黛久玖_ロードムービー・血煙爆鎖

TRPG「シノビガミ」より、ロードムービー・血煙爆鎖の自PCについてまとめ。
本当に自キャラの話しかしないし、めちゃめちゃ卓のネタバレします。基本的に不親切。


*基本情報

黛 久玖(マユズミ ヒサグ)
TRPG「シノビガミ」のプレイヤーキャラクター。
参加シナリオ:ロードムービー・血煙爆鎖
キャラクターシート

*ログ(GMがまとめてくれたもの)

開幕~メインフェイズ第2サイクル
メインフェイズ第3サイクル~クライマックスフェイズ
エピローグ

*基本構成

 28歳男性。斜歯忍軍、御釘衆所属。
 詐術・結界術・隠蔽術などを駆使して、機密その他を隠蔽する《目隠し屋》。

 名前は塞ぐ(ひさ-ぐ、と読む。目などをふさぐ、閉じるという意を持つ)から。
 シナリオNPCであり、三流派共同開発の呪術兵器である「時姫」を預かっている、という導入を受け、そうした機密を隠蔽できる能力振りのキャラクターにしようと思い作成された。シナリオ推奨流派は斜歯忍軍。
GMによって用意された時姫のイラストが和装の少女だったため、こちらも合わせて和装を着せる。着物の色もだいぶ寄せた。
 使命は「時姫を連れ帰る」。時姫を誘拐するPC1と敵対的なハンドアウトなので、嫌なやつやりてえ! やろ! というテンションがあった。加えて、男性キャラクターを作るのが久しぶりだったので、趣味のタイプの嫌さを詰め込む。物腰柔らか系の悪いやつ。
 御釘にしたのは、着物着せたくてそれっぽいの、というのが一番。二番目は正直、まず鍔鑿やるのPLの志向的に難しいな……という。大槌か指矩の研究者も考えたが、研究者キャラだと、やりたいキャラ像よりも乾いちゃうかなとも。そんな感じで諸々を塩梅した結果、まあ御釘でいいか。御釘にしよ。御釘みたいの好きだし。という雑な決定が下される。下位流派なくてもよかったんだけど。

 特技構成は、御釘衆の必須習得から「千里眼の術」を取り、フレーバー重視で「詐術」「結界術」「隠蔽術」。戦闘時のそれっぽさを重視して「仕込み」。一応斜歯忍軍だし使えないこたあないだろう、ということで「絡繰術」。そもそも器術から2個取らなきゃいけないしね。
 忍法構成は、基礎習得の「接近戦攻撃」。近接戦嫌いそうだし、ハマれば嫌がらせできるなと思って「巡扇」。ほぼ同様の理由で「返し技」。結界で自己の領域を拡大していく「殺界」。「魔界工学」は基礎教養。
 背景として「整備班」と「冷たい心」。それなりに融通利きそうな立場なので整備班くらい使えるだろ。通常6点の背景だし美味しい。また、前述の通りPC1に敵対的なハンドアウトゆえに性格の悪い、嫌がらせ好きそうなキャラをやりたかったので、冷たい心を取る。対立型シナリオで、表使命以上に他と積極的に共闘、あるいは明確に対立するような秘密でもなかったから……。表使命が「時姫を連れ帰る」に設定されているPCが計三人いたが、どうせ一人くらい裏使命でちゃぶ台返してくるだろ、とも思っていた。
 奥義は「範囲攻撃/撃ち/射程低下」、指定特技は「結界術」。絶対防御とかなり悩んだものの、対立型シナリオだったから……なんか……前述の使命関連の理由も含め、最悪全員落とせるように……。
 全体的に、かなりフレーバーを重視してデータを組んでいる。こういう組み方大好き。楽しい。でもそんなに強くはない。あまり尖らない、丸めの構成。
 なんのゲームでも大概、尖らせるの怖くて丸めちゃうんだよな。悪癖。

