見出し画像

『Parade d'amour』、最高に狂える1枚のドラマCDについて【紹介編】

 みんな、イケメンは好きか!

 優しいイケメンは好きか!ミステリアスなイケメンは好きか!

 そして、

表情と感情が豊かで意識が高くて

ライバルにはすぐ噛みつくけど懐いた人にはめっちゃデレデレする、

あくまで本人はかっこいいナイスガイを目指しているけれど可愛さが滲み出てしまっている

ワンコ系の残念なイケメンは好きか!


 俺は……大好きだ!!!!!!!!!!!!!


 【ドラマCD、『Parade d'amour』とは】

 『Parade d'amour』とは、『アイドルマスターミリオンライブ』の劇中劇ドラマCD作品。そして、その同名の表題曲の名称。直訳すると、「愛の行進」となるらしい。
 例によって原作の『ミリオン』から世界観を完全に独立させており、『ミリオン』どころか『アイマス』を知らずとも気軽に楽しめる作品になっている。

 ちなみに現状、自分がミリオンのドラマCDの中で最もお気に入りなのはダントツでこれだ。

 しかし本作、ミリオンドラマCDシリーズのナンバリングとしては登場していない。本来なら楽曲をメインとしたCDシリーズの1枚として発売されており、突然降って湧いた劇中劇ということになる(事前にゲーム内イベントなどはあったが、明確に「劇中劇をやる」とされたのはそのあとのCD販売情報から)突然このレベルの狂えてしまう劇物が降ってくるミリオンライブ、オタクとしては怖すぎでは???


 劇中劇と表題曲は宝塚をモチーフとしており、登場するキャラクターのキャスト全員が男女ともに、ミリオンに登場する女性アイドルとなっている。

 ミリオンのドラマCDは元から男性の登場人物を女性アイドルが演じることが多かったためそれ自体に目新しさはないのだが、その上でなお、本作における徳川まつりの配役は衝撃的と言える。

 徳川まつり、元の彼女は自他ともに認める「ふわふわきゅーとなお姫様アイドル」だ。

 そんな徳川まつりが……

画像4

この子が!!!!!

画像4

こう!!!!!!!!!!!!!!!!


やっべえよ


画像1

THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 11 オペラセリア・煌輝座


あらすじ

 ロバート・ヘリックに屋敷をだまし取られた父の為、少女アシュリー(画像の赤服)はあらゆる手を尽くして屋敷を取り戻すのに必要な証文を盗み出そうとするが悉く失敗。
 最後の手段として、ロバートの息子であるオスカー(緑服)に近づき、彼の自宅で開かれるパーティーに参加し証文を盗み出す計画を立てる。
 その為に、男装して士官学校へ潜入することに!
 不幸な事故(ラッキースケベ)によって、アシュリーから恫喝を受けて協力することになった生徒会長、ハーヴェイ(一番右)と、オスカーを信奉し、彼に近づこうとするアシュリーを敵視するアリエル(一番左)。
 4人は各々の思惑が交錯する日々の中で、進むべき未来と、自分自身と向き合うこととなる。

 

相変わらずのハイクオリティなシナリオ

 男装の麗人、アシュリーを中心に、3人の男たちとの交流と友情、そして愛を描くハートフルな一本。

 今回もドラマパートの尺は大まかに50分、この50分の間に大筋のドラマを開始させて盛り上げてオチを付けて、その過程で登場人物4人を出会わせて魅力的に描いて、何より『恋愛に発展するだけの絆が生まれる出来事』を人数分盛り込むぞ!というわけである。マジかよ。TVアニメ1話はCMとOPを引くと実質21分くらいなのでアニメ2話ちょいでこれを1からスタートさせてエンドマークを打たなければならない。

 しかし、この難題に対して脚本の青木朋子さんは限りなく最適解に近いであろう回答を叩きだすことに成功している。流石ミス『誰ソ彼ノ淵』……


 3人のイケメンはもちろん、主人公であるアシュリーまで余すところなくキャラクターが魅力的だ。特にアシュリーが本当に良い主人公で、物語をぐいぐい進める力強い性格でありながらもしっかりと人間的な弱さと限界を持っている。物語の中心にいる勝気な主人公というのはともすれば無敵感溢れる感情移入し辛いキャラになってしまいがちだが、全くそうなっていない。体よりも思いが先走ってしまいがちな危うさがある、思わず手に汗握って応援したくなる子だ。このアシュリーの印象に関するバランス感覚は正に匠の技だろう。

 さて、本作をまだ聴いていない方は「美少女一人にイケメン3人の恋騒動作品」のような印象を受けているかもしれないが、実際のところそうではない。
 本作は「未来を選択する意思」を4人が掴み取るまでの青春ドラマとして、前向きで力強いメッセージ性を持っている。実際、彼ら彼女らが恋愛感情を発露させる部分は終盤のみとなっており、ぶつかり合いながらも熱い親愛を築く、若者たちの爽やかな物語だ。どちらかと言えば先に恋に狂うのは観客側なんだよな。


表題曲『Parade d'amour』もたまらない!

