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「プロダクトが会社の価値を決める」開発トップと代表が語る、生産者と消費者を繋げる食べチョクの開発姿勢

ビビッドガーデンが手掛けるプロダクト「食べチョク」は今年の8月で丸4周年を迎えました。
立ち上げ初期、ユーザー拡大期、開発組織拡大期などさまざまなフェーズがあった中、今回は初期からプロダクト開発を支えた現開発トップであるリードエンジニア西尾と代表である秋元に「ビビッドガーデンとしてのプロダクトへの向き合い方」をじっくりと聞いてみました。
(インタビュアー:プロダクト組織開発/採用担当 平野)

1pxにこだわる元PMと課題解決にこだわるエンジニア

今日は「プロダクト」についてお話を聞いていきたいと思います。
まず初めに、前職と現職それぞれどのようにプロダクトと関わってきたか、関わっているかを教えてください。

秋元:
私は前職のDeNA時代、Mobageや新規事業の部署では「PM/PdM」として関わっていました。ユーザー体験の向上のために新機能の構成設計やUIワイヤーフレームを作成したり、デザイナーやエンジニアと並走しながら仕様を決めたり、全体のプロジェクト管理などを行う仕事です。

ビビッドガーデンを起業した直後はエンジニアと一緒に「食べチョク」の原型となるワイヤーフレームを作成していましたが、現在はプロダクトの大きい方向性の議論に入るなどの関わり方をしています。現サービスの延長線上を議論するというよりも、経営戦略から落とし込んだサービスの方向性と、現場からボトムアップで上がってきたものをすり合わせて議論するような形です。

西尾:
私の前職はSIだったので「プロダクトそのものを作る」というよりも、基本的には「技術を使うことで、どうしたらお客様のやりたいことが実現できるか?課題を解決できるか?」を考えて提案するような関わり方をしていました。

ビビッドガーデンには2人目の社員として入社したので、最初は小さいチームで話し合いながらコードを書き、手を動かしていました。今は、プロダクトそのものをどう作っていったら良いか?を考える立場です。

「食べチョク」サービスを開始した直後は秋元さんががっつりプロダクトに関わっていたとのことですが、具体的に秋元さんはどのように動かれていたんですか?

西尾:
当時は小さいチームだったので、小さな文言修正などのことまで秋元さんが決めていました。

秋元:
そうですね。初期はデザイナーがいなかったので、細かいところまで私が見ていました。特にサービス初期は「何となく感じる違和感」が使いにくさや離脱に繋がってしまう。『神は細部に宿る』と信じ、西尾さんに「ここのmargin、1px広げられないですか?」などの提案もしていました。今思うと本当に細かいですね。こういった修正は敬遠されがちなのですが、嫌がらずに修正してくれて感謝しています。

西尾:
確かに細かかったです。笑 でも、言われてみると納得することも多かった。チームとして、ビジネスの目的を達成するために細かいところにも気を遣うという動き方をしていましたね。

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成長を支えるのは、サービスとビジネス視点をもつエンジニア

直近1年間で「食べチョク」は一気に成長しました。
この1年間の成長を支えたエンジニアはどんな人が多かったと思いますか?

西尾:
ビジネスのことを考えてくれる人ですね。エンジニアの中にはビジネスを知らない、興味がないという人も一定数いるのですが、ビビッドガーデンのエンジニアは技術ももちろんですが「今のフェーズだとこんなだよね」とバランスよく考えられる人が多かったかなと思います。

普段から「プロダクトありきのエンジニアリングである」という話はするのですが、それを体現してくれています。

秋元:
忙しくても生産者さんのために目線が合っている人が多かったです。後ろめたいことを言わずに前進して、日常的に、どうやって皆でこの危機を乗り越えるかなどが話せたのがとても良かったと思います。

現在ではこの「サービス目線を持っているか」が採用基準にもなっており、昔からいるメンバーと直近で入社してくれたメンバーを比較しても、カラーはあまり変わっていないと思います。

メディア露出も増える中で「TV放映された時に落ちない」などのインフラをはじめとした守りも、新規開発などの攻めも、どちらも頑張ってくれていました。

食べチョクは「切符は手に入れつつある」フェーズ

現在の「食べチョク」のフェーズをどう捉えているか、そして、今後作っていこうと考えているものについて教えてください。

秋元:
今は、未完成ではあるものの、生産者さんからの信頼やお客さんからの認知などの「切符は手に入れつつある」フェーズだと思っています。ただ、それらすべてをプロダクトに落としきれてはいません。ネットに不慣れな高齢な方など今まで使っていなかった人にも入ってきていただけているので、どんな方にも使いやすいサービスにする必要があります。

私たちは単なる物売りのプラットフォームではなく、人と人とのつながりを感じられる、体温のあるサービスを提供しようとしています。正直なところ純粋なECとしてもまだまだ不十分なところはありますが、温もりあるサービス、そこからもう一歩先の体温を伝えるサービスにしていきたいです。

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作りたいのは「自立した開発チーム」

エンジニアサイドとしては、秋元さんが言うような「温もりある」サービスを作るために、組織としてどうなっていくべきだと考えていますか?