*各種シーン

 自キャラ関連しかない。飛び飛び。詳しくはログ参照で。

【導入】
 隠していたはずの時姫を誘拐されて、上司から怒られる。まあそうですよね。責任問題だよ。でも内通者がいたからさあ。
 「あちゃー」「いやー、やっちゃいました」「まあ……そのつもりだったんですけど、ははは」あたりでだいたいこいつの方向性が決まる。
 上司の上忍に向かって「僕そういうの苦手」とか「人員不足は上の責任」「期待しないで待っててくださーい」とか平然と言う。
 結構、お前死にたいのか? みたいな発言してるな。後から見ると、まあ死んだら死んだだしな、くらいのテンションだったんだろうな、と思う。

【メインフェイズ/1-3】
 シーンプレイヤーはPC4。時姫を誘拐したPC1の後を追ったシノビたちが、PC1と僅差ですれ違って大集合。
 草のねずみちゃんたちがシノビ三人の鞘当てから下がったところを、さらにその背後から登場した。なんか、動物の嗅覚に引っかからなかったら普通にかっこいいかなと思って……。当然、隠蔽用の結界使ってますね。
 このシーンでいきなりねずみの後ろに現れたせいで、なんか結界によって現れたり消えたりする人になった。便利か?

【メインフェイズ/1-4】
 自分のシーン。直前のシーンからシームレスに繋いでPC4と感情を結びにいく。
 すでにPC1とPC4で情報取引のPL間交渉があり、それに乗っかりたかった。でもこれメタから動いてるからあんまりよくないムーブメントな気もするね。まあ、手数的に自分で全抜きできない以上、誰かの感情欲しいなと思っていたのは本当だし、PC4は表使命が中立的に見えていたので上手くすればどっちの情報も流れてくるかなとも思っていたが……それにしたってあんまりな。
 でもそれはそれとして、PC4悪食持ってて、成功されると射撃戦ダメージ(巡扇)が完全に利敵行為になりかねないのもあって、感情修正でマイナス掛けられるようにもしたかったんだよね。生命力、お互いにどこ潰れるかわかったもんじゃないからさ。
 自分の中で思惑が錯綜していたので別にただ一概に悪かったとは全然思っていないが、若干反省してもいる。自分的に。
 ロールとしては、「忍者ってイヤだねえ、僕けっこうこの仕事キライになりそう」。この「キライになりそう」という言から、「キライ」という発露が後々まで引かれていくことになる。

【メインフェイズ/1-5】
 PC5に、あのとき見抜いていた、というロールで秘密を抜かれる。
 いや、システム的にはまったく全然普通のことなんだけど、僕全然隠せてないね。ちょっと笑う。

【メインフェイズ/2-1】
 PC1とPC4の情報交換。感情共有で、PC間で受け渡された時姫の秘密と、PC4の情報判定で得られたPC1の秘密を手に入れる。
 このふたつと自分の秘密見てニコニコしないでいられるか? わあ、フフッ、て感じだった。
 一方、表使命が「時姫を一目見る」で中立的に見えていたPC4がPC1に付くと宣言。きっつ。

【メインフェイズ/2-3】
 PC1とPC5が感情を結び、ついでに久玖の秘密がPC1に流れる。PC1に感情を持っているPC2にも流れたが、これはまあ、結果的にあんまり関係なかった。さらにPC4にも共有されて公開情報になる。
 これによって、時姫の爆散がなくなった。ちぇー。
 ちなみにPC2の導入で「丁寧に取り扱わないと爆発するかもしれない」という与太が発されていたが、完全に正解でわたしはかなり笑っていた。
 ここで、表使命が「時姫を連れ帰る」だったPC5がPC1に付くと宣言。マジかよお前。裏使命なんなんだよ。二人PC1に付くかあ。まあ五人対立シナリオだから3対2……こっちが2かあー。