 アイドルマスターのCDなので、当然曲が入ったCDとなっている。楽曲は、A面にして表題曲である『Parade d'amour』、そしてドラマのエンディングとして流れる『星宙のVoyage』の2曲。

 なんと言ってもこの『Parade d'amour』がたまらなく良い曲で、人によっては一度聞いただけでベタ惚れしてしまうだろう。少なくとも自分はそうだった。宝塚モチーフらしい、マーチ風のミュージカル楽曲となっている。

 一見、「本編のダイジェストを纏めた曲」というような印象を受けるがそれだけではなく、本作を通して描かれる「自ら選択し、未来へ進んでいく意思」というテーマを力強く主張するフレーズを各所に散りばめている。是非、フルバージョンで聴いてほしい名曲だ。

 っていうかもうサビの多幸感がたまんないんすよね……


【華の3人・イケメンに狂え】

画像2

何度見ても顔が良い


ハーヴェイ・バーティ

 いつもアシュリーに振り回されあわあわしている気弱な男の子。可愛い。アシュリーとの凄まじいファーストコンタクト(ラッキースケベ)をきっかけに、彼女をすぐそばで支える存在となる。

 「ヒイッ!」とか「は、はい……」とかすぐプルプルする。めっちゃ可愛い。でもいざという時には精神的に頼れる男でもある。アシュリーと同室で暮らし続けて狂わない鉄の理性という名のへたれなのも可愛いポイント。草食系ジェントルすき。
 優しくて寄り添ってくれていざという時には頼りになる奥手男子、良いよね……結婚生活が一番安定しそう。


オスカー・タルボット(オスカー・ヘリック)

 高貴な振る舞いと余裕に満ちた言動をする、生粋のイケメン。だが本音を滅多に見せず、その内面は謎に包まれている。成金貴族、ヘリック家の御曹司。

 声が良い~~~~!!!本当に声が良い。こんな声を耳元で流し続けていたらどうにかなってしまいそうだ。もうどうにかなってしまっているからこんな記事を書いている。

 気取った言い回しをするが、嫌味な性格ではなく絶対に立場を悪用したり権威を笠に着たりしない。
 アシュリーとアリエルの小競り合いに温かい目を向けたり、アリエルを少しからかったり、気のいいお兄ちゃんのような人だ。そりゃあアリエルくんもお兄様お兄様ってついてくよ。誰だってそうーする おれもそーする
 しかし隙が無い人物で、共に過ごす時間の長いハーヴェイですら彼の本音を垣間見る機会はごく少ないのだという。
 そんなミステリアスなところも好きだ……

 

アリエル・ハワード

 オスカーを信奉し、彼を「お兄様」と慕っている。感情豊かで怒りっぽく、お兄様に近づく相手にはすぐ噛みつく。一方で能力は高く成績優秀だが、アシュリーに首席の座を取られ2位になってしまったことも、彼がアシュリーに噛みつく大きな要因の一つ。

 アリエルくんについては好きすぎるので単体で後日別記事を書きたい。もう本当に全てが愛おしいんだよな……

  

3人ともめちゃめちゃ良いので頼むからドラマCD聞いて欲しい。(限界)


【気になったところ】

 ・尺が無限に足りねえ~~!!!あと5000時間聞いていたかった。
 50分前後という決められた尺の都合もあり、これが見たかったな、とか勿体ないな、と思う部分もある。ただその限られた尺という条件の中で脚本の青木朋子さんは凄まじい手腕で最適解を出している、というのは留意しておきたい。
 運営は責任もってこれ題材にした全員攻略して出会いから結婚から老衰までマルっとできる据え置き乙女ゲー出して。ちゃんと主人公のアシュリーにも声付いてるやつね。
・Parade d'amour(楽曲)の歌詞、若干本編とちぐはぐな感じのところがある……「全ては祖国のために」って言ってるけど祖国のこと意識してるやつマジで一人もいねえぞ!あと「誰も寄せ付けない無敵のプリンス」もいない。当確すると思ってたオスカーめっちゃ人当たりいいからびっくりした。
 詳細はわからないが、恐らく本編より先に曲が作られたのだろう。何はともあれめっちゃ良い曲なので自分は大好きだ。
・モチーフ元のこともさることながら、イベントコミュでもその辺を全編に渡ってプッシュしていただけに、ドラマがオペラないしミュージカルじゃないのは正直個人的にはかなり残念だった。……いやそれこそ尺の都合上絶対無理だから仕方ないんだけど!


【総括:荒波を突き進む『愛の行進』】

 登場する主要登場人物4人は、皆それぞれに重い事情や悩みを心に抱えている。若者が負うにはあまりにも過酷なものをそれでも載せて、人生という荒波を突き進む。
 その荒波の中で、時に敵対し、時に支えあう4人の織り成す『Parade d'amour』というドラマは、力強い人生賛歌であると同時に、素晴らしい人間賛歌だ。

 魅力的なキャラクターたちに惚れながら、少しだけ前向きになれるかもしれない本作。心を潤したい方は、是非聴いて欲しい。


画像5

(ホワイトデーに突如実装された公式のトップ画像。Parade d'amourファンたちは喜びのあまり感情をぐちゃぐちゃに乱され阿鼻叫喚の混沌に叩きこまれた)


【最後に】

 だいぶ綺麗に纏めたがそれはそれとして狂える。マジでトぶ。俺はもうだめだ。
 アリエルくんに狂い過ぎて、二次創作イラストはもちろん6年ぶりくらいに推しの二次創作SSを探索した。昔はよくしていたものの、なんとなくここ数年はそういうことはあまりなかったのだがアリエルくんには特別な事情があった。
 そう、なまじドラマCD1枚の中にしか存在しない。ミリシタのイベコミュもアリエルくんたちではなくそのキャスト、まつり姫たちのストーリーとなっている(ただまつり姫は担当なので個人的にはそっちも勿論嬉しい)。
 ドラマCD1枚の中にしかいない推しに狂うとこんなに辛いんだな……(もっと供給の無い推しを推している人もいるだろうなとは思う)

 繰り返すがこれの据え置き乙女ゲーが欲しい。アリエルくんルートはもちろん、オスカールート、ハーヴェイルート、全部プレイしたい。ゲームオリジナル枠はロコで頼む。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?