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今日娘が成人した

娘が今月二十歳の誕生日を迎える。そして今日が成人式。

今年二十歳になる人たちもまた、激動の歴史を経験してきた。

2001年9月11日 米国同時多発テロ――TV番組が突然ニュースにかわり、ワールドトレードセンタービルに飛行機が突っ込むのをライブで見た。わたしは慄き、彼女がいるお腹をさすりながら、この子の将来を案じて涙した。

2011年3月11日 東日本大震災――2分の1成人式(10歳)を迎える年、大地震、大津波、そして原発事故。社会が根本からひっくりかえる大参事に見舞われた。日本は暗く裳に包まれ、不穏な空気が漂っていた。

2019年12月~現在 新型コロナ(COVID-19)の世界的パンデミック――彼女が大学受験を控えていたその冬、この感染症はしばらくすると終息すると誰もが高を括っていたはずだ。それがもう丸2年経ったというのにまったくその見通しがつかない。去年は各地で成人式が突然中止、あるいは延期を余儀なくされ、今年はどうにか予定通りに開催された(沖縄など中止されたところもある)。

今年二十歳の彼・彼女たちはこうした歴史の荒波にもまれながら、それでもすくすくと大人に成長してくれた。親としてやれることはここまでだ。せめて世に送り出す前に、これからは「輝かしい未来がある」と言ってやりたい。「自由に羽ばたいてほしい」と言ってやりたい。だけど……

これからは「とにかく生きろ。幸せをつかめ」。今言えることはそれだけだ。

不器用な親でごめん。

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