【メインフェイズ/2-4】
 自分のシーン。PC2の秘密を抜きにいく。
 PC4の秘密を交渉で手に入れつつ、PC2の秘密をゲット。千里眼の術を無駄にスペシャルした。
 ロールとしては、PC2を唐突に結界に巻き込んでお茶会を開催。このシーン、やってることはベタだけど自分の中で好きなんだよね。
 「順序。へえ」「古式ゆかしく和歌でもお送りしたほうがよかったかな」。こういう、完全にお前そんなこと思ってないだろ、みたいなやつキャラが立つよな~。
 きみ情報漏洩したでしょ? したよね。という圧を掛けにいくが、まあ相手PLがツワモノなのでさらっとやって深追いはしなかった。深追いしてもキャラの方向ぶれそうだったし、面白くもならなそうだったし。
 個人的には、ここで久玖のキャラが決定的に立ったと思う。
 激しい感情も、深い感情もわからない。楽がしたいし平穏でいたい。人生に倦んでるんだな、というのがわたしの中ではっきりわかった。立場的にも機密触りまくってるから雁字搦めなんだよなあ。足抜け即死。
 で、PC2と別れた後の「僕、あの子嫌いになりそう」発言。誰のことかあんまり明確にはしなかったが、PLとしては時姫のことを念頭に置いていた。
 後々「好きだから意地悪するって言うけど、無関心だから優しくできるし、嫌いになったらどうなるかな」という旨の発言をすることになるが、この段階でそれはいずれ言おうと思っていたので。というよりも、当初から「(時姫に)無関心だから優しくしてやれる」という想定があったので、隙あらば言おうと思っていた。
 ついでに、このシーンでPC2の秘密を抜いたのは、感情を結んでいるPC4に新情報を渡したくなかったというのもある。新情報抜くと、向こう陣営で全部筒抜けになるから……。こちらにはPC2の秘密回ってくる余地なかったし。向こうに暇な手番ができて戦闘仕掛けられるのも嫌だしね。

【メインフェイズ/3-1】
 PC2がPC1に戦闘を宣言。乱入を試みたが無理だったのに対し、敵陣は全員参戦して3対1の構図に。ごめんな。
 ここでPC5が、どっかからもぎ取ってきた大型トレーラーのバンパーを投げつけて、誰より先に戦闘開始を宣言するのマジで好きなんだよな……。最終的にこのバンパー投げが好きすぎて琴線をPC5にする決定打になったくらい好き。
 このシーンでPC1とPC2の奥義がお目見えする。PC2の奥義情報はPC4経由で手に入ったが、欲しいのはそっちじゃないんだよなあ。
 PC2からはどっかのタイミングでPC1の奥義情報横流しするって言ってもらえてたけど、結果的にもらわなかった。ちょっとシーンの順番が噛み合わなかったね。

【メインフェイズ/3-3】
 ひとつ前のシーンでPC1とPC4の決闘など挟み、時姫から感情爆鎖が抜かれたりなどしつつ。
 秘密出揃ったのここだっけ? なんかPC5だけ時姫の秘密かなんか持ってなかった気がするけど、だいたいここで出揃った。
 PC1と時姫がラブホに消えて、なんかいい感じだが? いい感じのままにはさせないが? という気持ち。

【メインフェイズ/3-4】
 自分のシーンだが、なんかもう情報出揃っちゃって戦闘しかやることがないんだなあ。
 PC1に戦闘を宣言。他PCはみんなほどほど生命力がやばくてタイマンに。クライマックス前に1点でも削っておきたかったが、まあ、見えていたクリヒが……クリヒがよ。
 PC1がバスローブピンヒールで出てきて、第一声が「わあ、すごいカッコ」になる。正直中の人も素だよ。
 ぶっちゃけロールとしては時姫のほうを煽りたかった気持ちがありありだが、タイマン張る前にPC1とレスバが始まる。
 二言目にシレッと「こんばんは。時姫は良かったかい?」とか言いだす。ここのレスバ楽しかったな。めちゃめちゃ楽しかった。
 戦闘では普通に奥義のクリティカルヒットを食らって4点もらう。痛い。同時行動で相手にも1点入れておけたのはまあ、不幸中の幸い。プロットミスってたらただ4点貰いに行っただけになっちゃうところだった。
 「……僕はねえ、地獄の中にいたことはないけど」「外からずっと、地獄を眺めてきたんだよね」「あはは!」。
 相手に「地獄を見ろよ、クソ野郎」って言われつつ奥義を食らって、これが言えたのはロール的に美味しかったな。久玖本人も地獄の辺縁に住んでるからね。
 「僕、きみみたいな子、キライだなあ!」。何のことも好きって言わない黛久玖。

