り組みをしているのか、を直接紹介に行くというのはとても有効だと感じています。特にSlackやTeamsなどのチャットツール中心のコミュニケーションが行われている場合は、ビデオ会議であっても顔を出して喋って伝える機会を設けるのが大事です。
当たり前のことばかりかもしれませんが
繰り返し
直接伝え続けて
広まらないなぁと思ってもそれでも続ける
しかない、
が結論になります。
誰も知らない情報をドヤ!と言いたいという話ではなく、
ある意味これは自分への言い聞かせかもしれません。
折に触れて「じれずに種まきし続けるのが何事も大事だよな」と思い出すための記事、ですね。
ありがとうございますありがとうございます