運河の歴史は鉄道との戦いの歴史

 運河は鉄道の登場以来、競争にさらされてきた。そんな運河の歴史を具体例とともに紹介する。
<イギリス>
イギリスでは産業革命後に運河時代と呼ばれる運河を活用した水運が主役となっていた時代があり、大量輸送によってイギリスの産業革命を支えていた。だが運河の規格は統一されておらず、鉄道の利便性に負けた。その結果産業革命は鉄道が主役となった。
<エリー運河>
エリー運河はニューヨーク州内陸で収穫された農産物を輸出するために建設された。思っている以上に陸上でのものの運搬は費用がかかる。その結果、ヨーロッパに農産物を輸出しようとしても輸送に大幅なコストがかかり、価格の競争力が失われていた。エリー運河はこの問題を解決した。が、鉄道に負け、使われなくなって行った。
<ドイツ>
ドイツは運河が強かった。なぜならライン川などの大河があり、内陸水運に適していた。また最北部には世界三大運河の一つキール運河がある。時代の流れに合わせてドイツでも鉄道は盛んに敷設された。鉄道が使われる機会はどんどん増えて行ったが運河も依然としてドイツの産業を支えているので、引き分け。
<スエズ運河>
これは今までとは違い運河が鉄道に勝った事例だ。スエズ地峡ではスエズ運河完成の前にイギリス資本により鉄道が敷設されていた。スエズ運河が完成した際、とあるイギリスの鉄道技師は運河が完成しても鉄道に押されて閑古鳥が吹く、といったらしい。しかし現実は逆のものとなった。



鉄道もトラック輸送に負けましたとさ。


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