【クライマックスフェイズ/前振りロール】
 第一声に「こらこら」で出てくるのなんか既視感があるな……と思ったけど十二国記の利広さんですね。図南の翼を読め。
 「でも、きみに彼を幸せにできるかな」「幸せにしてもらうことばかり、考えちゃダメだよ」あたりは露骨に時姫を刺しにいく。嫌なやつをやろうと思ってるから、嫌なことを言うんだねえ。
 「帰ってきてくれないきみは、僕、嫌いだけどね」。別に以前から好きでもなんでもなくどうでもよかったが、そのへんはお互い様。
  一方で、「ま! お互い仕方ないね。こんな世界だからね」、とも言う。これは諦念。久玖はこの忍務を失敗すると立場的に結構やばいはずだが、まあしょうがないね、嫌な世界だね、みたいな。というか、どうせどっちかは死ぬんじゃない? くらいのことは考えていたと思う。でももし最終的に久玖が勝っていたら、PC1・4・5を殺してから生きた時姫を連れ帰ったんじゃないかな……。心折りたいしね。「誰が死んでも別にきみのせいじゃないけど、まあ、きみがそう思うならそうなのかもねえ。僕にはわからないけどさ」くらい言ったのでは? バッドエンドすぎる。最悪かよ。でも悪の勝利ってそういうものじゃないですか?

【クライマックスフェイズ/戦闘】
 戦闘序盤でめちゃめちゃグズグズの素人を晒して、温情仕切り直しをさせてしまった。ほんとごめんね!!!
 それはさておき。
 初手奥義で全員巻き込むつもりでプロット4を取る。案の定全員射程内。だったのはいいが、プロット6のPC1から痛打黒絃で2点ダメージが飛んでくる。生命力飛ぶのが早いよ。しかも回避振って逆凪した。マジで?
 歌舞音曲を遠慮したい黛久玖、でも日舞とかやらせたらそれなりにやりそうでムカつかないですか? というか、PLがいつも自キャラをだいたい小器用そうにしちゃうからなんか……なんかな。
 雑談タブで暗黒サラリーマン呼ばわりされてPLは大爆笑です。
 ここでプロット5から殴られたら脱落だったのだが、とりあえず自分まで手番が回ってきたのでありがたい。
  奥義で4人に3点ずつダメージをばらまく。アドいアドい。ぶっちゃけ敗北が見えていたので、巻き込めるだけ巻き込んで死ぬぞ~、という気持ちだった。しかしまあ、PC4が絶対防御でPC5が不死身だったんでこう……まあ……はい。いやでも、プロット読みが綺麗にハマったのは素直に気持ちよかったな。
 その後、PC4が妖魔化してPC2狙い。PC2の回避失敗に遁甲符を投げる。次殴られたら落ちるし、抱え落ちしてもしょうがないからね。この挙動に対し、雑談タブで「遁甲符似合う」「それっぽい」って言われて嬉しかったな。望んだ方向にキャラが立ってるってことだからね。
 第2ラウンド。プロットは6。どのみち上から殴られたら落ちるので。殺界あるしプロット2か1まで逃げても良かったんだけど、PC5が間合3持ってたから選択肢が……。PC1と同時行動。
 巡扇の指定特技が死んでいるので攻撃選択肢は接近戦だけだったものの、殺界があったので計三人射程に入った。が、まあPC1殴った。ら、逆凪。出目が腐っている。
 PC1の攻撃を避けるにも、達成値14。スペシャル前提。回想切ったら11だけど切る? ってなったけど、回想するようなキャラでもないな! ということで素振り。まあ出ないよ。回想切ってても足りなかったしな。
 「はーーー」「地獄かあ、地獄ね」「ま、……しょうがないかね。はは」、で最後の一撃もせずに落ちる。最後に一矢報いるとか、そういう気概のあるキャラではなかったね。別に自分で死んで達成できるような使命でもなかったし。
 倒れたらゆで卵スライスされた。
 その後、PC2の死亡攻撃で怖っ! とかなりつつ勝者PC1。PC1が最後時姫にクリティカルヒット放って落とすの最高だったな。久玖が先んじて3点食らわせててよかったね(?)。
 勝者が敗者の生殺与奪権を握るレギュレーションだったので、スライスされたし死んだろ? と思っていたが死ななかった。別に(PC1が)自分で殺す必要ないな……ってさ。はは。冒頭に時姫が囚われていたビルに、黒絃で簀巻きにされてぶん投げられる。ウケるが。