西尾:

「課題・ミッションに対して自分たちで作っていける自立した組織」になるべきだと考えています。

今後、エンジニアチームの人数は増やしていく予定です。ただ無策で人を増やしていくと、巨大なチームで一つのコードベースをいじるようなことになり、開発スピードが落ちたり、スケールしにくくなると思っています。中の作りも組織も、人が多くなってきた時に作りやすいように変えて影響範囲を少なくする必要があると思っています。

人数がより多くなってくると、こちら側が全部考えて渡すのは難しくなる。質問に戻りますが、自立した組織を築くことで「温もりあるサービス」を作っていきたいですし、開発スピードもさらに上げたいです。

ちなみに西尾さんにとって「開発スピードを上げる」とはどのようなことを指していますか?
またチームが大きくなると、
ある程度意思決定をコンパクトにする必要があるかと思うのですが、その辺りはどのように考えていますか?

西尾:
「開発スピードを上げる」とは、仮説検証のスピードアップと、それを支えるデリバリーの速度を落とさないことだと思っています。

たしかにプロダクトが巨大化するとどうしてもリリースまでに時間がかかりがちになるので、意思決定を小さくしてチームで責任を持ってデリバリーできるようにしていくのが大事だと思っています。小さく作ってすぐリリースしてすぐ検証するようにしたい

また、変えたくないこだわりは言語化して伝えていく必要はあると思っていますが、意思決定のスピードは下げないようにしたい。本当にちょっとした文言を変えるのにも許可が必要、のようにはしたくないと思っています。

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一番大切なのは「体験設計」と「ユーザー体験の担保

言語化という話が出てきましたが、「食べチョク」のこだわり、いわば「食べチョクっぽさ」のようなものは伝え続けなければいけない一方で、少しずつ権限委譲を進める状況になっていくかと思います。
そこに対して秋元さんはどのように思っているか、「食べチョクっぽさ」をどのように伝えていこうと考えているかを教えてください。

秋元:
「食べチョク」で一番大切なのは「体験設計」「ユーザー体験の担保」だと思っています。

例えばコンバージョンだけを重要視したら、究極、全てのECサイトのUIは同一になると思います。でも、私たちは「つながり」という抽象的な価値を届けている。だからこそ、ファーストビューにもっとも近いところに「みんなの投稿」を置いています。

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「人気商品」よりも上に「みんなの投稿」があります

上記は一例ですが、ユーザー体験の担保は事業課題でもあります。「食べチョクっぽさ」を伝え続けていくために、同じ世界観を作っていける人、ブランドのために健全な議論ができる人を置きたいというイメージはあります

しかし、ブランド担当がとかどうこうではなく、皆がブランドに向かっていけるようにしたい。そのためにも、世界観に対する提案は大歓迎です。また、ブランドに関わらないUIなどに関しては住み分けし、チームが意思決定権を持って回していくべきだと思っています。

プロダクトは会社の価値そのもの

ビビッドガーデンにとって「プロダクト」とは何でしょうか?
どのような立ち位置にあると捉えているか、教えてください。

秋元:
食べチョクはマーケットプレイス。自分たちでモノを作っているわけでもなく、リアルのアセットもありません。そんな中、私たちのサービスの存在価値は「生産者と消費者という、距離の離れている両者をつなげること」=「分断を埋めること」にあると考えています。その手段として存在するのがプロダクトです。

特に一次産業の領域においてはこの分断が大きく、ただ単に両者を繋ぐ場所を提供するだけではダメ。「EC販売の経験のない生産者さんも簡単に使える仕組み」+「様々な便利なサービスを使っている消費者さんに独自の体験価値を届ける仕組み」の両方が揃って初めて、分断を埋めることができます。
その意味でプロダクトは会社の価値そのものです。現時点でもそうですし、これからも根幹をなすものとして大事にしていきたいです。

西尾:
いいプロダクトを作っていくために、ビジネスサイドとエンジニアが埋め合いつつ、ちゃんと同期をとりながらやっていきたいですね。さっきも言ったとおりですが、技術だけでプロダクトを作ってはいけないと思っています。

秋元:
そうですね。職種関係なくお互いでお互いをリスペクトしながら、みんながプロダクトの方を向き続けているようになりたいです。

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最後に「こんな人と働きたい!」という気持ちを聞かせてください!

秋元:
社内受託のように言われただけをやるのではなく、常に「何が価値なのだろうか?」と考えながら行動できる人に来てほしいです。

組織として、社内受託のような状態は絶対に作りたくないと思っているんです。一方で、何が正解かという答えが決まっているわけではないので、建設的な議論を進めながら一緒に取り組んでいきたいです。

西尾:
2つあります。1つ目は「プロダクトを成長させる」という熱量がある人。もちろん技術への興味も大事なのですが、プロダクトも好きで、それを大きくしたいという想いがある人と一緒に働きたいです。

2つ目は「変化を楽しめる人」。ここ半年どころか、1〜2ヶ月前と比べても開発のスタイルが大きく違うのが今のビビッドガーデンです。どういうやり方だとプロダクトと組織がきちんと成長するかというのを既存のやり方にとらわれることなく考え、変化させ続けていきたいので、それ自体に興味や楽しみを覚える方だといいなと思っています。

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ありがとうございました!


▼ビビッドガーデンでは採用を強化しています!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ビビッドガーデンでは現在、Webエンジニアやアプリエンジニア、UIデザイナーの採用を強化しています。(もちろんビジネスサイドも募集しています。)

ビビッドガーデンのプロダクト・組織に興味を持っていただけた方はぜひ、HERPやMeetyより、ご連絡をいただけると嬉しいです!


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