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胸を張ってCTOですと言えるように読んだ本まとめ

ゴールデンウィークは毎年だいたい何かしらの実装をしていることが多いのですが、
今年は意図的に、技術書でない本を読む時間に充てました。

ゴールデンウィークにお仕事しないぶん将来の自分が苦しみそうですが、
それでもこのタイミングで、執行役員CTOとしての仕事の仕方をインストールする時間に充てるのが大事だと判断しました。

読んだ本をつらつらと挙げていきます。

プロダクトマネージャーとして

現在プロダクトマネージャーの職にあるわけではありませんが、
CTOの役割としてはプロジェクトマネージャーおよびプロダクトマネージャー(PjM/PdM)のスキルがあってしかるべきと考えていますので、それに関する本を読みました。

童話でわかるプロジェクトマネジメント

今まで感覚でこなしてしまっているけれど、
「プロジェクトマネジメントに必要な要素とは?」をしっかり知ってみたくて読みました。

とても読みやすく仕上がっている本で、
スケジュール調整からリスクの把握、ステークホルダーの付き合い方まで、
PjMに必要な多くのことが1冊にまとまっていました。すごい。

これを読むことで、
「あの人ってプロジェクトマネジメント上手いよね。なぜなら……」
と言えるようになった気がします。

「ついやってしまう」体験の作り方

ゲームデザインの本なので関係ないと思っていたのですが、
なんとなく読んでみたら、WebサイトのUXデザインにも関係することの多い本でした。

ただ、途中で『風ノ旅ビト』と『The Last of Us』のネタバレが挟まれるのはキレそうになりました(笑)
ネタバレ言うんなら先に教えて!!!!

この本の中で好きなのは以下の一文です。

ゲームは、生きるために必要不可欠なものではないので、本当にあっさりと飽きられます。だからこそゲームはひたすらプレイヤーを驚かせなければなりませんし、ゲーム業界も新しいゲームで驚かせ続けなければならない宿命なんですね。

ここでは『ゲーム』となっていますが、多くのサービスがこれに当てはまると思うんですよね。
私たちはユーザーさんに「これは!」と驚かせるものを提供し続けられているのか。
これを自身に問い続けないといけないなと思いました。

プロダクトマネジメント 〜 ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

これを読んだのは1月で、ゴールデンウィークよりけっこう前なんですが、
オススメなので触れておきます。
残念ながらKindle版はないのですが、それでも買っておくとよい本です。

書かれている内容はそれほど多くなく、全体的にはタイトル通り『ビルドトラップを避ける』ことに終始しています。
ただ、これがとても大事なことです。

PMに限らず、エンジニアやデザイナーは顧客や社内から上がってくる要望をただ満たしていくだけの動きをとりがちです。
しかし本当は、どういう姿にプロダクトをさせたいかの夢物語から逆算させて現実の工程に落とし込み、取り組んでいかなくてはなりません。
これを担うのがプロダクトマネージャーと言えるのですが、PjM/PdM の役割の違いを理解していない人は非常に多いです。
サービスの開発に携わるすべての人が、基礎教養として、この本をひととおり読んでおくことが大切だと感じました。

INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント

ゴールデンウィーク最終日に読みました。

抽象度の高い本で読みづらい本だなあと思ったのですが、
わたしが大きな勘違いをしていて、
「プロダクトマネジメント」の本と言っても、
どちらかというと「新製品を生み出すときのプロダクトマネジメント」が中心となっている本だということに気付かず読んでいたせいだからだなと……。

プロダクトを成長させていく話だと思っていたので、
『製品発見』という言葉が途中何度か出てきたときに「どういう意味だろ?」ってなっていました。
ふつうに、新たな製品のアイディアを見つけることですね……。

チームのあり方など参考になるところもありますが、
新規事業を立ち上げるタイミングで読むのがより適切でしたね。

執行役員として

執行役員ってなにすればいいかわからない!
と思って悩んでいたので、関係しそうな本を読みました。

取締役の法律知識

会社法まわりの本。

  • 決定機能

  • 執行機能

  • 監督機能

  • 監査機能

の4機能が、会社を動かすために(本来的には)分かれているんだよ〜、とか、
会社法上では「取締役」「会計参与」「監査役」のことを「役員」と呼ぶんだよ〜、とかのベーシックな話に始まり、
取締役の選任条件・報酬・法的に持ちうる責任などに触れられています。

「取締役ではないからな……」と後半は斜め読みしましたが、ハンドブックとして手元に置いておきたいタイプの本です。
この本を読んでおいたおかげで、次に紹介する本が頭に入っていきやすかったです。

経営戦略としての取締役・執行役員改革

ピクスタCTOの yasaichi さんが勧めていたので気になって読みました。
『上場企業のCTOの方は読んでおいて損はないと思う』と書かれている通りの良書でした。

改訂されたCGコード(コーポレートガバナンスコード)が求めるものや、取締役会が目指すべき姿(つまりボードメンバーにどういう人たちを置くのか)や、社外取締役の選び方など、
広義の意味での役員に求められることが書かれていて、大変良い本でした。

個人的に刺さったのは、
「従業員を評価制度を入れて評価するわりに、役員は正しく評価されて解任されることがないよね?」って話や、
「日本の社長はジェネラリスト(なんでもほどほどに出来る人)が求められてしまうけど、そうじゃなくて、この会社の10年後を作る経営トップとして求められるものはなにかを定義して、それに従って後継者を育成したり探すべきだよね?」のような話でした。

以前読んだ記事では、
「創業者は上場後3年以内に退任したほうがいい」と書かれていました。

これの研究結果の信憑性がどの程度かまでは知りませんが、
なんにせよ、求心力のある創業者がずっとCEOであることを望まれ続けるのは、会社としてはあまり安定しているとは言えないでしょう。

いつか来るバトンタッチのために、
後継者育成(サクセッションプラン)を考えておく。
どういう後継者かを「定義する」ってことは考えたことがなかったところなので、よい指摘だなあと思いました。

CTOとしても、次の5年を作ってくれる新しいCTOがどんな人かを想定して、
候補者探しを始めておくのが大事そうです。

最近退任した Twitter 創業者の Jack Dorsey は
これらを考えて、上手く引き継ぎをおこなったのかもしれません。

There's a lot of talk about the importance of a company being "founder-led." Ultimately I believe that's severely limiting and a single point of failure.
(創業者主導の会社であることの重要性は多くの人に語られてきたところだが、私としては、それは大きな枷となるし、単一障害点でもあると結論づけた)

https://twitter.com/jack/status/1465347002426867720

おわりに

本を読むのが苦手で、だいたい読みきれないのですが、
このゴールデンウィークは喫茶店に行くことでなんとか集中できました。

3日喫茶店に行って4冊読み切りました。
まだまだ本を読むの苦手ですが、少し慣れてきたような……? がんばる。

プロダクトマネジメントに関しては
もう少しインプットが必要なように感じるので、次はこれを読みたいです。

おしまい。

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