【エピローグ】
 負けたくせに平然と上司煽った。ここも多分、死んだら死んだだよね、というか、まあ死んだほうが楽かな~、くらいの気持ちだったと思われる。
 導入のやり取りを踏襲したというか、GMが導入と同じセリフを出してきたので、こちらも意識して反復した。
 「いやー、自分で言うのもなんですけど、僕のこと前線に出しちゃダメでしょ」「僕が何をどんだけ知ってると思ってるんですか」。時姫以外の機密情報抜かれなかっただけありがたいと思ってよねー。という開き直りの姿勢。
 というところで、上司の首のさっくりとした挿げ替え。「(僕も)お咎めなしってわけにはいかないんじゃないですかね」と言ったのは、平たく言えば「僕のこと殺しといたほうがいいんじゃないですか?」くらいのやつだよね。でも殺してもらえない。ですよね。
 で、「僕もっと楽な立ち場になりたいなあ~」に対して、「持って生まれた才能を恨みましょうね」。はー。GMわかっていらっしゃる。
 〆のセリフが「僕、この世界キライですね。とっても」。これが言えたのは結構自分を褒めてやってもいい。黛久玖が詰まっている。

*よしなしごと

 黛久玖、地獄の辺縁在住。行くことも戻ることもできない場所でただ倦んでいる。何のことも好きではない。

 PLとしては、こいつ、悪っていうより噛ませ要員だったな……と思うなどする。
 PC1と時姫が終始いい感じだったので、もっと時姫煽りたかったな。PC1に戦闘仕掛けにいったとき、雑談タブで「時姫煽りた~い」って二回か三回くらい言ったんじゃなかったっけ?
 時姫に「じゃあ、僕がきみを愛してあげる、って言ったらどうするの?」とか言い放ちたかった気持ちがありますよ。それで時姫がちょっとでも揺れたら、「ほら、その程度で愛とか恋とか語っちゃダメだよ」くらい言いたかったよね。残念ながらそんな機会はなかったが……。
 「墨の匂いが好きだったでしょう」「楷書は雁塔が、行書は行成が得意だったでしょう? 草書はヘタクソだったけど」「そうやって僕と過ごすのはそんなに嫌だったかな。悲しいね」というあたりがメモに残っていた。どんだけ時姫煽りたかったんだよ。楷書は雁塔、行書は行成が得意で草書がヘタクソだったのは中の人です。
 ちなみに後日、PC1のPLが「PC3は時姫と相思相愛になって使命果たすってこともできるんだな」「感情で爆破させる」「寝取り勝ち」などと言いだしてかなり笑う。でも実際のとこ、久玖は基本的に愛とか恋とか言い出さないだろうし、結婚してほしけりゃ結婚してあげる可能性はあったよね。生きてれば。ただ、システムを離れてこいつに自由に時姫への感情取らせたら、侮蔑あたりを取るんじゃないですか? いや、時姫から感情判定入れさせると素直が飛んでくるんだがよ。
 卓中では出なかったけど、GMとの擦り合せ上では、久玖(表の顔:書道家)は時姫に書とか教えてたんですよね。着物着せてたのも久玖の趣味。でも感情爆鎖を仕掛けたのも久玖。まあスキル振りを見る限り、久玖が感情爆鎖を企画設計したわけではなかろうが。まあそういうやつですよね、というのは踏まえてロールした。
 そういう嫌なやつをやろうと思ってキャラを持ち込んで、悪役だ、とか、染み入るヤバさ、とか言われるの最高だな……と思います。いや、卓メンをリアルに嫌な気持ちにさせたわけではないよ。一応。そう信じている。信じさせてくれ。

 しっかし、徹頭徹尾お仕事で来ていた人だったよ黛久玖。
 時姫に関しては良くも悪くも別に思うところなんてないし、誘拐したPC1に対しても「もー、面倒事増やさないでほしいよねえ」くらいのテンションだったんじゃないですか。
 PC2とPC4については、「僕そういうのわかんないな……」って思ってる。PC5のことはなおさら「意味わかんない」って思ってる。
 それでも煽り入れてくるのは普通に性格が悪い。
  PC5とほっとんど絡めなかったのは反省している。ただ今回、追手サイド二人と誘拐犯サイド三人で、結構早いうちからバッツリ割れたし……まあそういうこともあらあな。しかも、追手サイドの二人が両方とも冷たい心持ちで人間関係冷え冷え。
 とはいえ、主として感情を基軸に結託するPC1・4・5と、利害で結ばれるPC2・3という対比は結構いい味だったんじゃないですか。PC2・3が敗北するところまでコミで。
 そのPC2・3の二人もまた、PC2が情念をブチ撒いて死に、PC3が「しょうがないか」って言いながらも雑に生き残って変わらぬ地獄の辺縁に再設置されるという対比がね。あってね。

 久玖の「巨大なものの都合に合致している存在であるがゆえに死なせてもらえず、どこにも行くことはできないし、かといって退路もない」というの、ほかのPCや時姫が見ている地獄とはまた違う静かな地獄、という感じがしてすごくいいなと思うんですよね。他者とのつながりもなく、だから情念もなく、ただ冷え乾いている。
 こいつ多分、職能として代えがたいから雑に金もらってて、居所を縛りたいから家とか支給されてて、みたいな感じだと思うんですよ。だからといってそれで遊びたいほど享楽的にもなれないし、さほどの暇もないし、でもまあ別にいいか、持ってて困るものでもないしな、くらいの気持ちでしょ。くれるというならまあ貰うし、例えば今の家を出ろと言われたらこだわりなく引っ越す。だいたいのことがどうでもいい。というか、どうでもいいと思っていないとキツすぎるタイプのやつ。どうでもいいと思うことが骨身に染みているし、そのために言動も装いもかなりキャラ作ってる。
 戦闘でダメージ受けた時の言動とかはもっとみっともない感じにしても良かったんだけど、キャラ作りが芯まで染み付いているキャラなのでまあ……いっか! って思ってあんまり崩さなかった。
 
 生い立ちとしては、親兄弟なくして十とかから仕事してると思う。それからずっと便利に使われて、今回のエピローグみたいな上司の首の挿げ替えが何度行われても、一人似たような場所で似たような仕事をし続けている。そういう地獄。かなり諦念と倦怠に満ちた生ですね。斜歯でめっちゃ便利扱いされているということは、年齢的にもそろそろスキル引き継ぎ用に子供作れって言われる頃でもあろうし、その相手もおそらく斜歯から指定が入るわけでさあ。
 久玖が自由に生きる道というのはとっくの昔に潰えているし、今更自由になるものは何もない。というか、そもそもそんなものは、久玖の人生には端っからなかったのでは? という。
 だから、凶尾のPC4に「やめちまえば?」って言われたシーンで劣等感取ったの笑うんだよなあ。マイナス取るのは決まってたんだけど、はー、そこ来ますか。って感じだった。まあでも、殺意とかそういう積極的な感情もたなそうだよね。わかるわかる。

 というあたりで総括すると、黛久玖の人生には希望がない。優秀であるがゆえのどん詰まり。
 自分で死ぬほどの気概はないけれども、死んだら死んだだよね、というスタンス。だから上司だろうと敵だろうと好き放題煽る。にも関わらず殺してもらえない。
 地獄の辺縁から、地獄の辺縁へ。ひとつ事件が終わっても、そこで勝とうが負けようが、久玖の立場も扱いも何ひとつ変わらない。それは、黛久玖という人間が使い潰されるまできっと。

 うーん、文字にするとこいつかなり可哀想だな……。でも性格は悪いからな……。
 本当にPLの趣味が詰まりまくっていて、今まで作ったキャラの中でもかなり上位に食い込むくらい好きですね。GM含め、卓メンのおかげです。ありがたいね。


 ところで、PC1のPLが「なんか間違ってハグレモノに恋したらどうするの?」って聞いてきたので、黛久玖夢を書くべきかどうかちょっと迷っている。いや、夢っていうか普通に自キャラだが……? 何、スピンオフ?

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